"見下した作業服の裏にある真実の誇り" 第7話
「バカな、だってこの女はただの町の職で、みささんの母親で……」
「黙れ、無な男め」桐副社の声が段とくなる。
「会が職であることはがグループの誇りだ。会は代でこの巨帝国を築きげられたが、その原点は今もなおこのさな町にある。会は現の油の匂いを忘れたら会社は腐る、とおっしゃる。今でもな試作部品はご自ので加されるのだ。今お召しになっているその作業こそ、がグループの原点と呼ぶべきもの。それを汚いだと?」
桐副社のりが部に渦巻く。
さんは膝から崩れ落ち、畳にをついた。
ああ、と言葉にならない鳴が彼のから漏れる。
私は隣につ母の横顔を呆然と見つめた。
母はいつものように穏やかで、しかしどこかいたずらが成功した子供のような悪戯っぽい笑みを浮かべていた。
「お母さん、シノメホールディングスの会、テレビでよく見る伝説の女性経営者だったなんて…… 驚かせてごめんね、みさ」
母は優しく私のを取った。そのは先ほどたちが汚いとののしった、傷だらけで油の匂いのする温かい職のだった。
「隠していたわけじゃないのよ。ただ娘には普通の庭の子として育って欲しかったし、私もの職としてあなたと向きいたかっただけなの。
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でも今というは、私のもうつの顔を見せる必がありそうね」
母は再び穏やかな線をさんたちに向けた。
「さん、あなたが貿易の次期専務補だということはっていました。そして私の娘があなたの息子さんと結婚したいと言いした、私はから祝福しようとった。だからこそ今この格好で来たのよ、あなたの本質を見るために」
母の言葉は静かだが、鋭い刃物のようにさんの胸に突き刺さった。
「もしあなたが、作業姿の私を見てもの、の親として敬を持って接してくれたなら、私は貿易への資をさらに拡し、あなたを社に推薦するつもりでした。シノメグループは肩きや見た目ではなく、そのの根っこにある誠実さを何よりんじるからです」
静さんがガタガタと震えるで自分の着物の襟元を掴んだ。
「そ、そんな理由で……」
「これ以の理由があるかしら?」母の声が気にたくがる。
「あなたは自分よりがだとうを徹底に見し侮辱した挙句、娘に向かって親と縁を切れと問い放った。自分の世のために族を捨てさせるようなに、数万の社員の命運を握る資格など微もありません」
母の言葉は正論だった。あまりにも完璧なまでの正論だった。
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さんはもはや言い返す言葉もなく、ただただ自分の愚かさに絶望しているようだった。
しかしここで黙っていられなかったのが、これまで親の権力にぶらがってきてきた拓也だった。
「ま、待ってください、会様!」
拓也が体裁を構わず母の元にすがりつこうとした。
「僕が悪かったです。今の言葉は全部父さんと母さんに言わされただけで、僕はみさのことを本当にしているんです。みさ、分かってくれ、僕たちの仲じゃないか」
あまりの勝さに私は吐き気がした。
つい数分まで徹な目で私を見捨てた男が、相の正体をった途端にを叫ぶ。その浅ましい姿に私は歩ろへがった。
「拓也さん」母がたく彼を見ろした。
「あなたは先ほどみさに向かって『貧乏な活から抜けしたいだろう』と言いましたね。残ですが、あなたはきな勘違いをしています」
母はゆっくりと自分のスマートフォンを拓也に見せた。
「みさが事務として働いていたあの会社。あそこの株の 80% を保している株主が誰だか分かっているのかしら」
拓也の顔が恐怖で引きつる。物語はここからさらに加速していく。母が隠し持っていた逆転のためのもうつの切り札とは――
「嘘だ、そんなの嘘に決まっているわ!さん、騙されないで!桐副社にそっくりな役者を雇った、たちの悪いドッキリか何かなのよ!」