"夫と義姉の忌まわしい一夜" 第14話
「ネットで拡散されているあの画、あれは院内のが撮し流させたとしか考えられません。これは単なる報漏洩ではない権侵害であり、病院の杜撰な管理体制を世に晒すな事件です。」
田委員は青い顔でただ「申し訳ありません」と繰り返すばかりだ。弁護士はさらに畳みかける。
「々は流させた犯の特定と損害賠償請求、そして依頼たちが受けた精神・社会損害に対する慰謝料として計 5 億円を請求いたします。」
「5 億円!」田委員が驚きの声をげた。
「いものでしょう。佐藤拓也様は将来を約束されたエリートでした。霊子様にも素らしいご縁談がございました。病院のせいで全て台無しになったのですから。」弁護士は徹に言い放つ。
里子はその隣で「その通りですわ」とわめいている。私はそのやり取りをただ黙って聞いていた。俯き、折肩を震わせ傷ついた妻を演じながら。
すると弁護士の線がに私に向けられた。
「そちらの奥様、佐藤みさんでしたかな?」
「はい。」私はか細い声で答える。
「あなたも被害者のだ、夫に裏切られたれな妻。世の同はあなたに集まっているだが、つおかしなことがある。」
「おかしなことですか?」
「そうだ。」弁護士は私の目を貫くように見つめた。
広告
「あの画、なぜ 2 が分される最もなシーンが記録されていないのですかね?」
私の臓が瞬だけ激しく鼓した。だが表は切変えない。
「画は 2 が結したまま術に運ばれるところで自然に終わっている。まるでそのの結果を図に隠しているかのように、そのを待っていたかのように。」
その、田委員が慌ててをいた。それは私が鈴先を通して事に委員に報告させておいた報だった。
「そう、それについては院内でも調査をめておりまして…」田委員は慌てた調で机のに広げられた報告を指した。
「誠に遺憾ながら昨夜の術記録システムのデータに原因の具が見つかりまして、おそらく落か何かによる瞬な圧異常で、術の最終段階の映像データが破損していることが確認されたのです。」
「データが破損しただと?そんな都のいい話があるか!」弁護士の鋭い声が内に響く。
弁護士と委員の言い争いがび交うそのカオスので、私は今まで沈黙を守っていたのが嘘のようにゆっくりと顔をげた。
私の目には粒の涙が浮かんでいる。そして震える声で、そのにいる全員の考を止させる言を放った。
「では委員先」
私のか細くしかし凛とした声に、全員がハッとしてこちらを向く。
広告
「あの破損したというデータのその先には体何が映っていたのでしょうか?」
私は言葉を切り、絶望に満ちた表で続けた。
「まさかあの 2 はまだ分できていないということなのでしょうか。」
その瞬、委員のは完全に止まった。弁護士も里子も田委員でさえも、をあんぐりとけ私の顔を凝している。
分できていない。そのありえないはずの能性だが、物証拠となる画がしない。
今、私のこの言は悪魔な真実を帯びて、そのにいた全員のにくく突き刺さった。
さあどうする?私はのでたく笑っていた。
「分できていない…?」
私の言葉を最初に繰り返したのは義母の里子だった。その声は激しく震えていた。彼女のので私が放った言葉のを必に理解しようとしているのが見て取れた。
「そ、そんなバカなことがあるわけないでしょう!」里子はヒステリックに叫んだ。だがその声には先ほどまでの気は微もじられない。らかに揺している。
弁護士は何も言わなかった。ただその蛇のようにたい目で田委員と私を交互に見比べている。百戦錬磨の彼も、またこの異常事態の展に考が追いついていないようだった。
田委員は完全に狼狽していた。
「い、いや。
術は無事に成功したと鈴先から報告は受けております。で、ですが… その物証拠が、物証拠がない…」