"深淵に沈んだ家族" 第9話
「申し訳ありませんでした」
彼は震える声で言った。
「あなたの族のこと、父がしたこと」
私は彼を見た。
「君はらなかった」
「るべきでした」
健はうつむいた。
「父の事務所を片付けていたら、偽の壁の裏に庫を見つけました。写真が何百枚もありました。しいと緒に笑っている族の写真です。あなたの族もありました」
私の胸がえた。
「なぜ、それを今言う」
「最の付の写真もあったんです」
健はポケットから折りたたんだをした。
「父が逮捕されたも、誰かが作戦を続けているかもしれません。叔父の鈴徹がを引き継いでいます」
には、最鈴オートでを買った族の名が並んでいた。
そのうち1つに、渡辺の名があった。
「先週ニュースで見ました。形へのキャンプ旅から戻っていないそうです」
私はすぐに黒田警部へ話した。
「誰かがまだやっています」
通話の向こうで、黒田警部の声が変わった。
「今夜そちらへ向かいます。何もしないでください。健さんを全な所に置いてください」
その夜、私のは即席の司令部になった。
黒田警部、田所捜査官、技術担当者が集まり、健の持ってきた類を確認した。顧客報、保険内容、旅程。は鈴達也のと同じだった。
次の標は、渡辺。
形へ向かう族旅だった。
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警察は罠を仕掛けることを決めた。
渡辺には事を説し、完全監ので予定通り発してもらう。警察両が距を置いて追跡し、襲撃の瞬に鈴徹を押さえる。
私はだった。
「子ども連れの族を危険にさらすんですか」
田所は言った。
「このままでは、また誰かが殺されます」
曜の朝。
渡辺のSUVが発した。
私と黒田警部は覆面両で方についた。鈴徹のピックアップトラックも確認された。標を尾している。
やがて列は、国4号線127kmポストへづいた。
そこは、20に私の族が襲われた所だった。
しかし鈴徹は、予定された点で止まらなかった。
彼は突然加速し、渡辺のSUVを追い越した。そしてを横切るようにピックアップを止め、を塞いだ。
「気づかれた」
黒田警部が叫んだ。
鈴徹はからりた。
には散弾銃があった。
私は反射にをびした。
「徹!」
叫ぶと、彼はこちらを見た。
顔はりと絶望で歪んでいた。
「森本純平」
彼は唸るように言った。
「兄貴は言っていたよ。おは触らぬ神に祟りなしをらない馬鹿だってな」
「おの兄は、のために僕の族を殺した」
私は歩みを止めなかった。
「おはあと何族殺した」
徹の指が引きへいた。
その瞬、銃声がに響いた。
発砲したのは徹ではなかった。
林のに配置されていた田所捜査官の狙撃だった。
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鈴徹はピックアップの横に崩れ落ちた。散弾銃がアスファルトに落ち、乾いた音をてた。
渡辺は無事だった。
そのにち尽くしながら、私は奇妙な虚しさをじていた。
満ではなかった。
ただ、く痛みに満ちた物語の別の章が終わったという覚だけだった。
3か。
私は仙台のの裏庭にち、建設作業員たちがしい建物の基礎を打つのを見ていた。
入の板には、まだ仮の文字が掲げられている。
森本方者族支援センター族がへ帰るを見つける助けを
その建物は、方者の族のための所になる予定だった。
相談。
捜査資料を理する部。
カウンセラーや被害者支援者のための事務。
そしてロビーには、鈴の作戦によって殺害された族たちの写真を飾る記の壁を作ることにしていた。
私の両親、森本達也と子。
姉のサラ。
妹のエナ。
、田、斎藤。
そして、保険請求番号と利益率にまで貶められた、の何もの々。
ここでは、彼らを数字ではなく、として記憶する。
黒田警部が隣にち、ドーナツショップのコーヒーを1つ渡してくれた。
「どんな気分ですか」
「怖いですよ」
私は正直に答えた。
「成してからののほとんどを、族を探すことに使ってきました。今度は、のが同じことをするのを伝うことになる」
「もう始めています」
黒田警部は言った。
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