みかん小説
本棚

"半月傷の弟" 第5話

その言葉が、蒼太のに残った。

結果がるまでの数は、いはずなのに妙にじられた。

蒼太は、自分が森田優である能性と、そうではない能性の両方を抱えたまま、常を続けるしかなかった。

そのも、泊の活は続いた。

夜勤を終え、朝方にコンビニの駐へ入る。

シートを倒し、毛布をかける。

では々が通勤へ向かい、駅へ歩いていく。

蒼太は目を閉じながら、23の滋賀県の国像した。

自分はなぜ、そこに倒れていたのか。

誰が通報したのか。

そのに、どこから来て、どこへ向かっていたのか。

記憶は何も答えなかった。

、敬吾から再び連絡があった。

「資料をもうし確認してほしい」

蒼太は神戸の事務所へ向かった。

そこで敬吾が見せたのは、1枚の古い聞記事のコピーだった。

さな方欄の記事。

しには、滋賀県内の国発見、とあった。

発見は2001

齢は推定18歳。

傷。

所持品なし。

蒼太がに聞かされた自分の事故記録と致していた。

「私は当、この聞記事を読んでいます」

敬吾は言った。

「でも写真もなく、続報もなかった。兵庫で失踪した弟と、滋賀で発見されたが同物だとは、その点では結びつけられませんでした」

蒼太はコピーを見つめた。

そこにかれているのは、事のようにい数だった。

広告

しかし、その数が自分のの入だったかもしれない。

兵庫県と滋賀県ので、失踪者と事故被害者のデータが自に照される仕組みはなかった。

個別の問いわせに頼るしかなかった。

そして、その問いわせは、わずかな差で届かなかった能性がある。

敬吾が雇った私探偵の報告には、沿いの聞き込み結果や、滋賀県内の病院への照会記録が残っていた。

ただし、それらは事故発から数ヶのものだった。

その、蒼太はすでに退院し、福祉の支援を受けて別の域へ移っていた。

わずかな差。

それが接点を失わせた能性がある。

誰にも探されなかったのではない。

探されていたが、届かなかったのかもしれない。

その仮説は、蒼太のこれまでの提をきく揺らした。

DNA鑑定の結果を待つ、敬吾は事故の経緯も理する必があると考えていた。

「仮にあなたが優だと確認されたとしても、なぜ滋賀の国で倒れていたのかは別の問題です」

敬吾は資料を閉じながら言った。

「そこを確かめなければ、空は残ったままになります」

蒼太は抵抗を覚えた。

自分の過を第者が掘り返すことには、言葉にしにくいがあった。

だが、真実をるためには避けられない。

敬吾は、阪で私探偵事務所を営む川という元刑事に依頼した。

広告

川は定退職、未解決事件や過の事故の再検証を専に扱っている物だった。

川は当の警察記録、事故現の資料、保険会社の報告聞記事を1から洗い直すと告げた。

調査は約2週区切りがついた。

川は無駄な置きをせず、簡潔に結論を示した。

「事故当、森田優とわれる物は、1で歩いていたところを1台の乗用に拾われた能性がいです」

川が差しした資料には、当の聞き込み記録や、になって判した証言が理されていた。

そのを運転していたのは、藤井正という男性だった。

30代半。

職業は営業職。

酒をしていた形跡がある。

に入った直は制御を失い、複数回転した。

運転は軽傷でたが、同乗者は傷だった。

記録によれば、事故現で発見されたのは、蒼太だけだった。

運転の姿はなく、両も現から消えていた。

警察はひき逃げの能性を含めて捜査したが、両の特定には至らなかった。

そして藤井は翌朝、自が盗難に遭ったと警察に届けていた。

事故との関連は、当証されなかった。

川はさらに続けた。

「藤井正は3に肝臓疾患でくなっています。くなる、息子に事実を打ちけていたようです」

その告の内容は、かった。

あの酒運転をしていたこと。

若い男性を拾ったこと。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: