"お年玉泥棒の末路" 第11話
「会社でもうまくいっていないみたいでさ」
修司さんがそう言うと、私はわず言いました。
「あの性格では、それも仕方ないといます」
したいかもしれません。
でも、私にはもう、美佐子さんをかばう気持ちはありませんでした。
その、修司さんもいい加減うんざりしたようで、最には言いました。
「姉さん、自した女なら、もう頼るなよ」
そして着信拒否にしたそうです。
誰1、同しませんでした。
自分のやってきたことや言は、いつか自分に返ってくるのです。
卓で、綾音がテレビを見ながらぽつりと言いました。
「おばさん、異世界に転してやり直した方がいいんじゃないの?」
瞬の沈黙の、文さんと修司さんと私は顔を見わせて、わず苦笑してしまいました。
現実逃避の異世界転。
けれど実際には、この現実から逃げることなんてできません。
文さんは、カタログを広げながら嬉しそうに言いました。
「あの子に持ちられる危険がなくなったから、してお取り寄せができるわ」
修司さんが笑いました。
「べ物のみは怖いなあ」
綾音がすぐに言いました。
「お玉のみも怖いよ」
文さんは真剣な顔でカタログをめくりながら言いました。
「とりあえず、蟹と帆ね。ハムは当分いいわ」
その言葉に、私たちは黙って何度もうなずきました。
騒がしいお正でした。
けれどその来事をきっかけに、私たち族はようやく、美佐子さんに振り回される活から抜けすことができました。
私はもう、ただ黙って耐えるだけの嫁ではありません。
切な族を守るためなら、ちゃんとることもできる。
そう気づかせてくれたのは、義母の文さんであり、夫の修司さんであり、そして何より、まっすぐで無邪気な娘の綾音でした。
今夜も、がの卓には4分の箸が並んでいます。
そこに、美佐子さんの席はもうありません。
その代わり、誰にも奪われない穏やかなが戻ってきました。
― 完 ―
広告
おすすめ作品
-
完結第12話
無能嫁のタワマン逆転
73歳の玲子は、75歳の夫と45歳の息子・徹と暮らしていた。 夫は昔ながらの価値観を持つ元銀行員。家事も育児もすべて玲子に任せてきたにもかかわらず、完全退職後、家にいる時間が増えると、徹と玲子を見下すようになる。 「独身無職の親のスネかじりと、無能な嫁は出ていけ」 そう怒鳴られた瞬間、玲子は静かに決意した。 夫は知らなかった。引きこもりだと思い込んでいた息子が、実は在宅で高収入を得るフリーのエンジニアになっていたことを。そして、長年“何もしていない嫁”と見下していた玲子にも、正当な権利と新しい人生が残されていたことを。 2か月後。 玲子と徹が暮らすタワーマンションの前に、夫が現れる。手には、かつて玲子が好きだったコンビニスイーツ。 追い出したはずの妻と息子が、なぜ自分より豊かに暮らしているのか。 昭和の価値観にしがみついた夫が、ようやく失ったものの大きさに気づく――。相続|親子関係1.8萬字5 2 -
完結第25話
借金遺産の復讐~50 歳で手に入れた真の人生
娘の一生に一度の結婚式、晴れやかな舞台に連れてきたのは夫の愛人。 私は怒鳴りもせず、静かに席を譲った。 周囲の視線が刺さる中、新郎の父だけが私の心中を見抜き、深く頭を下げてくれた。 26 年間、介護と家事、夫の理不尽な暴言を全部一人で抱えて耐え続けた。 義母が残したのは 8000 万の負債だけの土地と古家、兄弟たちは借金を前に逃げ散り、夫は愛人と共に会社金を横領、契約書まで偽造し私を連帯保証人に仕立て上げようとした。 録音の証拠、離婚届、警察の逮捕状…… 積もり積もった苦しみが静かな復讐へと繋がる。 全てを失った夫は刑務所へ、私は義母の遺言と昔の才能をきっかけに上場ホールディングスの CFO に就任。 50 歳を過ぎて初めて自分の人生を手に入れた主婦の、涙と逆転の物語。 夫の裏切り、親族の薄情、莫大な借金の重圧を乗り越え、誰にも頼らず輝きを取り戻す。 長年我慢してきた女性たち必読!嫁姑|夫婦|裡の顔3.8萬字5 284 -
完結第9話
五度目のドタキャン弁当
娘の運動会当日、姑から突然の電話が入った。 「やっぱり今日は長男孫の誕生日会に行くから」 これでドタキャンは5回目。朝4時から作った唐揚げ、卵焼き、ミートボール、娘のために詰めた重箱いっぱいのお弁当は、また姑の気まぐれに振り回されることになった。 しかも姑は、普段から長男家族ばかりを優先し、次男の娘であるゆいを平気で比べて傷つけてきた人だった。 落ち込む娘を見て、母はついに心を決める。 もう、姑のわがままに振り回されない。 そんな中、運動会の昼休み、親が仕事で来られず1人でいたクラスメイトの男の子を、ゆいがお弁当に誘う。 「ママ、よかったね。いっぱい作って正解だったね」 姑に踏みにじられたはずのお弁当は、思いがけない出会いをつなぎ、やがて家族の未来を大きく変えていく――。嫁姑|親子関係1.4萬字5 442 -
完結第8話
孫が暴いた毒の食卓
58歳の礼子は、夫・国彦と5歳の孫・陽太と静かに暮らしていた。 息子夫婦を事故で亡くして以来、陽太だけが礼子の生きる支えだった。だが、その頃から礼子の体には異変が起き始める。めまい、吐き気、強い眠気、原因不明の体調不良。病院では「心労」と言われ、夫が勧めるサプリメントと手料理を信じて口にしていた。 そんなある日、リビングで陽太とテレビドラマを見ていた礼子は、孫の何気ない一言に凍りつく。 「あ、これジイジのと同じだ!」 画面に映っていたのは、錠剤を砕いて料理に混ぜる場面だった。 昨日、夫は台所で何をしていたのか。礼子の体調不良は本当に偶然だったのか。そして、夫が優しい顔の裏で隠していた“とんでもない秘密”とは――。 孫の一言をきっかけに、崩れかけていた日常の真実が静かに暴かれていく。夫婦|親子関係1.3萬字5 427 -
完結第7話
消えた暖房と姑の末路
真冬のある日、ゆかりが息子と買い物から帰ると、家のエアコンが壁から消えていた。 外はマイナス3℃。暖房器具はその一台だけ。慌てて義母に電話すると、返ってきたのは信じられない一言だった。 「売ったのよ。エアコンなんて贅沢だもの」 夫が単身赴任中の義実家で、姑から嫌がらせを受け続けていたゆかり。服を勝手に着られ、夕食を捨てられ、息子まで一人で留守番させられてきた。 そして姑は、エアコンを処分したままハワイ旅行へ出かけてしまう。 凍える夜、ゆかりはついに夫へ電話をかける。 5日後、旅行から戻った姑が見たのは、売りに出された家と、もう戻ってこない嫁と孫の姿だった。 だが姑が失ったものは、家だけではなかった――。嫁姑1.0萬字5 426 -
完結第17話
田舎姑の一億円裁き
息子の結婚式の日、佐藤かよ子は新婦レナから、招待客の前で「田舎くさい年寄り」と侮辱された。 京都で小さな京友禅の工房を守り、女手ひとつで息子を育ててきた母。けれど、息子は妻を止めることもなく、ただその場で黙っていた。 涙を見せず、笑顔で披露宴を終えたかよ子は、帰りの新幹線の中で静かに決意する。 この屈辱は、絶対に忘れない。 やがて、息子夫婦は会社の資金難に陥り、見下していたはずの母に助けを求めてくる。だが彼らは知らなかった。 “田舎の年寄り”と笑ったその母が、実は彼らの人生を一瞬で変えるほどの力を持っていたことを。 そして、1億円の融資契約に隠された本当の意味を――。親不孝|親子関係2.5萬字5 674 -
完結第8話
十一年目の父欄
11年ぶりにアメリカから帰国した高村浩は、実家の玄関に並んだ2つのランドセルを見て言葉を失う。 母が1人で暮らしているはずの家に、小学生の男の子と女の子がいた。しかも、学校の書類に書かれていた姓は「高村」。母は「知り合いの子を預かっているだけ」と言うが、浩の胸には消えない違和感が残る。 やがて彼は、母の部屋で一枚の戸籍謄本を見つける。 そこに記されていたのは、優太とひなという二人の子どもの名前。そして、父の欄にあったのは、11年間何も知らず海外で生きてきた自分自身の名前だった。 なぜ母は、二人の子どもを隠して育てていたのか。 11年前、浩が日本を離れた後、この家で何が起きていたのか。 帰国した息子が知ることになるのは、母が一人で抱え続けた秘密と、失われた11年の重さだった。親子関係1.1萬字5 505 -
完結第19話
いただきますのない食卓、私は家を出た
毎日朝晩 5 人分の食事を作り、家族の体調や好みを全部気にかけてきた 27 年。 だけど食卓に並ぶ温かい料理を前に、誰一人「いただきます」の一言も口にしない。 「私はもう、この家に必要ないのね」 静かにそうつぶやいた翌朝、私は荷物をまとめて家を出た。 当たり前にされ続けた愛情が、何も言われず消えていく悲しみの物語。 自分を犠牲にして家族のためだけに生きてきた全ての女性に届けたい一冊。兄弟姉妹|嫁姑|夫婦|金銭問題2.9萬字5 310 -
完結第17話
支えを手放す日
【離婚後――私は静かに仕送りを止めた。何も知らない元夫は愛人との海外旅行から笑顔で帰国した――だが空港で呼び止められた瞬間、その笑顔は消えた】 二十年間、夫のすべてを陰で支え続けた私。 借金の返済、毎月の仕送り、住まいと車の支払い、夫が外で見栄を張るための費用…… 彼は私の善意を当然だと思い、感謝もせず愛人と海外旅行へ出かけた。 離婚を決めた私は、騒ぎ立てず静かにすべての支えを断ち切った。 ハワイから満面の笑みで帰国した元夫。 空港で私と対面した瞬間、彼の虚構の自由は一気に崩れ落ちる。 使えないカード、入れない家、売れない高級車、絶縁した娘、莫大な慰謝料請求。 「あなたの笑顔も自由も、私の善意の上に成り立っていただけです」 激情なく淡々と告げた一言が、彼に何より重く突き刺さる。 優しさは永遠に捧げ続けるものではない。自分を守るため、支えを手放すことは冷たさではない。 誰かの犠牲の上に安楽を得ている人へ、必ず心に響く物語です。兄弟姉妹|嫁姑|夫婦|金銭問題2.6萬字5 606