みかん小説
本棚

"五度目のドタキャン弁当" 第2話

蔵庫を勝け、材のチェックと称してつまみいをする。よく言えばらかで自由奔放。正直に言えば、わがままで自分勝だった。

「志帆さん、買い物に連れてって」

の朝にそう言われ、こちらが予定をずらして迎えにくと、玄関先で笑いながら言われた。

「今はカラオケに誘われちゃったから、やっぱりいいわ」

「お母さん、私、準備して来たんですけど」

「急だったんだから仕方ないでしょ」

こちらがしでも嫌そうな顔をすると、トメはすぐにす。

「文句があるなら言ってみなさいよ」

そういうだった。

さらに厄介なのは、トメが筋入りの男びいきだったことだ。県男夫婦と、その息子、つまり私たちにとっての甥をものすごくがっている。

男の孫ちゃんは賢いし、運神経もいいのよ」

男のお嫁さんは素直で気が利くわ」

「男の子はやっぱり特別ね」

会うたびにそんな話をする。そして必ず、うちの娘と比べる。

「女の子は気楽でいいわよね。取り柄がなくても、健康なら何とかなるでしょ」

悪気があるのかないのか分からない。けれど言われるたび、私はでため息をついていた。

夫も、さい頃から男と比べられて育ったという。

成績、部活、学先。何でも男が優先。夫がしでも目つと、姑は嫌になったらしい。

広告

夫は兄より秀でないよう、無識に気をつけながらきてきたのだと、結婚してしばらく経ってからぽつりと話してくれた。

だから夫は今でも、トメとは距を置いている。

トメの話になると夫は黙り込んでしまうので、普段の対応はできるだけ私が引き受けていた。波てないように。娘に響がないように。そうって、私はなるべくうまく付きっているつもりだった。

けれど、その努力は何度も裏切られてきた。

会の数のことだった。

パートを終えて帰宅すると、黒ずくめのを着た物が庭でごそごそいていた。子を目にかぶり、腕カバーまでつけている。夕方の暗さもあり、私は瞬本気で棒だとった。

棒……?」

構えた直、その物が顔をげた。

「あら、志帆さん。お帰り」

「お母さん……」

焼け対策を完全装備したトメだった。彼女はの庭で、せっせとむしりをしていた。

「お母さん、やめてくださいって言いましたよね」

私は鞄を肩からろしながら、できるだけ落ち着いた声で言った。

から、勝に庭をいじられるのが嫌だと何度も伝えていた。育てていたを抜かれたこともあるし、庭菜園の野菜を雑扱いされたこともある。だから本当にやめてほしかった。

しかしトメは呆れたような顔で言った。

広告

「だってぼうぼうでみっともないでしょ」

を荒れみたいに言わないでください」

所のに見られるじゃない」

「だからって勝に入らないでください。臓に悪いです」

「やってあげてるのに」

いつもこうだった。

親切なふりをして、自分勝を正当化する。

私は呼吸した。

「せめて連絡してください」

「はいはい」

「お母さん、ちゃんと聞いてください」

「何よ、しつこいわね」

その態度に、胸のの苛ちが膨らんだ。

「このだって、買い物に連れてってほしいって言うから、休に迎えにったんですよ」

「ああ、あれね」

「連絡もなしにドタキャンしましたよね」

「だってカラオケに誘われちゃったんだもん。急だったんだからしょうがないでしょ」

との約束を軽く考えないでください」

「たった1回のキャンセルでそんなにめくじらてないでよ」

私は無表で姑を見つめた。

「お母さん、そのはランチの予約をドタキャンしました。娘にゲームを買ってあげるって約束したのも忘れました。娘のピアノの発表会もドタキャンでしたよね」

トメは面倒くさそうに首をかしげた。

「そんなこともあったかしら」

忘れもしない。

、ゆいのピアノ発表会の。娘は発表会が終わるまで何度も客席を見ていた。

「おばあちゃん、絶対来るって約束したのに。

まだかな」

結局トメは来なかった。話にもないので事故にでも遭ったのかと配していると、夕方になってようやく笑いながら話してきた。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: