"盗まれた120頁" 第3話
窓際のハンガーラックには、分い用のコートがかけられたままでした。
2の京はえ込みます。くへ逃げるが、最も必な防寒具を置いていくでしょうか。
机の引きしからは、現3万円が入った封筒も見つかりました。の通帳や印鑑も、透なケースにきちんと収められています。クローゼットのには、実から送られた米袋がつかずで置かれていました。
内を見渡した捜査員の1が、い声で呟きました。
「するが、財布もコートも置いていくはずがない。まるで、ちょっとそこまでかけたままが止まっているみたいだ」
その言葉通り、部に争った形跡はありませんでした。荒らされた様子もありません。
フラッシュが暗い内で何度もりました。警察の目は、部の半分を占めるきな机に向けられました。
壁のコンセントには、デスクトップパソコンの太いケーブルが刺さったままです。パソコン本体には、かすかに械のが残っていました。
モニターの横には、さ30cmほどに積みげられた専。には、英語でかれた何百枚もの文献コピーが散らばっていました。
警察は、この机のから失踪の理由を探そうとしました。
しかし調べるうちに、奇妙な空に気づきます。
これほど膨な資料があるにもかかわらず、1番なものだけが消えていたのです。
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誠が3か、114をかけてきげた120ページの論文。その完成版データが、どこにも見つかりませんでした。
机の側の引きしには、50枚以のフロッピーディスクが理されていました。けれど、最データが入っていたはずのラベル付きの箱だけが空になっていました。
まるで、その部分だけが図に抜き取られたようでした。
母親は空っぽのディスクケースを両で握りしめました。
「あの子にとって、あのデータは命より切なものでした。それを置いていくなんて、絶対にありえません」
さらに、本棚の番の奥から、青い表のノートが見つかりました。
表には「実験記録」と、誠の几帳面な字でかれていました。鑑識の捜査員が袋越しに慎にくと、1ページ目から細かな数値がびっしりと並んでいました。
インクの、圧のさ、数字の並び。そのすべてから、誠がどれほど真剣に研究に向きっていたかが伝わってきました。
記録は、失踪の夜まで1も欠かさず続いていました。
しかし最のページをいた瞬、捜査員のが止まりました。
ノートの最の1枚が、乱暴に引きちぎられていたのです。
ハサミやカッターで切られた跡ではありません。い力で無理やり引き剥がされたような、自然な破れ方でした。
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破れたの切れ端だけが、わずかに残っています。
特殊なライトを横から当てると、そののページにはい圧の跡が浮かびました。誰かがそのに、非常になことをき込んでいたのは確実でした。
ゴミ箱のはすべて確認されました。しかし、破られたは部のどこからも見つかりませんでした。
自ら失踪するが、ノートの1ページだけを持ちるでしょうか。
警察の「」という結論は、この部のできく揺らぎ始めていました。
のコートも、活費も、通帳も残されている。
その方で、消えていたのは論文のデータと、ノートの最の1ページだけ。
見つかったものよりも、消えていたものの方が、はるかに自然でした。
その破られたには、体誰の名がかれていたのでしょうか。
19953。
事態は両親にとって、最も絶望な方向へきました。警察の捜査班は、わずか1かで幅に縮されたのです。
机のに残されたノートの破れも、消えた論文データも、犯罪の証拠として扱われることはありませんでした。
「成男性の」
その壁に阻まれ、積極な捜索は事実打ち切られました。
青森に残された両親は、そこで1つの決断をします。
先祖代々のとを売り払い、1000万円の現を作りました。それは農作業でをかけて築きげた、彼らのそのものでした。
2は京の郊に、賃4万円の古いアパートを借りました。
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