"槍ヶ岳の残響 消えた登山家の真実" 第17話
「おじさん、娘さんのためにしたことでしょう。私はんでいませんよ。」
その瞬、本輔会のたちが伊藤さゆりを崖から無慈に突き落としました。
「やめろ!」
昌雄は絶叫しましたが、もう遅すぎました。
狂ったような音との轟音にかき消され、伊藤さゆりの鳴は誰のにも届きませんでした。
「証拠は見つかったか?」
本輔会は何事もなかったかのように問いました。
「はい、ここにあります。」
のが防パックを渡しました。
しかしそれは、昌雄が事に用しておいた偽物でした。
伊藤さゆりが託した本物の証拠は、すでにくの別の岩の隙に全に隠しただったのです。
「今のことはなかったことにする。」
本輔会は昌雄をややかに見ろしながら言いました。
「すぐ娘の術費は々が全額してやる。その代わり、おはこののでを閉ざしてきるんだ。分かったな。」
昌雄の壮絶な自が終わると、取調にはい沈黙だけが流れました。
「その、どう過ごしたんですか?」
田健警部は慎に尋ねました。
「娘の術は無事終わりました。らしい活を取り戻したかったのですが、罪悪に打ち勝つことができませんでした。」
昌雄は涙を拭いながら言いました。
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「それで毎、さゆりさんがくなったそのになると、あの絶壁を訪れて、カモシカの刻印をしずつ刻んでいました。」
「なぜよりにもよってカモシカのロゴだったんですか?」
「あのお嬢さんが、このマークが自分の岳会のロゴだととても誇らしげに話していたからです。そうしないと、私が本当に気が狂ってしまいそうでした。」
田健警部は黙って頷きました。
昌雄の自は、伊藤さゆりが遺した証拠と完全に致しました。
「さん、この供述調に署名してください。」
昌雄は震えるで、自らの罪を認める署名を記しました。
田健警部は直ちに司に報告しました。
「今すぐ本輔会に対し、殺幇助及び法廃棄物埋ての容疑で緊急逮捕状を請求します。」
「根拠は確かなのか?」
「被害者が残した決定な証拠と、全てを見届けた目撃者の自、両方とも確保できました。」
田健警部の声にはしの揺らぎもありませんでした。
、アルプスのいのに隠されていたあのの真実が、ついにのにさらされました。
今こそ、全ての真相をもとに真の犯を裁くが来たのでした。
2009 6 11 午 5 、京最裁判所法廷。
息遣いさえ聞こえないほどの厳かな静寂の、裁判が最終判決を言い渡しました。
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「被告本輔を殺幇助、環境汚染防止法違反等の複数の容疑により、無期懲役に処する。」
厳しくみのある裁判の声が法廷全体に響き渡りました。
被告席につ本輔会は、微もせずのように固まった顔で判決を聞いていました。
「被告昌雄を証拠隠滅、殺幇助の罪により、懲役 5 に処する。」
その言葉を聞いた瞬、昌雄はくをげました。
彼の細い背が、さく、しかし止まることなく震え続けていました。
傍聴席に座っていた田健はくい息を吐き、静かに目を閉じてきました。
ヶに渡る過酷な捜査と裁判が、ついに終わる瞬でした。
6 15 、田健は神奈川県川崎にある療養病院を再び訪れました。
伊藤さゆりの母、伊藤寿子さんに、事件の最終報告を届けるためでした。
「お母さん、さゆりさんの事件に関わった犯たちは、全て罪を償うことになりました。」 田健はやせ細った寿子さんのをそっと握りながら告げた。
「うちの娘、さゆりがあんな恐ろしい連とで闘っていたなんて……。この愚かな母親は、それを何もらずに……」 伊藤寿子の目から抑えきれない涙がとめどなくこぼれ落ちた。
「はい。お嬢さんは誰よりも勇敢に、最まで正義を守ろうとしました。それだけでもれて、やっとのしこりが解ける気がします。
」 伊藤寿子は力なく田健のを握り返した。
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