みかん小説
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"父の残した翼" 第17話

 

「ひっ」という鳴と、シーツを固く握りしめる母の麻痺していない

しぐらい力を入れても文句は言われないでしょうね。ゆみの幸せを壊したくなければ黙って僕の言うことを聞くんです」

彼の酷な脅迫の言葉がつまたつと、彼の嘘と偽善を暴いていく。母のうめき、男の威圧な声だけが静まり返った部に響き渡った。

直さんはソファに座ったまま、怯えたような顔で画面をい入るように見つめていた。その額からは油汗が流れ落ち、は半きのままカタカタとさく震えている。

自分が勝ち誇っていた所で、自分の最も見苦しい姿がかぬ証拠として再されている。それは彼にとって獄そのものの景だったに違いない。

映像が終わり、画面が暗転した、リビングは完全な沈黙に包まれた。誰も言も発しない。ただに突っ伏して泣きじゃくる母のさな背だけが震えていた。

やがて本先が静かにいた。その声はどこまでもたく厳しかった。

直さん。これがあなたの言う献な介護であり、あなたが主張する『認症の作り話』の真実です。これでもまだあなたはご自の無実を主張されますか?」

直さんは何も答えられなかった。ただ「あ……うう……」とのない声を漏らすだけだ。

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彼が積みげてきた嘘のは、今音をてて完全に崩れ落ちたのだ。

私は泣きじゃくる母のそばへき、その背を優しく抱きしめた。

「お母さん、もう丈夫。もう丈夫だから」

しかし、私はまだこの男を許すつもりはなかった。私はゆっくりとがるとた。そして彼の絶望に染まった目を見据えながら静かに告げた。

「お見せしたいものはまだあるんです」

そう言って私はバッグのから父が残した最の切り札、あのさなボイスレコーダーを取りした。

その黒くてさな械を見た瞬、直さんの目に初めて本当の恐怖のが浮かんだ。私は見逃さなかった。

私がさなボイスレコーダーをテーブルのに置くと、直の顔はもはや恐怖で歪んでいた。彼はそのさな械が持つを本能に悟ったのかもしれない。

「なんだ、それは……」

絞りすような彼の声に私は答えなかった。代わりに本先に目配せをする。

本先は静かに頷くと、私に再するように促した。私は再ボタンを静かに押した。

スピーカーから最初に聞こえてきたのは細かい雑音だった。そして数秒の沈黙の、聞き慣れた、しかし々しい父の声が響き渡った。

「ああ、君かね。わざわざ病院まで来てもらってすまなかったね」

それは紛れもない、父・佐藤健の声だった。

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直さんはその声を聞いた瞬に打たれたように体を直させた。

父の声は続く。

「まあ、そこに座ってくれ。今は君につ頼みがあって呼んでもらったんだ」

「頼みですか?」

ボイスレコーダーからは緊張した様子の若い直さんの声も聞こえてきた。

この音声は父が入院していた病院ので録音されたものらしかった。おそらく父がくなるほんの数のことだろう。

父は静かに、しかし威厳のある声で語り始めた。

「単刀直入に言う。君がうちの娘、ゆみと付きっていることはっている。そして君が額の借を抱えていることも調べさせてもらった」

その言葉に息をむ音が聞こえた、直さんの声だった。

「何、それは何かの違いでは……」

「まあ慌てるな。君を責めようと言うんじゃない。むしろ私は君に謝しているんだ」

父のな言葉に、音声のの男は戸惑っているようだった。

謝ですか?」

「ああ、君はの匂いを嗅ぎつけるのが実にうまい。君がゆみにづいたということは、私でさえ気づいていなかった。このに、まだ君のようなハイエナが狙うほどの財産が眠っているということだから。君のおかげでそれに気づくことができた」

父の言葉のが分からず、私は隣に本先の顔を見た。先は静かに頷き、続きを聞くように図した。

 

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