"父の残した翼" 第14話
そしてもうつのさな箱。取りしてきたその箱をそっとけると、にはさなボイスレコーダーがつと枚のメモが入っていた。
メモにはまたしても父の文字でこうかれていた。
「ゆみ。これを再するは必ず本先のいるで、そして直のいるでやりなさい。俺がおとお母さんの未来を守る最の盾になる」
私はそのボイスレコーダーを固く握りしめた。
このさな械のに体父はどんな声を残してくれたのだろうか。
直さんの息の根を止める最の切り札。そのが今はまだ分からない。だが父の言葉を信じるしかない。
全ての証拠品を私は自分のバッグの奥くにしまった。
父がどれほどく私と母のことをい、どれほど周到に準備してくれていたか。そののさに再び涙がこぼれそうになるのをぐっとこらえた。
今は傷に浸っているではない。夜がけたら最の戦いが始まるのだ。
翌朝、リビングの空気は凍りつくようにえ切っていた。
直はすでにダイニングテーブルに座り、腕を組んで私を待っていた。その顔には「答えは決まったか」といてある。
私は彼の向かいの席に静かに座った。
「おはようございます」
私の落ち着き払った挨拶に、彼はし拍子抜けしたようだった。
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「ああ。それでどうするんだ?僕の言う通り、遺産を渡す気になったか?」
私はゆっくりと首を横に振った。
「お断りします。婚には応じます。でもあなたには遺産など円もありません」
私のきっぱりとした答えに彼の顔が変わった。
「なんだ、正気か。お、この僕と別れて病気の母親を抱えてどうやってきていくつもりだ?」
「それは私の問題です。あなたには関係ありません」
「関係なくない。このもも元はお母さんのものだ。つまり僕にも相続する権利があるはずだ」
彼の本性があらわになってきた。優しい夫の仮面は剥がれ落ち、欲という見苦しい欲望がむきしになっている。
私はバッグから枚の類を取りし、彼のに置いた。
「残ですが、このの所権は父がくなるにすでに私に贈与されています。法にあなたの権利は切ありません」
権利証の写しを見た直さんの顔が、見る見るうちに青ざめていく。
「なんだ、そんなバカなあのジジイ、いつのにこんなことを……」
父を侮辱する言葉に私のりは頂点に達した。
「まだお見せしたいものがあります」
私は次に、彼の督促状の写真データを表示したスマートフォンの画面を彼に突きつけた。
「千万円く借があるようですね。複数の消費者融から。これを返すために私と結婚したのですか?」
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画面を見た直さんは完全に言葉を失い、わなわなと震え始めた。
「なぜおがそれを……」
「そしてこの女性はどなたかしら?」
私は「あより」という女と映った写真をテーブルのに滑らせた。
「『するへ』ですって。密な関係のようですね」
写真を見た瞬、彼の顔から血の気が完全に引いた。その狼狽ぶりは、この女が彼にとってただのではないことを如実に物語っていた。
過の伏線がつつと繋がり、糸が絡まりにしていく。
母の通帳から消えた百万円、親戚から頂いたご祝儀、そしてこの千万円の借と謎の女の。
これだけの証拠を突きつければ、彼はもう言い逃れできない。
しかし彼は最の悪あがきをするように、の端を歪めた。
「面い。そこまで調べげていたとはな。だがおはつ忘れているぞ。おの母親は病気で体の自由が効かない。俺がいなければ誰があのの介護をするんだ。弁護士か、それとも国のお父さんか」
彼はまだ母のが自分の切り札になると信じているのだ。
「それにおは俺が毎晩お母さんをマッサージしてやった証拠でも持っているのか。あれは俺たちのの秘密のコミュニケーションだ。おには関係ない」
その卑劣な言葉に私は静かにちがった。
「ええ、ありますよ。あなたが母にしたことの全てが記録された証拠が」
そして私は最の切り札をすべく、本先に話をかけた。
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