"鬼母の末路" 第15話
別の写真には、級フレンチレストランで男とシャンパングラスを傾ける、見たくもない母親の姿があった。
「な、なんで……なんで拓也君の写真が……」
母親は弾かれたようにちがり、震えるで写真をかき集めようとした。
だが黒崎がそれよりく写真をで押さえ、氷のような線で射抜く。
「彼が務めている宿のホストクラブ、並びに彼の個座への送履歴を全て裏付けました。あなたが投資話に騙されたと言い訳していた額の費。その正体は、自分より歳ものホストに入れ込み、彼をナンバーワンにするためにつぎ込んだだった」
「は……」
俺のから、抜けな声が漏れた。
「ホスト……お袋、お……俺が血を吐くいで稼いだを真由たちから奪い取って、こんな若いツバメに貢いでいたのか」
俺の声に、母親は顔を真っ赤にして反論した。
「ち、違うわよ。貢いでたんじゃないわ。拓也君は将来IT企業をちげるを持ってて、私はその起業資を支援してあげてたの。これは派な投資よ。それに彼は、私が番の理解者だって、私と結婚したいって言ってくれてるのよ」
その滑稽な言い訳を聞いて、俺ので何かが音をてて崩れ落ちた。
これが俺の母親なのか。
自分の孫が氷点の部で震え、気を吸っただけの米をすすっている裏で、この女はホストの「結婚したい」
広告
という甘言を真に受け、千万円以のを湯のようにつぎ込んでいたのだ。
「結婚したい、ですか。それは傑作ですね」
黒崎が底おかしそうにで笑った。
「柏さん、あなたが起業資だと信じて振り込んでいたそのお。見事に、彼が通っている違法カジノの借返済と、彼の本命の彼女の同棲マンションの賃に消えていますよ」
「え……」
母親のきがぴたりと止まった。
「本命の彼女? な、何言ってるの? 拓也君に彼女なんて……。それにカジノの借って……」
「探偵を使って彼の辺をし洗えば、こんな報はでてきますよ。彼はあなたのような、見栄っ張りで孤独な齢女性をターゲットにした、悪質な恋営業の常習犯です。裏ではあなたのことを『番ちょろいづるのババア』と呼んで笑いしていたそうです」
「あ、ちなみに」
黒崎は元のタブレットを操作し、今朝のネットニュースの記事を画面に表示させた。
「その拓也君ですが、昨、別の女性客からの詐欺被害届がたことで警察に逮捕されましたよ。あなたから巻きげたおも、すでにギャンブルで綺麗に溶かし切って、円も残っていないそうです」
「あ……」
母親の喉から、の抜けた音が漏れた。
「ああ、嘘……嘘よ。拓也君が逮捕? 私のこと、づるって……嘘よ。だって来、緒に豪華客で世界周のクルーズ旅にくって約束してたのよ。
広告
だから今、に百万円振り込ませようと……」
そこまで言って、母親ははっとを押さえた。
俺は全の血が凍りつくような覚に襲われた。
「お袋。お、今俺に求した百万円。真由との婚をちらつかせてまで騙し取ろうとしたそのも、そのホストに貢ぐためだったのか」
「ち、違うの。これは、その……」
母親は完全に言葉を失い、顔面を蒼にしてずさりをした。
「ふざけるな」
俺の鼓膜が割れるかとうほどの号が、実のリビングに轟いた。
「俺は、俺は族を養うために、言葉も通じない異国でぼっちで働き続けていたんだぞ。真由は俺に配をかけまいと、おの脅しに耐えて、スマホも取りげられて、真っ暗な部で耐えしのんでいたんだ。紗英はあんなにさかった。紗英はガリガリに痩せ細って、お肉がべたいのをして、お湯ご飯を美しいって笑ってたんだぞ」
俺はテーブルを蹴りばさんばかりの勢いでちがり、母親に詰め寄った。
「その裏でおはなんだ? このふざけたホストにシャンパンをませて、級フレンチを奢って、ブランド品を買い与えていたのか。真由の命を削って絞りしたで買う男のは、そんなにうまかったか」
ひきつるりに、母親は腰を抜かし、級本革ソファからへ無様に転げ落ちた。
「ごめんなさい。悪気はなかったの。ほんのしを見ただけで……おならでにしずつ返せばいいって、そうって……」
広告
おすすめ作品
-
完結第27話
偽りの夫婦と奇妙な夜の声
結婚初夜、夫は疲労を理由に私を拒絶した。孤独な夜を過ごし眠りについた私だったが、真夜中、義母の部屋から漏れる不穏なうめき声に目を覚ます。優しそうな夫と上品な姑の裏に隠れた歪な秘密が、一夜の怪音から次々と暴かれる、家庭闇復讐物語。祖父母と孫|兄弟姉妹|嫁姑|夫婦|親子関係4.2萬字5 26 -
完結第20話
黒いゴミ袋に詰まった十五年
離婚の日、義実家を出る私に義父が一袋のゴミを渡した。 「捨ててから行け」と冷たく告げられ、私は何も問わず黙ってその黒い袋を受け取った。 家を離れ、人目のない公園のベンチで袋を開けた数分後、私は中身を見て完全に声を失った。 そこに詰まっていたのは、十五年間誰にも顧みられなかった私の全てだった。怒り|祖父母と孫|兄弟姉妹|嫁姑|夫婦|絶縁|親子関係3.0萬字5 21