"鬼母の末路" 第11話
完全に油断させ、全てをに入れられると錯覚させたで、最もい所から獄の底へ突き落とすのだ。
俺はふっと息を吐き、わざと怯えたような々しい声をした。
「分かった……分かったよ、お袋。ボーナスの件、なんとかする」
「あら、本当にいいの?」
「ああ。お袋の言う通り、俺が違っていたよ。真由とは婚する。もうこれ以、お袋に迷惑はかけられない」
俺の言葉に、話の向こうで母親がぱっと顔を輝かせるのが、に取るように分かった。
「そうよ。やっと分かってくれたのね。最初からそうすればよかったのよ。やっぱりあんたは、私の自の息子だわ」
「だから、実でちゃんと話しいたい。今の送の続きと、慰謝料や借用の件も含めて、全部清算しよう。俺の座の通帳と印鑑をお袋に預けた方がだ」
「座ごと? ええ、ええ。もちろんよ。私がしっかり管理してあげるわ。の午ね。び切り美しいお茶とお菓子を用して待ってるわよ。あ、棒猫の真由さんも連れてきなさいよ。私の目ので婚届にサインさせて、そのままから叩きしてやるんだから」
狂乱する母親の声が、スピーカー越しに響く。
「ああ、分かった。、必ずくよ」
話を切った瞬、俺の顔から切のが消えった。
「あなた……」
配そうに見げる真由に、俺は静かに首を振った。
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「配ない。あいつは完全にいついた。自分が神様にでもなったつもりで、全てをい通りにできると信じ込んでいるよ」
俺は元のスマートフォンを見つめた。
ちょうどその、黒崎からメッセージが届いた。
「告訴状と証拠類のセット、準備完だ。俺も同席してやるよ」
罠は完璧に仕掛けられた。
の午、実のリビング。
そこが、あの欲な化け物の公処刑となる。
待っていろよ、お袋。
おが欲しがったもの全て、絶望という形でくれてやる。
窓のには、つないの青空が広がっていた。
だが俺の胸の内で燃え盛る復讐の炎は、その空を焼き尽くさんばかりの勢いで、赤く、そして黒く燃えがっていた。
翌の午、俺と真由は隣町にある実ののにっていた。
「あなた、本当に丈夫なの?」
真由はまだし青ざめた顔で、俺のコートの袖をぎゅっと握りしめている。
「ああ、配ない。紗英は黒崎の事務所の女性スタッフがホテルで見てくれているし、今は全て俺と黒崎に任せておけばいい」
俺が真由のを優しく握り返したその、背に台の黒い級セダンが滑るように止まった。
りてきたのは、オーダーメイドの細のスーツを隙なく着こなした親友、黒崎だった。
「待たせたな。。真由さんも、今はよろしくお願いします。
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さて、獄の釜の蓋をけにくとしようか」
黒崎は分いアタッシュケースをげ、たく、だがどこか楽しげな笑みを浮かべた。
インターホンを押すと、すぐにバタバタと軽い音がづいてきて、なドアがいた。
「いらっしゃい、。待ってたわよ。あら、そちらの方は?」
満面の笑みで迎えた母親は、俺のろにつ黒崎を見て首をかしげた。
今の母親は、昨にも増して派だった。
まるでこれから級レストランにでもくかのようなシルクのワンピースに、ギラギラとるルビーの指輪。
さらに玄関には、昨までなかった製の巨な空気清浄が唸りをげていた。
息子の庭が崩壊しようとしているだというのに、その顔には隠しきれない歓が溢れている。
「ああ、彼は俺の学代からの友で、今は財産分与や座の移続きの専として同席してもらったんだ。お袋も面倒な続きはプロに任せた方がだろう」
俺がそう紹介すると、母親はぱっと顔を輝かせた。
「ああ、わざわざ専まで呼んでくれたの。気が利くじゃない。さあさあ、どうぞがって。真由さんも、今でこのに入るのは最なんだから、しっかり目に焼きつけておきなさいよ」
リビングに通されると、炉の級ヒーターが部を常のように温めていた。
テーブルのには名ホテルの名が入った級菓子の箱と、純のティーカップが並べられ、その横に婚届と例の借用が誇らしげに置かれていた。
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