"鬼母の末路" 第10話
「君、すまない。本当にすまない。私たちがふがいないばかりに、真由と紗英ちゃんに獄のような苦労を……。借用で脅されていると真由から泣きながら話があった、私は自分の甲斐なさを呪ったよ」
「お義父さん、謝らないでください。全ては俺の責任です。俺がで呑気に構えていたせいで、俺の母親が暴してしまった。今から指定の座に、の借全額と当面の運転資を振り込みます。どうかこれで、あの女の脅しを断ち切ってください」
俺がそののうちにネットバンキングで即座に送の続きを終え、完画面を見せると、真由は両で顔を覆い、子どものように声をげて泣きじゃくった。
「ああ……ああ……よかった……お父さん、お母さん……」
この、彼女のをがんじがらめに縛りつけていた、くたい鎖が音をてて砕け散った瞬だった。
「もう丈夫だ。これでお袋が振りかざしていた質はなくなった」
そのだった。
俺のスマートフォンがけたたましく着信音を鳴らした。
画面に表示された名は、母。
真由がビクッと肩を震わせ、顔を青ざめさせた。
「丈夫だ」
俺は優しく真由の肩を抱き、呼吸をしてから通話ボタンを押した。
「もしもし」
「ちょっと! どういうことなの?」
話にるなり、母親のヒステリックな切り声がをつんざいた。
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「今あんたたちのマンションに来てるんだけどね、もぬけの殻じゃないの。所のに聞いたら、昨の夜あんたが嫁と孫をタクシーに乗せて連れったって言うじゃない。私に断りもなく勝なことしないでちょうだい」
どうやら母親は、今も真由をいびるために、鍵を使って部にがり込んだらしい。
「ああ。あの寒空のに置いておくわけにはいかないからな。駅のホテルに泊まらせたよ」
俺がわざと淡々と答えると、母親は盛に舌打ちをした。
「はあ? ホテル? あんた、自分のは分かってるの? あんな気な棒猫にホテルのふかふかなベッドなんて贅沢すぎるわ。あいつらにはお湯で分だって言ったでしょう。私の許なく無駄な使ってんじゃないわよ」
ので贅沢昧をしている女が、どので言うのか。
腹の底からどす黒いりが込みげてきたが、俺は必に声を抑え込んだ。
「それで、朝からわざわざ鳴り散らすためだけに話してきたのか」
「あ、そうそう。あんたが勝なことをするから、事な話を忘れるところだったわ」
母親はころっと声を変え、猫なで声でとんでもない求を突きつけてきた。
「来から万にするって話。あれ、変更よ。来はね、百万振り込みなさい」
「百万?」
「そう。実はお友達から、豪華客でく世界周クルーズ旅に誘われたのよ。
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せっかくだから番いいスイートルームを取りたいじゃない。あんた、今末にはのボーナスがるでしょう。それを全額、私の座に入れなさい。ああ、もちろん旅用のドレスや宝を買うおも別で百万円ほど必だから。それもよろしくね」
俺はわず呆れ果てて、言葉を失った。
息子の族が飢えているのを尻目に、自分は豪華客で世界周だと。
どこまで欲になれば気が済むんだ、この化け物は。
俺が沈黙していると、母親は反抗しようとしていると勘違いしたらしい。
声の調子が気に、どす黒い脅迫めいたものに変わった。
「し渋る気? 。私には借用があるのよ。反抗な態度を取るなら、今すぐ静岡のに鳴り込みにくわよ。ただでさえののに、ヤクザみたいな取りてを差し向けたらどうなるかしらね。体の悪いお父さんがショックで倒れてもらないわよ」
借がすでに完済されていることなどるよしもない母親は、得げに番の質をちらつかせてきた。
「それとも児童相談所に通報してやろうかしら。嫁が育児放棄しているって言えば、紗英なんてすぐに施設送りよ。真由さんから親権も慰謝料もふんだくって、ぐるみ剥がしてに迷わせてやるんだから」
俺はぎりっと奥歯を噛みしめた。
言わせておけば、どこまでもつけがりやがって。
だが、今はまだ泳がせておく必がある。
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