"鬼母の末路" 第7話
額の欄には、利子が乗せされた百万円という数字が踊っている。
「あんたがドイツにって半くらいかしら。真由さんが活が苦しいって泣きついてきたから、親切におを貸してあげたのよ。もちろんただってわけにはいかないから、をかせたわ。彼女、最初はかないって抵抗したんだけどね」
母はにやりと角をげ、獲物をいたぶる蛇のような目つきになった。
「真由さんのご両親、静岡でさな町をやってるでしょう。お父さん、数に筋梗塞で倒れて、の経営ものだって聞いてるわ。もし私に逆らったり、あんたにチクったりしたら、この借用を持ってあのボロボロのに取りてにくわよって言ってあげたの。そしたらあの子、顔面蒼になって、震えるで判を押したわ。傑作だったわよ」
「あなたを困らせたくなかった」
真由が涙ながらににした、あの穏な言葉の本当のが、今ようやく分かった。
真由は、異国で働く俺に配をかけまいとしただけではない。
自分の両親を、この悪魔のような女から守るために、全ての獄をで抱え込んでいたのだ。
自分が飢えても、お湯ご飯しかべられなくても、両親の命と活を守るために、母の絶対な支配に耐え続けていたのだ。
「おは……悪魔か」
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絞りすように呟いた俺の言葉に、母は笑いした。
「聞きの悪い。族を守るための正当な防よ。それから、そっちの婚届もね。もしあんたが私に歯向かって、おを返せだのなんだのと裁判でも起こそうものなら、すぐにこれを役所にすわ。そして、嫁が活費をパチンコやブランド品に使い込み、孫にお湯しかませていなかったって児童相談所に通報してやる。親権は絶対に私がもぎ取って、真由さんは無文で追いしてやるわ。あの子、紗英には会えなくなるわよ」
完全に追い込まれた。
俺が稼いだ千百万というは奪われ、使い込まれた。
警察にっても、族のトラブルとして処理される能性がい。
無理やりを取り返そうとすれば、真由の両親が破滅させられ、最悪の、真由は紗英を奪われてを追いされる。
この女は、俺の切なもの全てを質に取り、蜘蛛の巣のように何にも罠を張り巡らせていたのだ。
「さあ、分かったらしく私の言うことを聞きなさい。、真由さんに話して、もっと働けって説教しておくことね。それから、あんたも来からは万円に増額しなさいよ。じゃないと、静岡のに怖いお兄さんたちが取りてにくかもしれないわよ」
母の醜い笑顔が、界ので歪んで見えた。
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今すぐこの女の首を絞めてやりたい。
テーブルののティーカップを壁に投げつけてやりたい。
だが今ここでに任せて暴れれば、母のう壺だ。
真由と紗英。
そして真由の両親を危険にさらすことになる。
「……分かった。今はもう帰る」
俺はぎりっと奥歯を噛みしめ、血がるほどく拳を握りしめながら背を向けた。
「ええ、そうしなさい。気をつけて帰るのよ。私のいATM君」
背から投げつけられた嘲笑を背に、俺は実のいドアをけた。
にると、突き刺さるような真の寒が俺の頬を打った。
さっきまでじていた激しいりは、どこかへ消え失せていた。
代わりに襲ってきたのは、底なし沼に引きずり込まれるようない絶望と、圧倒な無力だった。
俺はどうすればいいんだ。
法も警察も使えない。
真由たちを質に取られて、ももないじゃないか。
取りはく、駅のビジネスホテルへ向かうのりは、永のようにくじられた。
族を守りたくて必に働いてきたは、全て無駄だったのか。
俺が汗流して稼いだは、母が真由を痛めつけるための狂気に変わっていた。
「くそ……くそっ……」
気のない夜の裏で、俺は誰にも聞こえない声で吠え、たいコンクリートの壁を力任せに殴りつけた。
拳の皮が破れ、血が滲んだが、の痛みに比べれば全く気にならなかった。
ホテルに着いたのは、夜のを回った頃だった。
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