みかん小説
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"柿の木の下、三十年の帰郷" 第15話

 

めったに帰ってこないんだからしはいいものをべなさい。目玉焼きは半熟で箸でつつくと黄がとろりと流れした。母は自分の分の卵も私の器に移した。母さんもべなよと私が戻す。私たちはテーブルに向かいい、黙々とお茶をんだ。はどんどんるくなり、庭の柿の面に移った。べ終わり、私が器を洗っていると母は縁側に座っていった。

あんたの器なんか洗えるわけにはいかないよ。俺は何でもできるんだ。駐屯で毎訓練ばかりしてるとってるのか。母は笑い、それ以は止めなかった。を拭きながら私は言った。たけしのってくるよ。母の顔から笑顔が消えた。なんでくんだい?きっちり話をしておかないと。さないでほしい。さないさ。つ抜けるとたけしのに着いた。庭はうちよりも荒れていて塀は部崩れ焚きが乱雑に積まれている。たけしは庭で顔を洗っているところだった。音に気づいて顔をげ私を見るとが震えタオルを洗面台に落とした。私は入ち、には入らなかった。たけしし話がある。彼はがり、ズボンでを拭いた。顔にはまだ昨夜の恐怖が残っている。昨夜は酒をんでいたからこれ以は追求しない。だがこれだけは言っておく。

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2 度と俺の母さんにづくな。

彼はきかけたが、私の肩の階級章を見て言葉をみ込み、コクコクと頷いた。もし何か困ったことがあれば俺に言えばいい、だが母さんのことには切関わるな。彼はまた頷いた。私はポケットから 2 万円を取りし塀のに置いた。昨夜突きばした怪の治療費だ。があるに町の病院にけ。彼は呆然としておを受け取ろうとしなかった。私は返事を待たずに背を向けた。帰り起きした所のたちがのところで朝べていた。私を見てみんな瞬ハッとした顔をした。のおばあさんが先に気づいて声をかけた。あれ?よし子さんのとこの息子かい?はい。帰ってきました。おばあさんは私の制からまで眺め、いや、随分派になってと言った。周りのたちも次々いつ帰ってきたのか、向こうではどうしているのかと聞いてきた。私は軽く返事をし、すぐにに戻った。母は庭で落ち葉を掃いていた。箒をかす作がゆっくりだ。私は箒を取りげ俺がやるよと言った。母はさず、今回は何いられるんだいと聞いた。状況次第だけどから半はいるつもりだ。そうか。庭に落葉はなく柿の枝がに吹かれて数枚落ちているだけだった。集めてにし、畑はどうなっているか聞いた。

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おじさんのとこの甥っ子に任せてあるよ。あんたの畑、うまくやってるか?まあね。ただ照り続きであんまり来が良くなかった。

掃除を終え、私はのボロボロの扉をし、寸法を測って町へしいのを買いにく準備をした。おを使わなくていいよ。この扉まだ使えるから。どこが使えるんだ?隙からが吹き込んでるじゃないか。母はそれ以止めずから古い錠を探ししてきた。しい扉にするなら鍵も必だろう。これはまだ使えるから。受け取ってみるとひどく錆びついている。鍵もしいのをつけるよう。から町までは歩いて分。私は自転に乗らず歩いて向かった。途のおじいさんが焚きを積んだ荷を引いているのにあった。乗っていくかと言われたが歩くのが気持ちいいからと断った。おじいさんは荷を止め私に話しかけた。よし子さんずっとあんたの帰りを待ってたんだよ。昨夜あんたが帰ってきたことに広まってるぞ。なんて広まってるんですか?偉くなって帰ってきてたけしのやつをボコボコにしたってな。ボコボコになんてしてませんよ。ちょっと引っ張っただけです。おじいさんはニヤリと笑った。

ちょっと引っ張っただけでもいい教訓になっただろうよ。あいつは普段から酒をむと見境がなくなるからな。

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