"浴室の鍵" 第8話
私の胸の奥で、数からじていた違は確な悪の気配へと変わっていた。
# 説全文(原文逐句理、無削減・無追加、修正入力誤字、文節頓)
夕方、いつものように達也が爽やかな笑顔でやってきた。
「こんばんは、おばあちゃん、お呂のだよ」
母は達也の顔を見るなりさく息をみ、私の腕にくしがみついてきた。
「いや、お呂嫌だ」
「おばあちゃん、わがまま言わないの。ほら、くよ」
達也は引に母の腕を掴み、子に座らせた。
そのの力が以よりもずっと引で乱暴に見えた。
「達也くん、私が何度も言ってる通り、おばさんはリビングにいてくださいっていつも言ってるじゃないですか。プロに任せてくださいよ」
達也は私の言葉をたく遮り、脱所へと母を連れてった。
そして今も無にカチリと内鍵がかけられる音が響いた。
言われた通り、私はリビングにち尽くし、祈るような気持ちで脱所の扉を見つめていた。
すぐにシャワーの音が聞こえ始め、それに混じって今も母の「ああ、やめて」という々しいうめき声が漏れ聞こえてくる。
今すぐドアを叩き壊して母を助けしたいけれど、今ここで騒ぎてて達也を追いしても、彼らは認症のばあさんが暴れただけだとらぬぜぬを決め込むに違いない。
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確かな証拠がなければ私と母は浩司や義族たちによって完全に潰されてしまう。
私は自分の唇から血が滲むほどく噛みしめ、両でを塞ぎながらその苦痛のが過ぎるのをただじっと耐え忍んだ。
その夜の夜2、浩司の寝からいびきが聞こえてくるのを確認して私はそっと布団を抜けした。
音を忍ばせて脱所と浴に向かい、隠しておいた2つのさなカメラを回収する。
リビングの暗の、パソコンをきさなSDカードを差し込む、私の指先は氷のようにたく刻みに震えていた。
呼吸を1つして録画された画ファイルの再ボタンをクリックする。
画面に映しされたのは脱所での映像だった。
そこには私が信じきれず、しかし絶対にりたかった密の真実が記録されていた。
「嘘でしょう?」
わずからこぼれそうになった鳴を私は両で必に押さえつけた。
画面ので起きていたのは介護などという言葉では到底説のつかない、あまりにもおぞましく残酷な景だったのだ。
リビングにパソコンの画面の青いだけが浮かびがっている。
画面ので再されている脱所の映像を見て私の全から気に血の気が引いた。
「くを脱げよ、このクソばあさん、をかけさせるな」
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スピーカーから漏れ聞こえてきたのはいつもの爽やかな声とは似ても似つかないく酷な男の声だった。
映像のの達也は母のカーディガンを乱暴に引っ張り、抵抗する母のの腕を5本の指がい込むほどい力でぎゅっと握りしめていた。
「痛い、痛いよ」
「うるさい、黙って言うことを聞け」
母が顔を歪めてうめき声をあげると、達也はのひらで母の背をく叩いた。
パタンという乾いた音が静かなリビングに響く。
母が怯えてさくうずくまるのを見て達也の元が見苦しく歪んだ。
それは抵抗できないいものを見し、自分の支配欲を満たしているような底れぬ悪に満ちた表だった。
「嘘、達也くん……」
私は両でをく覆い、こぼれそうになる鳴を必に押し殺した。
りで全が震え、涙がポロポロとキーボードのにこぼれ落ちる。
母の腕や背に増えていた自然なあざの正体はやはり達也の暴力だったのだ。
私がリビングで、しだけ肩の荷がりたと堵してお茶をんでいたあの、たった1枚のドアを隔てた所で母はこんな恐ろしい男から声もせないほどの暴力と恐怖を与えられていた。
「プロに任せてください」というあの言葉は私をざけ、密で母を痛めつけるための都の良い実でしかなかったのだ。
私は震えるでマウスを握り、画のデータをすぐさまパソコン本体とあらかじめ用しておいたUSBメモリにコピーした。
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