みかん小説
本棚

"40人前の逆襲" 第2話

キッチンの片隅で、さな湯呑みにお茶を注ぎ、ゆっくりと息を吸い込む。湯気がり、の緊張をしだけらげる。ああ、これから起こることを、私は全て予している。を乱さず、静かにすれば、必ずける——そう自分に言い聞かせた。

夜遅く、はるみはリビングに置かれた族写真に目を落とす。そこには夫と息子、孫たちの笑顔が映っているが、今の現実とは対照だ。目のに広がる平穏な笑顔が、逆に自分を奮いたせる。私は、もう自分を犠牲にする必はない、とに刻みつけた。

計の針が夜を回るころ、はるみはバッグをに取り、必限の私物と貯めていたへそくりを丁寧に詰め込んだ。類は数分、用品はさなポーチにまとめる。静かに戸棚の鍵を閉め、玄関に向かう。息をえ、最呼吸をひとつ。夜のたい空気が頬を撫で、気持ちを引き締める。

はるみは玄関のドアを押しけ、歩踏みす。背に残されたのは、過の自分と族の。だが、振り返ることはしない。取りはゆっくりだが確かで、今の彼女には恐怖も迷いもない。静かな決が全に漲っている。

通りの向こうで、灯に照らされた歩を見つめながら、はるみは考えた。これからも支えてきた族に、私は自分のを示すのだ。

広告

恥も、恐怖も、嫉妬も、全て置いていく。そしてたなを始める——これが、私の自由への第歩だ。

末の親族会を踏み入れると、の親族たちの線が斉に集まった。はるみはゆっくりとげ、目のつ直輝と真奈美を見つめた。彼らは計画通り、偽造診断と「求」の類をに、堂々と証拠を並べている。

直輝が声を張りげる。「限界だ、母さんってくれ」。その瞬、会内にい沈黙が落ちる。はるみは瞬たじろぐが、すぐに胸を張り、静かにがった。元のバッグをしっかり握り、指先の震えを抑える。

真奈美がたい目で類を配りながら「お母さんは認症の兆候があるんです」と声をかける。親族たちがざわめき、弟や妹、従兄弟たちまでもが驚きの表線を向ける。はるみの胸は締め付けられたが、りでもしみでもない、静かな覚悟がに広がっていた。

「ちょっと待ってください。それは全て嘘です」はるみは声をし、を軽くげて抗議した。しかし、真奈美はしそうな顔で首を振り、「もう隠さなくていいんですよ」と言う。息子夫婦の悪さに、はるみはたく引き締める。

直輝は続ける。「母さんは私たちから総額百万円以も搾取してきました」——偽造類の証拠を掲げる。

広告

はるみはて、静に語った。「違います、逆です。私は支援してきました」声は震えず、しかし確かなが乗っている。

親族たちの表は変化する。妹は涙ぐみ、「姉さん、私たちに相談してくれれば」と言ったが、はるみは静かに微笑むだけで返した。線の、彼女の態度は揺るがず、凛としたち姿を保つ。

「お望み通り、きます。度と迷惑はかけません」その声に、直輝と真奈美の表直した。はるみはバッグを肩にかけ、玄関へと歩き始める。たいの空気が頬を撫で、く息を吸い込む。背で、息子夫婦のさなが漏れ聞こえた。

追放から、はるみは級ホテルのラウンジで静かにお茶をんでいた。窓越しには都の朝焼けが広がり、彼女のは落ち着いていた。話が鳴ると、横法律事務所の弁護士が現れたようにじた。元のスマホをに取り、はるみはゆったりと子に腰掛ける。

弁護士は指示通り、直輝に通を伝える。と建物の登記簿を確認した結果、所者は依然としてはるみのままだと告げる。直輝夫妻は自分たちの名義だと錯覚していた。さらに、過の援助返還請求や、賃相当分の請求も含まれ、正式な類が送られた。

はるみは窓のを見つめながら、静かに微笑む。全ては予測通りであり、息子夫婦の揺をから楽しんでいた。

類をにした直輝と真奈美は、瞬声を失い、震えるで内容を確認している様子が目に浮かぶ。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: