"奥日光の白い菊" 第4話
届けたのは、同じ事現で働いていた同僚だった。714の仕事終わりを最に連絡が取れなくなり、寮の部にも戻っていなかった。荷物はそのまま残されていた。
当は自発失踪とみなされ、捜査は終わっていた。
7に消えた男の名が、1022の民宿名簿に現れた。
だが、女将はその男を見ていない。
刑事は、田武が働いていた建設現を訪ねた。群馬県の岳事の現だった。事はすでに終わっていたが、現監督と会うことはできた。
「田武を覚えていますか」
監督はし考え、頷いた。
「真面目な働きでした。数はなかった。7旬、突然来なくなったんです」
「見た目は?」
「30代半。は170センチくらい。痩せ型で髪。目が暗かった」
寮の部はもう別のが使っていたが、残された荷物は倉庫に保管されていた。
埃をかぶった箱のには、古い、タバコ、ライター、そして帳が1冊入っていた。
刑事は帳をいた。
付ごとに労働や当が細かくかれている。最のページ、714のに、だけ文字があった。
「もう耐えられない」
その言葉だけだった。
刑事は帳を証拠物として回収した。
1029、科学警察研究所から分析結果が届いた。
写真の隅に写っていた男は、30代半から半ば。約170センチ。体55から60キロ。
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髪。黒いジャンパーにジーンズ。顔は完全には判別できなかったが、輪郭は田武の特徴とよく似ていた。
報告には、男の線が4に向いていると記されていた。
午、刑事は竜ノ滝の駐へき、聞き込みをった。駐の管理は写真をしばらく見つめた、言った。
「顔は分かりません。でも、その朝、1でうろついていた男ならいました。黒いジャンパーで、痩せていました。を探しているようにも見えました」
は午830分から9頃。
写真が撮られた帯となっていた。
さらに、刑事は民宿周辺のを回った。民宿から200メートルほどれた物の老が、写真を見て言った。
「似たような男が、10旬に来たよ。ロープとナイフを買った。登用だと言っていた」
刑事の背筋がえた。
ロープとナイフ。
その組みわせは、登という言葉では片づけられなかった。
老はの方を指さした。
「買ったあと、裏へ歩いていった気がする」
夕方、刑事は警察官5と裏へ入った。が沈みかけ、森は暗くなっていた。懐灯のを頼りに登をれてむ。
午740分、1の警察官が叫んだ。
「何かあります!」
々のに、錆びたコンテナがあった。廃事現の資材置きだったらしく、さな倉庫のようになっていた。
ドアをけると、きしむ音が響いた。
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には、タバコの吸い殻、空の焼酎瓶、破れた聞が散らばっていた。誰かがここで過ごした痕跡だった。
隅には古い毛布があり、そのに黒い鞄が置かれていた。
刑事が鞄をける。
類、洗面用具、さな封筒。
封筒のには、ポラロイド写真が3枚入っていた。
1枚目は民宿「空」の観。
2枚目は民宿の塀越しに撮った2階の窓。
3枚目はその窓を拡したものだった。窓のかりのに、が写っていた。
19951021の夜。
4が民宿に泊まっていたその夜、誰かがから見張っていたのだ。
さらに鞄の底から、帳がてきた。
1015 空を確認。
1017 物、準備物購入。
1020 待。
1021 客入。女4。
1022 朝8発確認。そして追跡。
最のページには、こうかれていた。
「今回は失敗しない」
刑事は帳をく握り締めた。
これは偶然の遭難ではない。
計画された犯だった。
田武は指名配された。
33歳、170センチ、痩せ型、髪。関方帯に緊急配がされた。
だが、田武は現れなかった。
11が過ぎ、12になると、奥のはに覆われた。捜索は続いたが、4の女子も田武も見つからなかった。
刑事は、田武の過を追った。
民票の最の所は宇都宮だった。古い戸建てが密集する域で、の70代の女性が田のことを覚えていた。
「2ほどに部を借りていました。
静かで、無なでした。賃はきちんと払っていましたよ」
1994頃、田は荷物をまとめてていったという。
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