"奥日光の白い菊" 第1話
19951021、曜の午9。
京・宿にある女子学の正に、4の女子が集まっていた。
佐藤美紀、田弓、鈴彩子、渡辺絵里。
全員22歳。同じ環境態学サークル「緑の」に所属する友同士だった。週末を利用して、奥へ葉を見にく予定だった。
美紀は古い乗用のトランクをけ、リュックを積み込んだ。弓は袋からお菓子を取りし、彩子は使い捨てカメラを確認した。絵里はレジャーシートを丸め直しながら、し寒そうに肩をすくめた。
「の方、えるかな」
絵里が言うと、美紀は運転席のドアをけながら笑った。
「着も入れたし、丈夫だよ」
弓が助席に乗り、彩子と絵里が部座席に座った。美紀がハンドルを握り、エンジンをかける。は宿の交差点を抜け、首都速へ向かった。
午1130分頃、は自に入った。窓のには、しずつづいた々が流れていく。弓がカセットテープを入れると、その頃流していたが内に広がった。彩子はバッグからお菓子の袋を取りし、4で回しながらべた。
午210分、4は内に到着した。駅くの華料理に入り、ラーメンと餃子を注文した。湯気のつ丼をにすると、い移の疲れもしらいだ。
、美紀が言った。
「しを見にかない?」
3はすぐに頷いた。
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午3、は禅寺に着いた。はたかったが、空気は澄んでいた。4は靴を脱ぎ、砂浜をゆっくり歩いた。弓が使い捨てカメラを取りし、通りすがりの女性に写真を頼んだ。
肩を組み、4は並んだ。
シャッターが切られた瞬、全員がるく笑っていた。
彩子が砂に指で文字をいた。
「1021 奥旅」
絵里がその横にハートを描いた。波が寄せ、文字をしずつ消していくと、4は声をげて笑った。
午430分、4はに戻り、奥へ向かった。美紀はの図を広げ、弓が指でをなぞった。
「国120号をっていけば、竜ノ滝の方にるよ」
は内を抜け、へ入った。両脇の々は濃く、太陽はに傾き始めていた。
午540分、が狭くなった頃、さな板が見えた。
「民宿 空」
美紀がを止めると、4は荷物を持ってへた。2階建ての建物で、塀の向こうには庭が見える。犬が1匹、尻尾を振りながらづいてきた。
玄関から、50代半ばほどの女将が顔をした。名は糸井よえ。皺はあったが、当たりの良さそうな女性だった。
「4で1部、お願いできますか」
美紀が声をかけると、よえはにこやかに頷き、2階側のへ案内した。
部には布団が4組敷かれていた。窓の向こうにはが見え、彩子が窓をけるとたい空気が流れ込んだ。くで渓の音がかすかに聞こえた。
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荷物を置き、4が1階へりると、よえが宿泊名簿を差しした。美紀はボールペンを持ち、丁寧に名をいた。
佐藤美紀、田弓、鈴彩子、渡辺絵里。
付は19951021。
夕は、噌汁とご飯、漬物、卵焼き、野菜のおひたしだった。質素だったが温かかった。、よえが尋ねた。
「はどちらへ?」
「竜ノ滝の渓を見にきます」
弓が答えると、よえはし考えてから言った。
「週末は混むから、朝くた方がいいですよ。8にはるといいです」
4は頷いた。
夜830分、部に戻ると、布団のに座り込み、お菓子をべながら学の話、サークルの話、卒業の話をした。はたくさん写真を撮ろうと決め、弓が使い捨てカメラを振って笑った。
夜10、気を消した。
窓のは真っ暗で、が見えた。渓の音がさなのように響く。
絵里が布団ので呟いた。
「、れるといいね」
美紀が眠そうに答えた。
「気予報ではれだって」
1、また1と眠りに落ちていった。
それが、彼女たちが過ごした最の平凡な夜だった。
19951022、曜の午720分。
民宿「空」の庭に朝が差し込んでいた。犬が吠え、2階の部のドアがく音がした。4は階段をり、顔を洗い、髪をえた。
よえが台所からてきて、簡単な朝を用した。パン、牛乳、目玉焼き。4は卓を囲み、素くべた。
午750分、事を終えると、4はよえに礼を言った。リュックを背負い、庭にる。のトランクをけて荷物を積み、美紀が運転席に乗り込んだ。
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