"寿司屋で暴かれた嫁" 第6話
「お母様のお世話に来たに便利なので」
そう言っていたのです。
引きしのには、きれいに畳まれた着替えと化粧ポーチだけ。何もおかしなものはありませんでした。
けれど、クローゼットの奥、装ケースの底に袋が1つ押し込まれていました。
が震えました。
の荷物を勝に調べるなんて、普通ならしません。でもあの、その袋をけなければ取り返しのつかないことになると、体が分かっていたのだといます。
に入っていたのは、まず免許証のようなものが3枚。
すべて別の名でした。
けれど、顔は全部同じでした。
美咲さんの顔です。
佐々美奈。
ゆかり。
林島優。
田さんから聞いた名が、そこにありました。
それから、写真が数枚。美咲さんがらない齢の男性の隣で微笑んでいるもの。別の老夫婦と卓を囲んでいるもの。どの写真でも、美咲さんは「いい」そのものの笑顔をしていました。
同じ笑顔を、私にも向けていた。
そうったら、胃の底から何かが込みげてきました。
さらに封筒が1つありました。けてみると、うちのと建物の登記簿のコピーが入っていました。それだけではありません。浩司名義の命保険証のコピーもありました。
いつのに。
保険のことなど、私は美咲さんに詳しく話した覚えがありません。
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ということは、浩司の類を勝に持ちして調べていたのでしょう。
最にいしたのは、サプリのことでした。
ここ数か、美咲さんは浩司に毎朝、健康サプリをませていました。
「疲れが取れますよ」
そう言ってさなカプセルを差しし、浩司も「美咲が買ってくれるんだ」と嬉しそうにんでいました。
最の浩司は、なんとなくぼんやりしていることがくなっていました。話で話しても反応が鈍く、以は鋭かった判断力が落ちているようにじていました。のせいかともいましたが、浩司はまだ42歳です。
翌の曜、私は「顔を見に来たわよ」と言って、浩司のマンションを訪ねました。平の昼でしたから、2とも仕事でいません。鍵は、以浩司が「何かあったのために」と渡してくれていたものです。
洗面所をのぞくと、棚のに美咲さんが浩司にませているサプリのボトルがありました。聞いたことのないメーカー名がかれていて、成分表示はやけにさく印字されています。
私はそのボトルをバッグに入れ、駅の薬局へ持っていきました。薬剤師の女性は、ボトルのラベルとカプセルをしばらく確認した、し眉をひそめました。
「これはどちらで購入されたものですか」
「息子の妻が買ってきたもので、詳しくは分からないんです」
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「般な健康サプリとして売られているものですが、この配ですと、常用することで枢神経に響がる能性があります。簡単に言うと、集力や判断力が鈍くなる。12では響はないといますが、数か単位で毎み続けていると……」
そこまで聞いて、分でした。
あの女は、浩司のをわざとぼんやりさせていた。
判断力を奪い、自分の言うことを疑わないようにしていた。
に帰って、私は居のテーブルに証拠を並べました。
3枚の偽造免許証。
の族と撮った写真。
登記簿のコピー。
保険証のコピー。
サプリのボトル。
涙はませんでした。
なかったのです。
代わりに腹の底からじわじわ湧いてきたのは、りでした。
この女は、私のを、貯を、息子を、すべて奪うつもりだった。
田さんのお父さんにしたことと同じことを、うちにもやろうとしていた。
私は証拠を1つずつスマートフォンで撮し、袋は元の所に戻しました。
気づかれてはいけない。
まだ、今は。
その夜、私は田さんに話をかけました。見つけたものを全部伝えると、話の向こうで田さんがい息を吐きました。
「やっぱりな。節子さん、これから俺がっている被害者のたちに連絡を取る。1で戦っちゃだめだ。みんなで証拠を揃えよう」
「お願いします」
話を切った、窓のを見ると、10の半がいの向こうでぼんやりっていました。
怖くないと言ったら嘘になります。
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