"消えた教師と127番の鍵" 第3話
午830分頃、幸恵は峠の茶にち寄った。さなプレハブので、60代の俊子が15営んでいた。
俊子はに警察へ証言した。
「あの、赤いジャケットの女のがを1本買っていきました。そのろに、のを着て黒い子をかぶった男がっていました」
2が緒に来たのか、偶然そこで会ったのかは分からなかった。ただ、を買った、幸恵が男とし話していたように見えたという。
それ以、幸恵の取りはぷっつり途絶えた。
午9以、赤いジャケットの女性を見た者はいなかった。
彼女は、の空気のに溶けるように消えた。
午1、母のふみは娘からの話を待っていた。
いつもなら、このには幸恵から話がある。
「お母さん、ただいま。無事に帰ってきたよ」
その声を聞いて、ふみはするのが曜の習慣だった。
しかし、そのは話が鳴らなかった。
午2、ふみは幸恵に話をかけた。呼びし音は鳴るが、誰もない。午3にかけ直しても同じだった。
ふみの胸にが広がった。
午4、弟の健に連絡した。
「健、お姉ちゃんに話してみてくれる? お母さんの話にはないんだよ」
健もすぐに姉へ話をかけたが、つながらなかった。友や同僚にも連絡したが、誰も幸恵に会っていなかった。
午6、健はをばしてアルプスの登へ向かった。
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詰所に着くと、鈴に姉のことを尋ねた。鈴は入届を確認し、顔を曇らせた。
「佐藤幸恵さんですね。朝、登られましたが、まだしていません」
健の顔から血の気が引いた。
午630分、健は警察に失踪届をした。警察はすぐに岳救助隊へ連絡し、夜8には10名の隊員が懐灯をにへ入った。
「佐藤幸恵さん!」
声はに響いたが、返事はなかった。
健は詰所ので晩をかした。姉がりてくるかもしれないとうと、そのをれられなかった。
翌朝、19971013午6、本格な捜索が始まった。
警察官、消防隊員、自隊員、元ボランティア、わせて約400名が投入された。ヘリコプターが空からを探し、捜索犬が面の匂いを追った。
健も捜索に加わった。
「俺が姉さんのことを番よくっています。姉さんが好きだった所もっています」
彼はそう言って譲らなかった。
登、岩の隙、渓、崖のまで調べた。だが、リュックも筒も靴も見つからなかった。髪の毛1本すら残っていなかった。
1015、候悪化により捜索は打ち切られた。
健はそのに座り込んだ。
広いのどこかに姉がいるはずなのに、見つけられない。
その悔しさが、全を締めつけた。
方、渡辺警部は詰所で入届を確認していた。
同じ名が2度かれている。
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1つは幸恵本の丁寧な跡。もう1つは、い圧の荒い字。
渡辺警部はその2つ目の署名に目を留めた。
これが、事件の最初の違だった。
捜索が打ち切られてからも、健は毎のようにアルプスを訪れた。
夜けにへ入り、が暮れるまで歩き続けた。仲が止めても、彼は聞かなかった。
母のふみは、娘の失踪、定を閉めた。客のにつと涙があふれ、仕事にならなかったからだ。体は急激に落ち、2ヶで12kgも痩せてしまった。
199712、渡辺警部は幸恵の関係をさらに詳しく調べ始めた。
学の同僚を再び呼び、話を聞くと、1の女性教師がをいた。
「田正というをごじですか。の研修で、佐藤先とし付きっていた男性です」
渡辺警部の目が鋭くなった。
同僚は続けた。
「9頃から、佐藤先は話が来るたびに顔を曇らせていました。度、廊で『もう連絡してこないで』と言っているのを見ました」
警察は田正を調べた。
富県内の学で体育教師をしていた35歳。だが自宅を訪ねると、部はもぬけの殻だった。所のは、10旬から姿を見ていないと話した。
学に確認すると、田は19971015に突然辞表をしていた。理由は「の都」だけだった。
幸恵が失踪したのは1012。
田が辞表をしたのは1015。
期がすぎた。
警察は田を捜したが、クレジットカードの使用履歴はなく、携帯話の源も切られていた。
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