みかん小説
本棚

"義母が家を売った日" 第3話

「しかも、なんだよその格好。女性らしさが1mmもじないな。せめて化粧くらいできるだろ」

私は介護で汗をかくため、化粧はせず、きやすい装で過ごしていた。それなのに、夫は何も考えずに言葉をぶつけてきた。

「会社の女性社員だって、みんななりをえてるぞ。旦懸命働いてるっていうのに、綺麗にして癒してあげようとかわないのか」

私はりでが震えた。

けれど義母がいるで言い返すのをためらった。夫はると机を叩いたり、攻撃な仕を見せることがあった。もし逆して、義母にさらに怪をさせたらとうと怖かった。

私が聞こえないふりをしていると、夫は急に嫌な顔になった。

「言いたかったのはこれだけじゃない」

嫌な予がした。

夫は腕を組み、私を見ろした。

「俺はおに介護を頼んだ。でも、だからって俺を粗末に扱っていいとは言ってないぞ。おたちが俺を事にしないから、毎ストレスが溜まったんだ」

夫は元を緩めた。

「そんな会った女の子が、今俺を癒してくれてる。もうゆいはいらない」

私ので、何かが完全に切れた。

「ゆいみたいに女を捨ててないんだ。俺にとって理の子を見つけた。だからもう俺を縛りつけるのはやめてくれ。頼むから婚してほしい」

夫は悪びれもせず、そう言った。

広告

言撤回だった。

聞き流すなんて無理だった。

自分の母親の介護を私に丸投げしたくせに、では浮気をしていた。あまつさえ、私が夫を縛りつけているなどと言う。

りが込みげた。

けれど正直なところ、最の夫にはうんざりしていた。夫の言い方には腹がったが、婚そのものには賛成だった。

その、そばで話を聞いていた義母が声をげた。

「あんた、どういうことなの?」

子に座っているとはえないほどの迫力だった。

義母は夫を睨みつけた。

「ゆいさんはね、私の介護のためにきやすい格好をして、自分がしたかったおしゃれもして、懸命寄り添ってくれたのよ」

夫は顔をしかめた。

「母さんまで何だよ」

「料理もで、優しくて、本当に派な女性よ。あんたはそう言うけれど、私はゆいさんこそ素敵な女性だとうわ」

義母の声は震えていたが、りははっきり伝わった。

「ゆいさんがおしゃれできないのは私のせいでもある。これ以、ゆいさんを馬鹿にしないで。こんな女性を裏切って、ただで済むとうんじゃないよ」

私は義母のにそっと触れた。

「お母さん、私はお母さんにとても謝しています。だから、自分のせいだとわないでください」

それから私は夫を見た。

「あなたを粗末に扱ったですって? あなたはらないとうけれど、私は毎夕飯を作って、あなたの帰りを待っていたんです。

広告

それを無駄にしたのはあなたの方でしょ」

夫は黙った。

私は息をえ、はっきり言った。

「いつまでもくておしゃれでいることだけがだとうなら、もういいわ。婚しましょう」

夫は最まで自分が悪いとは認めなかった。

「介護で女らしさを捨てた女に、女としての価値なんてない。今付きってる子はおよりい。ババアのおなんか勝てないよ」

その言葉を聞いた、私は完全に夫を見限った。

もう何を言っても無駄だった。

続きはすぐにめた。慰謝料も請求し、婚は無事に成した。

義母は何度も私に謝った。

が子ながら、本当に許せない。ゆいさん、今まで本当にごめんなさいね。これからはあなたのきてちょうだい」

義母は悪くない。

私はそう伝え、げてもらった。

けれど問題は、の義母の活だった。

義母のはだいぶ回復してきたとはいえ、完全ではない。元夫のことも信用できない。

私は義母に言った。

「くれぐれも無理はなさらないでください。何かあったら頼ってくださいね」

義母は微笑んだ。

「そんなことできないわ。体のことはもう1でできるし、もし何かあったら息子を頼るわ。それが当たりでしょう?」

義母はそう言って、元夫を見た。

すると元夫は笑いながら言った。

「え、せっかく気ゼロの女から解放されたのに、今度は母さんの面倒を見ろっていうのか?」

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: