みかん小説
本棚

"義母が家を売った日" 第2話

私は慌てて病院へ向かった。

に入ると、そこには子に座り、し元気をなくした義母の姿があった。

「お母さん、何があったんですか? 丈夫ですか?」

私が駆け寄ると、義母はいつものように笑おうとした。

丈夫よ。昨、忙しくて急いでいたらを踏みしてしまってね。もういいなのに、まだ自分の体力を過信しているところがあるから、直さなきゃね」

義母は冗談めかして話していたが、の状態は決して軽くなかった。

医師からは、骨折もしているため、しばらくは族の介助なしでは活できないと説された。

「ご族の皆さんで協力していただけませんか」

私はすぐにうなずいた。

「もちろんです。私ができる限りお世話します」

夫もそのでは同居を提案し、私たち2で協力して義母を支えることになった。

けれど、活になってからの義母は、以よりさく見えた。

いつも向きだった義母も、さすがに落ち込んでいた。

「ごめんなさいね、ゆいさん。自分の母親でもないのに、こんなことをさせてしまって」

義母は膝のを握りしめ、申し訳なさそうにげた。

く元気になれるように、私もできる限りリハビリをするわ。協力してもらえるかしら」

私は義母の目を見て、はっきり答えた。

「お母さんは私にとって2目の母親ですよ。

広告

だから、これくらいさせてください」

今までお世話になった分、今度は私が恩返しをする番だ。

そうって、私は精いっぱい寄り添った。

けれど、すぐにきな問題が発した。

夫が義母の介護を切しなかったのだ。

自分の母親が怪をしてけなくなっている。

それなのに、夫は介護にまったく関わろうとしなかった。

私はあるの朝、の夫に声をかけた。

「ねえ、あなたのお母さんの事なのに、どうして助けてあげようとしないの?」

夫はネクタイを直しながら、たい目で私を見た。

「母さんの介護は、働いてないでにずっといるゆいがやればいいだろ。俺は2のために1働いてるんだ」

「でも、あなたのお母さんでしょ」

「だから何だよ。俺は仕事がある。母さんの介護はゆいの仕事。言わなくても分かるだろ」

それだけ言うと、夫は鞄を持ってていった。

そのを境に、夫の帰宅はどんどん遅くなった。夜遅くまで帰ってこないが続き、話しも取れなかった。

方で、私と義母の絆は以よりくなっていった。

私は義母にく元気になってほしかった。以のように緒にかけたい。そので、毎介護を続けた。

義母の体を支え、子への移伝い、事や入浴の準備をする。慣れない介護に戸惑うこともあったが、義母はいつも私に謝してくれた。

広告

「ゆいさん、本当にありがとう」

その言葉だけで、私は頑張れた。

けれど、夫へのしずつきくなっていった。

いつも決まったに帰ってきていた夫が、最夜を回ることもある。最初は、介護を押し付けた罪悪からに帰りづらいのかとっていた。

しかし、だんだん別の考えがをよぎるようになった。

夫は私に介護をさせ、自分はで好きに遊んでいるのではないか。

そうい始めた頃、夫は自分から浮気を状した。

ある夜、夫は珍しくく帰ってきた。

その、私は義母の体を支え、子から子への移を介助しているところだった。ところが、子の向きを変え忘れていたことに気づいた。両がふさがっていて、私1ではどうにもできない。

ちょうど夫が玄関から入ってきたので、私は声をかけた。

「お帰り。今かったのね。帰ってきたところ申し訳ないんだけれど、その子をこちらに向けてくれないかしら」

夫は靴を脱ぎながら、面倒くさそうに顔を歪めた。

「ああ、く帰ってきても俺にとってはいいことなんてないな」

そして、ただいまも言わずにソファへ横になった。

「ゆいは俺をいたわらないで介護を伝えって言うし、母さんも歩けないからって俺を気遣ってくれない。このに帰ってきたら窮屈で仕方ないんだよ」

もちろん、夫は子をかしてくれなかった。

それどころか、私を指差して言った。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: