"用済みと言われた妻" 第3話
さっきまで夫が座っていた子は、妙にたく見えました。
私はスマートフォンをに取り、1枚の写真をきました。
3の、偶然見つけた写真です。
夫が若い女性と親密そうに歩いている姿。女性は華やかなを着て、夫の腕に自然に触れていました。
そのは、仕事の関係かもしれないと自分に言い聞かせました。
しかし疑はににきくなっていきました。
帰宅の遅れ。
週末の自然な。
突然増えた張。
そして何より、私への態度の変化。
すべてがパズルのピースのようにつながっていきました。
2、私は決断しました。
真実をるために、信頼できる探偵事務所に調査を依頼したのです。
所は、私が昔から診ていた患者さんでした。血圧管理でく通っていた方で、仕事柄の脈も広いでした。
「関根さん、本当にりたいですか?にはらない方が幸せなこともありますよ」
所は優しく忠告してくれました。
けれど、私の決は固まっていました。
「りたいんです。らないまま、自分を責め続けたくありません」
そして1ヶに渡された報告は、予をはるかに超える内容でした。
真由という女性は、座のクラブで働くホステスでした。30歳という齢は正しかったものの、彼女には別の顔がありました。
複数の男性から銭援助を受けている、いわゆるパパ活をしていたのです。
広告
報告には、夫が彼女に貢いだ額も記されていました。
ブランドバッグ。
級計。
級レストラン。
毎のお遣い。
計すると、すでに500万円を超えていました。
その原資は違いなく、私が稼いだおでした。
30以、をにして働いた結果が、見らぬ女性の贅沢品に変わっていたのです。
さらに衝撃だったのは、真由が友と交わしたLINEの内容でした。
「今も太客からプレゼント。60歳のおじさんだけど、お持ちだからしてる」
「奥さんは何もらない田舎者らしいし、ちょろいもんよ」
田舎者。
その文字を見た、私は苦笑しました。
確かに私は派ではありません。都会な装いも、若い女性のような華やかさもありません。
けれど、の健康に関わる仕事を30以続けてきた誇りがあります。
報告はさらに続いていました。
夫は真由に、将来の結婚を約束していました。
ただし条件がありました。
「今の妻とは絶対に慰謝料なしで別れる。財産も切渡さない。全部俺のものにして、君との活に使うから」
なるほど。
今朝のな態度の理由が、よく分かりました。
真由との約束を果たすために、私を無文で追いす必があったのです。
しかし夫は、致命な勘違いをしていました。
がの本当の経済状況を、まったく理解していなかったのです。
広告
私は寝へ向かいました。
クローゼットの奥からさな鍵を取りします。その鍵でく庫には、私だけの秘密が眠っていました。
には探偵の報告、写真、通帳、領収、宅購入の類、税務関係の控えが然と並んでいました。
さらに、夫のらない私名義の資産資料もありました。
独代から続けていた積預。
両親から相続した産の賃料収入。
保健師としての各種当や講演料。
そして、5から始めた医療コンサルタントとしての副業収入。
夫に内緒で積みてた資産は、すでに3000万円を超えていました。
副業だけでも300万円以の収入がありましたが、これもすべて私個の座に貯めていました。
「愚かな」
私は静かに呟きました。
夫は私を目当てと言いました。
けれど実際には、私の方がはるかに経済力があったのです。
その、話が鳴りました。
画面を見ると、弁護士の先からでした。
「関根さん、ご主から婚を切りされたそうですね」
私はし驚きました。
まだ誰にも話していないはずでした。
「実は、ご主が昨、私のりいの弁護士に相談されたそうです。財産分与なしで婚を成させたいと」
何という用でしょうか。
けれど先の次の言葉に、私はしました。
「ごください。私がきちんと対応します。
関根さんの権利は必ず守りますから」
先は、私が20来診ている患者さんでした。
広告
おすすめ作品
-
完結第6話
68歳、レジで再会した友
5年前、幸子は友人・道代に笑われた。 「まだ働いてるんだね」 「月1万円の積み立てなんて、やってないのと同じじゃない」 年金10万円でスーパーのレジに立つ幸子と、余裕のある老後を語っていた道代。あの日の小さな笑い声は、幸子の胸にずっと残り続けていた。 それから5年後。 68歳になった幸子のレジ前に、道代が突然現れる。手にしていたのは、半額の惣菜と安い食パンだけ。かつて自信に満ちていた彼女の手は、なぜか小さく震えていた。 そして道代が置き忘れたポイントカードの下には、たった一言だけ書かれた紙が挟まっていた。 「相談があります」 5年前に笑った人と、笑われた人。 同じ喫茶店で再び向き合った二人を待っていたのは、思いもよらない老後の現実だった――。人生逆転|第二の人生|金銭問題8.6千字5 253 -
完結第6話
雨の夜の招待状
還暦を過ぎた林義子は、夫の書類カバンから一枚の招待状を見つける。 そこに書かれていたのは、夫・正雄と別の女性の名前。そして、3ヶ月後に京都の高級宿で開かれる結婚式の案内だった。 36年間、夫の食事を作り、薬を管理し、家計を守り続けてきた義子。だが夫はその裏で、共有財産を移し、退職金2200万円を隠し、新しい女との生活まで準備していた。 義子は泣かなかった。怒鳴らなかった。 ただ静かに証拠を集め、弁護士にすべてを託す。 そして迎えた結婚式当日。80人の招待客が見守る会場に、花嫁ではなく、1人の弁護士が現れる。 その瞬間、夫が夢見た新しい人生は崩れ始めた――。人生逆転|不倫|熟年離婚9.2千字5 258 -
完結第6話
骨壷に眠る花嫁
結婚式の2日前、山田晴恵は突然姿を消した。 婚約者との口論、消えた財布、荒らされた形跡のない部屋。警察は彼女を「結婚を恐れて逃げた花嫁」と判断し、事件は自発的失踪として処理された。 家族は世間の冷たい視線に耐え、婚約者は“残された新郎”として同情を集めたまま、時間だけが過ぎていく。 しかし6年後、群馬県の国道18号線沿いで排水設備の交換工事中、コンクリート製の雨水桝から異様な包みが見つかる。 中にあったのは、人間の頭部。 歯科記録の照合により、それは6年前に消えた晴恵のものだと判明した。 彼女は逃げたのではなかった。 では、誰が彼女を殺し、なぜ道路脇のコンクリートの中に隠したのか。 “逃亡した花嫁”という嘘が崩れた時、婚約者が守り続けた6年間の沈黙が、静かにほころび始める――。ミステリー|夫婦|真実|真相9.1千字5 220 -
完結第8話
四十九日、電話を切った妻
義母が急変した夜、私は海外出張中の夫に必死で電話をかけた。 けれど返ってきたのは、信じられないほど冷たい一言だった。 「お前とは1秒も話したくない。二度と仕事の邪魔をするな」 私は「わかった」とだけ答え、その日から49日間、夫に一切連絡しなかった。 義母の最期、葬儀、親族への連絡、すべてを私ひとりで終わらせた。 そして四十九日。ようやく帰国した夫は、何も知らないまま親族の前に現れ、私を責め始める。 だが、その場には義母が最後に残した“ある証拠”があった。因果応報|嫁姑|夫婦|介護1.3萬字5 495 -
完結第6話
スイスへ消えた妻
離婚届を突きつけられたその日、藤崎陽子は静かに住民登録を抹消し、スイス行きの片道航空券を握って成田空港に立っていた。 夫・達也は愛人の出産に付き添い、「跡取りが生まれる」と五十嵐家は歓喜に包まれていた。だがその直後、医師が告げた“ある一言”によって、彼らの幸せは一瞬で崩れ落ちる。 長年、嫁として、妻として、会社の実務担当として尽くしてきた陽子。しかし五十嵐家にとって、子を産めない彼女はただの“用済み”だった。 けれど彼らは知らなかった。人生逆転|夫婦|第二の人生8.5千字5 302 -
完結第5話
消された妻の通院日
「また病院か。大げさだな」 妻・さち子が胸の苦しさを訴えた朝、夫の週一はいつものようにそう言い捨てた。 長年、夫の通院準備、薬の管理、食事の塩分調整まで、すべてを黙って支えてきたさち子。だが彼女自身の診察予定は、カレンダーの隅に薄い鉛筆で書かれ、何度も消されていた。 息子の嫁・由香が見つけたのは、破かれた予約票、飲まれないまま隠された薬、そして引き出しの奧にしまわれた一通の紹介狀。 「私の分は、すべて後で」 その小さな文字に、家族の誰も気づかなかった。 そしてある朝、さち子は臺所で倒れる。 病院の受付で、週一は初めて知る。自分は妻の病名も、薬も、痛みが始まった日さえ知らなかったのだと――。人生逆転|夫婦|熟年離婚7.2千字5 231