"十五年間謝り続けた私に、夫は妹の子を差し出した" 第18話
「富さん」私はそのいを、老婆の濁った瞳のに突きしました。「域包括支援センターにも、区役所の齢福祉課にも、弁護士からすでに届をしてあります」富のが、ぽかんときました。「な……んだい、これ……」「民法第百条を、しは勉なさい」私はを交えず、淡々と事実を告げました。「法律、直系血族でもない嫁の私に、あなたを扶養する義務など最初から握りもありません。裁の審判すらない以、ただのです」「な……っ」「あなたの法定扶養義務者は、あなたが溺し、私の悪を吹き込んできた実の息子の修さんと、娘の子さんだけです。介護が必なら、そのおにの世話を頼んでください」
「恩らず! も田の飯をわせてやった恩を忘れたのかい!」
富が唾をばして叫びました。
そのとき、ビルのエントランスから、待していた警備員と会社の総務担当者がにてきました。
「お客様、敷内での迷惑為はおやめください」
「警察を呼びますよ」
警備員のがっしりしたが、富の肩を制止しました。
富は腰を抜かしたように端へへたり込み、濁った涙を流しながら私を睨みつけました。
「鬼だよ……あんたはののない鬼だ!」
「鬼にしたのは、あなたたちです」
私は度も線を揺らすことなく、たく言い放ちました。
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「度と私のに現れないで」
背で警備員に引きずられていく富の罵声を、私は夕暮れの雑音のに置きりにしました。
その夜、スマートフォンに子から文のメッセージが届きました。
再婚相から正式に百万円の違約を請求され、夜のコンビニのパートをつ掛け持ちして陸くんを育てていること。
修も富も切を面してくれず、族が完全に崩壊したという、勝なみ言でした。
私はその文面を瞥し、返信することなく、即座に着信拒否と削除のボタンを押しました。
因果応報の輪は、すでに回り始めていました。
がけた。
私はのちらつく、庭裁判所の調のにっていました。
片岡弁護士が隣で静かに類の束をえています。
「美智子さん、準備はよろしいですか」
「はい。すべて終わらせます」
調の扉がき、テーブルの向かい側に、の男が座っていました。
夫の修でした。
わずか数ヶのに、男の姿は無残なまでに変わり果てていました。
仕ての良かったスーツは汚れ、頬は痩せこけ、黒々としていた髪にはいものが混じっていました。
かつて親戚ので胸を張り、私を支配していた男の面は、どこにもありませんでした。
「美智子……」
修のかすれた声が、静まり返った部に響きました。
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私は調委員のに座り、線をまっすぐにへ向けました。
修の瞳に、すがるようなが宿ります。
「美智子、悪かった。俺が全部悪かったよ……」
修はテーブルのに両を投げし、涙を浮かべて懇願しました。
「会社は破産続きに入った。本も競売にかけられる。母さんも団に放り込まれて、俺にはもう、何もないんだ……」
男は震えるで、ポケットから古びたさな箱を取りしました。
に、私たちが婚約したときに買った、物ののペアリングでした。
「覚えているだろ? 俺たち、最初は本当に仲が良かったじゃないか。やり直そう。子どもなんていなくてもいい。で、もう度やり直せないか……?」
調委員たちが、困惑したように私を見ました。
私はテーブルのの指輪を瞥しました。
かつての私なら、この男の涙に絆され、自分のを差ししていたかもしれません。
けれど今の私には、その姿が、己の保のために過の残骸を切り売りする、れな者にしか見えませんでした。
私はく息を吸い込み、たく澄んだ声で言い放ちました。
「あなたがしていたのは私じゃない」
修の体が、ビクッとねました。
「自分をててくれる、都のいい代わりよ」
男の顔から、最の血の気が引いていきました。
片岡弁護士が、調委員のに最終の正本を差ししました。
私が独代に用てた百万円の返還として、修の個資産から制回収した百万円の受領確認。