"十五年間謝り続けた私に、夫は妹の子を差し出した" 第15話
「恩だあ!? あんたが美智子をいたびるのを見て、俺がどれだけ怯えてたとってんだ! 全部あんたの世体のせいだ!」
「あんたが種なしの役たずだったからだろうが!」
母親と息子の、醜悪極まりない罵りい。
、私を共通の贄にして結託していた母子の絆が、保のために互いの喉笛をい破りう獄絵図が、座敷の真んに繰り広げられました。
親戚たちはドン引きし、誰も仲裁に入ろうともしませんでした。
その混乱の最、座敷の端で、そろそろとちがるがありました。
子でした。
子は青ざめた顔で、陸くんのを乱暴に引っ張り、ふすまの隙から逃げそうとしていました。
「……子さん」
私の静かな声が、逃を図る義妹の背に突き刺さりました。
子の肩が、ビクッとねました。
「ど、どこへくのかしら。あなたのする息子さんの、れ台じゃなかったの?」
「わ、私には関係ないわよ! お兄ちゃんとお母さんが勝にやったことじゃない!」
子は喚き散らしながら、陸くんのを引きずって廊へようとしました。
「陸、くわよ! こんな気の悪い、度と来るんじゃないわよ!」
そのでした。座卓のに放りされていた子のスマートフォンが、けたたましい子音を鳴らして畳のでねました。画面にっていたのは、再婚相である医療法専務理事のフルネームでした。
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子は青ざめた顔で通話を切ろうとしましたが、焦る指先が滑り、誤ってスピーカー通話のアイコンをタップしてしまいました。静まり返った広に、男の激昂した声がスピーカーから爆音で響き渡りました。『――おい子! 貴様、うちのを舐めているのか!』子の肩が、殴られたようにねがりました。「あ、あなた……? どうしたの、急に……」『すっとぼけるな! 今、顧問弁護士から連絡が入った! 実の息子を邪魔者扱いして兄夫婦に法に押し付け、違約条項を逃れようとしていたそうだな!』座敷の親戚たちが、斉に息を呑みました。話の向こうから、別の落ち着いた、しかし徹な男性の声が割り込んできました。『代わりました。医療法清会の顧問弁護士、加藤です。田子さん、お聞きですね』子の指先から力が抜け、スマートフォンが畳に転がりました。スピーカーから漏れる声が、逃げのない広の隅々までややかに染み渡っていきます。
「田子さん。当職は、当法専務理事とのでめられておりました、貴殿との婚姻契約の即破棄および違約請求の通に参りました」
広に、再び激震がりました。
「は……破棄……?」
子のから、乾いた掠れ声が漏れました。
膝がガクガクと震え、子はそのにへたり込みました。
加藤弁護士は切のを交えず、淡々と公文を読みげ始めました。
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「貴殿が当法専務理事と交わした『婚』において、実子である田陸君の監護養育を放棄し、兄夫婦に法に転嫁しようとした事実、ならびに額の個債務を秘匿していた事実が、興信所の調査および関係者からの報提供によりとなりました」
加藤弁護士のたい目が、子を見ろしました。
「実の子を勝な再婚の邪魔者として扱い、脅迫をもってに押し付けようとする反社会な為は、当法の名誉を著しく失墜させる背信為です。よって、婚約は撤回。第4条に基づき、違約百万円ならびに損害賠償の支払いを求めます」
「う……嘘よ……!」
子はを抱え、座敷に突っ伏して泣き叫びました。
「嘘よ、そんなの聞いてない! お兄ちゃんが何とかしてくれるって言ったのよ! お兄ちゃんが全部おをしてくれるって!」
「俺を巻き込むな!」
修が即座に絶叫しました。
「俺はらん! 子が勝にやったことだ! 俺になんかあるわけないだろうが!」
「お兄ちゃん、あんたそれでもなの!? あんたが跡取り欲しさに陸を寄越せって言ったんじゃない!」
兄妹までもが、互いの罪を擦り付けい、沼の罵倒を始めました。
私はへたり込む子の横を通り抜け、震える陸くんのに歩み寄りました。
そして、男の子の細い肩をそっと抱き寄せ、自分の背へと匿いました。