"十五年間謝り続けた私に、夫は妹の子を差し出した" 第14話
封筒から、佐々産婦科の公印が押された類を引き抜きました。
そして、広の央の座卓のに、叩きつけるように広げました。
「このにいる全員ので、はっきりとお答えください」
私の線が、夫の目を真っ直ぐに射抜きました。
「、佐々産婦科で最初に妊の原因を告げられたのは、体どちらでしたか?」
座卓のに置かれた枚の。
そこに鮮に印字された病院のロゴと、朱塗りの角印。
修の目が、見かれたまま直しました。
顔からサーッと血の気が引き、気へと変していきます。
座にいた本の伯父が、怪訝そうに眉をひそめてを伸ばしました。
「……おい、なんだいこれは?」
「佐々産婦科・殖医療センターが発した、私の診療記録の正式な示証です」
私は親戚同を見渡しながら、凛とした声で告げました。
「私の殖能には、何つの異常もありませんでした。そしてそのカルテの最終ページには、医師のによって、こう記されています」
私は息を吸い込み、文字ずつ区切って読みげました。
「『夫・田修氏、精子濃度ゼロ。無精子症の確定診断。本へ告済み』」
広が、凍りつきました。
誰の呼吸の音すら聞こえない、絶対な静寂が落ちました。
親戚の叔母たちが、顔を見わせました。
「……え? 修君が……?」
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「種がなかったのは、嫁じゃなくて修君のほう……?」
「から、分かってただって……?」
ひそひそとした囁き声が、毒のように広に広がっていきます。
修の額から、粒の油汗が吹きし、畳のにポタポタと落ちました。
「な……な、何でそれをおが……!」
修の声がずり、喉の奥が引きつったように鳴りました。
「嘘だ! そんな類、偽造に決まってる! 俺に原因があるわけがないだろうが!」
男は錯乱したように叫び、座卓の類を奪い取ろうとびかかってきました。
しかし、その腕を、隣で類を凝していた本の伯父が、鋭く掴んで制止しました。
伯父のが、りでわなないていました。
「……修。この病院の公印、偽造じゃないぞ。お、本当にっていたのか?」
「お、叔父さん、違います! これは美智子が俺を嵌めるために……!」
「嘘をつくのはおやめなさい」
私は歩も引かず、たく言い放ちました。
「、あなたが私に何と言い続けてきたか、このにいる全員がっています。『子どもがいなくても、俺はおをしている』『俺はおを責めない』。そうやって親戚ので聖を気取る裏で、あなたは真実を隠し、私にすべての責任を押し付けた」
「美智子、黙れ! 黙れええっ!」
修が狂ったように鳴り散らしました。
しかし、その声はただの、追い詰められた獣の鳴に過ぎませんでした。
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親戚たちの線が、侮蔑と軽蔑へと完全に反転していました。
「修君……あんた、自分が種なしだと分かってて、美智子さんを責めさせてたのかい?」
「なんて男だ……親戚に嘘をついて、嫁を盾にしてたのか」
「よくもも、そんな恥らずな真似ができたもんだよ!」
かつて修を褒めそやしていたが、今や斉に糾弾の刃となって修に突き刺さりました。
世体と名誉。
この男が何よりも執着し、守るために私を踏みにじり続けてきた虚飾のが、元から音をてて崩壊していく瞬でした。
「違う! 俺じゃない!」
修が突然、を抱えて叫びました。
そして、その震える指先を、隣で腰を抜かしかけていた富に向けたのです。
「母さんだ! 母さんが言ったんだ!」
富の目が、驚愕で見かれました。
「し、修……? あんた、何を……」
「母さんが『田の男に傷がついたら世に顔向けができない』って言ったんだろ! 『全部美智子のせいにしておけば、あいつは実のも差しすし、おの言うことを何でも聞く便利な政婦になる』って、母さんが入れ恵したんじゃないか!」
広から、鳴のような息を呑む音が漏れました。
実の息子による、公衆の面での裏切り。
富の顔が、りと屈辱で真っ赤に沸騰しました。
「この親孝者が! 誰のために隠してやったとってんだい!」
富は着物の裾を振り乱し、息子に掴みかかりました。
「あんたが病院から帰ってきて、『母さん、俺を助けてくれ』って畳にを擦り付けて泣きついたんだろうが! 私が親戚にをげて回って、あんたの体面を守ってやった恩を忘れたのかい!」