"十五年間謝り続けた私に、夫は妹の子を差し出した" 第6話
そして、私の線は、用の最段にさく印字されたに留まりました。
文字サイズはの部分の半分以、注記のように添えられた文。
『※将来な特別養子縁組の続きを野に含め、戸籍の移転準備を段階にめるものとする』
指先が、たく凍りつきました。
特別養子縁組。
それは、実親との法な親子関係を完全に解消し、養親の実子として戸籍に入れる続きです。
つまり、彼らは最初から「預かる」つもりなど毛なく、子が軽になって玉の輿に乗るために、陸くんというを完全に私の戸籍へ放り投げ、自分たちは「跡取りができた」と世に誇る算段だったのです。
「これ……子さんがいたんですか?」
「そうだよ」
富は胸を張り、当然のように顎をしゃくりました。
「子の再婚相はね、元でも数の資産なんだよ。向こうのご両親に『子持ちの戻り』だなんてわれたら、結納だって減らされちまう。陸をうちの男の養子にしてしまえば、子は初婚同然の顔で嫁げるし、うちには願の跡取りができる。あんただって、ぬまで『子なし』とろ指を指されずに済むんだ。方丸く収まるじゃないかい」
「陸くん本の気持ちは、どうなんですか」
「子どもなんて、飯わせて学かせときゃ誰が育てたって同じだよ!」
富は苛たしげにテーブルを叩きました。
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「あんたにはね、拒否する権利なんてないんだよ。親戚にはもう、私から『美智子さんがどうしてもと泣いて頼むから、子の息子を養子に迎えてあげることにした』って話してあるんだからね」
の奥で、カチリと音がしました。
親戚に、もう根回しを済ませてある。
私が拒否すれば、「の親切を踏みにじり、度は欲しがった甥っ子を追いした酷な鬼嫁」として仕てげられるはずが、すでにっていたのです。
「来週の曜、本で親族会議をくからね」
富はちがり、勝ち誇った笑みを浮かべました。
「親戚同ので、修とあんたが陸を引き取ることを正式に発表する。あんたは番等な着物を着て、親戚の皆さんに『修さんとお母様のおかげで母親になれました』って、つ指ついてをげなさい。それが、分の恩返しってもんだよ」
富はそれだけ言い捨てると、傘をに取り、満げに玄関へとっていきました。
引き戸がガタリと閉まり、のに再び苦しい静寂が戻ってきました。
私はテーブルのに残された『養育分担覚』をに取りました。
そして、ゆっくりと息を吐きしました。
「……つ指ついて、をげる、ね」
声にすと、唇の端が自然と吊りがりました。
りは、すでに研ぎ澄まされた刃のような気へと変わっていました。
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私は階へがりました。
納戸の隅、子が数「とりあえず置いておくから」と言って運び込んできた、陸くんの私物が入った装ケースのに屈み込みました。
蓋をけると、さくなった古着の隙に、通の透なクリアファイルが挟まっていました。
を引きしました。
それは、子と再婚相ので交わされていた『婚』の弁護士控えの写しでした。
第4条(連れ子の処遇について) 乙(田子)は、婚姻において、実子・田陸を同居させず、その扶養義務および教育費の支払いを甲(再婚相)に求めないことを確約する。本条項に違反した、乙は甲に対し、違約として百万円を支払うものとする。
文字が、くっきりと印字されていました。
でも、族の絆でもない。
百万円の違約を回避し、持ちの妻の座をに入れるために、子は実の息子を邪魔な荷物として売り払おうとしていたのです。
私はスマートフォンのカメラを起し、そのの全ページを、付と署名が鮮に写るよう撮しました。
それから、エプロンのポケットからICレコーダーを取りし、パソコンに接続して音声ファイルをクラウドへバックアップしました。
画面の向こうで、着々と積みがっていくかぬ証拠たち。
来週の曜。
親戚同が集まる、あの本の広。
自分たちの嘘と虚栄で塗り固めたの頂点で、あいつらが最も得気になっている、その瞬。