みかん小説
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"十五年間謝り続けた私に、夫は妹の子を差し出した" 第5話

子どもが産めないの女を、俺以の誰が引き取るっていうんだ!」

修は散らばったビールの空き缶を蹴ばすと、寝へ向かって股で歩きしました。

そして、引き戸を力任せに閉める直、毒に満ちた声で私を睨みつけました。

「週末には陸が来る。余計な騒ぎを起こして子の再婚を邪魔してみろ。即刻このから叩きして、親戚に『がおかしくなった悪妻』と言いふらしてやるからな」

バタン、と激しい破壊音をててドアが閉まりました。

静まり返ったリビングで、私は元に落ちたビールの缶を拾いげました。

指先はもう、ミリ単位すら震えていませんでした。

、だと信じ込んでいたものの正体は、ただの卑劣な保と支配でした。

恐怖も、愁も、完全に消えっていました。

私の胸のには、ただ徹な計算と、この腐りきったを徹底に追い詰めるための盤面だけが、鮮に浮かびがっていました。

翌の午。

玄関の引き戸が、乱暴にく音が響きました。

「美智子さん! 美智子さん、いるんだろう!」

義母の富でした。鍵を使い、ノックすらなしにがり込んできたのです。

富は息を切らし、派な染めのチュニックの裾を揺らしながら、リビングへずかずかと踏み込んできました。

昨夜、修から連絡を受けたのでしょう。

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その顔には、隠しきれない焦りと、それを覆い隠すための居丈なりが張り付いていました。

「あんた、夕べ修にくだらない言いがかりをつけたんだってねえ!」

富は持っていた傘をテーブルのに放りしました。

「男のプライドを傷つけるような真似をして、恥ずかしくないのかい? もの病院の切れ枚持ちして、うちの息子を脅すなんて、恩らずにも程があるよ!」

私は台所から湯呑みをつ運び、テーブルに静かに置きました。

「お茶をどうぞ、お義母さん」

「お茶なんていらないよ!」

富は湯呑みを払いのけるようにを振りました。茶柱が揺れ、湯気が頼りなくちります。

「いいかい、修が黙っていたのはね、この田の体裁を守るためだよ。男がで胸を張って商売をするために、のの恥は隠すのが当たりなんだ。あんたは子どもが産めない嫁として扱われていたって、着るものもむ所も自由しなかっただろうが!」

「自由しなかった?」

私は富の目を、まばたきもせずに見つめ返しました。

「私のパート代は、毎すべてこのの費とあなたの湿布代、そして子さんへのお遣いに消えていました。私の実の貯百万円も、修さんの会社の運転資として貸したまま、円も返ってきていません」

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「貸しただなんて、夫婦のだろうが!」

富は唾をばして喚きてました。

「嫁のはのだよ! 体ね、あんたに子どもが産めなかったのは事実じゃないか。修に原因があったとしても、あんたがの男と子どもを作れるわけでもなかったんだ。結果は同じだよ!」

信じがたい論理でした。

罪悪を植え付け、尊厳を奪い、政婦として搾取し続けたことへの反省など、この老婆のには爪の先ほどもしないのです。

富はハンドバッグから、つ折りにされたを取りし、テーブルのに叩きつけました。

「ぐだぐだ言ってないで、これをしっかりに叩き込みなさい」

広げられたには、几帳面なフォントで『陸の養育分担および活管理覚』と印字されていました。

私はそのに線を落としました。

・曜〜曜:朝半の朝準備、学への登確認、の学童への迎えおよび宿題の監督。 ・夕の提供および入浴介助、就寝管理。 ・学事(PTA、保護者面談、運会等)への代理席。 ・費、学用品費、医療費実費については、当面の、田修庭座および美智子のパート収入より補填するものとする。 ・週末の面会については、子のスケジュールを最優先とし、事の協議をしない。

あまりにも方で、骨な押し付けでした。

母親としての権利は子が保持したまま、すべての臭い労働と活費の負担だけを、私に背負わせる契約です。

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