"十五年間謝り続けた私に、夫は妹の子を差し出した" 第4話
私はくをげました。
声は、自分でも驚くほど落ち着いていました。
「この診療記録の示証、公印を押した状態で部作成していただけますか」
「かしこまりました。すぐに準備いたします」
病院をると、え切ったのが私の頬を叩きました。
バッグのには、の欺瞞を証する決定な片が収まっています。
そのまま私は駅の文具へ向かい、のひらに収まる極のICレコーダーを購入しました。
池を入れ、録音ボタンが正常に作することを確認して、エプロンの内ポケットに忍ばせました。
準備は、いました。
そのの夜過ぎ。
修は嫌よく、コンビニの袋をぶらげて帰宅しました。
には級なエビスビールと、自分の好物の乾き物が入っています。
「おい美智子、飯は? 今は現がく終わってさ、腹減ったんだよ」
修がリビングのソファにドカリと腰をろしました。
私は夕飯の支度を止め、静かにリビングへ歩み寄りました。
そして、テーブルの央に、枚の類を置きました。
佐々産婦科の公印が鮮に押された、私の受診記録と医師の所見のコピーです。
修はビールの缶をけようとしていたを止め、眉をひそめました。
「……何だよ、これ」
「読んでみて」
修はおかしそうにを鳴らし、類を指先でつまみげました。
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しかし、そこに並ぶ文字を目で追った瞬、男の顔からみるみる血の気が引いていきました。
けかけのビール缶がから滑り落ち、ラグのに茶い染みを作りました。
「な……これ、どこで……」
修の喉仏が、激しくしました。
目が泳ぎ、額からじっとりと嫌な汗が滲みてきます。
「佐々産婦科よ。のカルテ、示してもらったの」
私はったまま、見ろすように修を見据えました。
「私の体には、何の問題もなかった。そして、あなたは無精子症の確定診断を受けて、泌尿器科への紹介状を受け取っていた」
「……っ」
「修さん。これ、どういうことか説してくれる?」
部のに、のような沈黙が落ちました。
壁の掛け計の針が、チ、チ、と音を刻むだけです。
修は数秒、をパクパクと魚のように閉させていましたが、やがてその顔が、醜悪な赤黒さに染まりがっていきました。
「お……ッ!」
修は類をぐしゃりと握り潰し、テーブルを拳で力任せに殴りつけました。
「何勝なことしてんだよ! 病院に乗り込んで昔のカルテ暴くなんて、がおかしいんじゃないのか!?」
「質問に答えて。なぜ、私に隠していたの?」
「終わったことだろうが!」
修がちがり、私に顔をづけて鳴り散らしました。
沫が私の頬にびます。
「もの昔話をほじくり返して何になる! 俺が言わなかったのはな、おを傷つけないためだよ! 夫婦のに角をてないための、俺の優しさだろ!」
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「優しさ?」
私の声は、く、たく響きました。
「お義母さんはっていたわ。お義母さんは、親戚ので私を『子なしの役たず』と罵り続けた。あなたはその横で、度だって真実を言わなかった」
「それは……母さんは昔のだからだ! 男の俺にケチがついたら、親戚に示しがつかないだろ!」
修はき直るように両を広げ、吐き捨てるように言い放ちました。
「いいか、美智子。世っていうのはな、男が種なしだってったら笑い者にするんだよ。会社だってちげたばかりだったんだ。男の尊厳を守るために、嫁がのを被るなんてのは、どこのでも当たりにやってることだ!」
「私のは、あなたのを被るためのゴミ箱じゃない」
「何様だおは!」
修の目が血り、私の胸ぐらにを伸ばそうとしました。
私は歩も引かず、その目を真っ直ぐに見据えました。
エプロンのポケットので、ICレコーダーの赤いランプが、この男の醜い咆哮を静かに刻み続けています。
修は私の怯まない態度に気圧されたのか、伸ばしかけたを引っ込め、忌々しそうに舌打ちをしました。
「偉そうなを利くんじゃないよ。誰のおかげで今まで飯がえてるとってんだ? 実の務が傾いたおを、文句も言わずに囲ってやってるんだぞ。