"孤児の私に、婚約者が買い与えた「偽物の両親」" 第5話
私と旬が、半の挙式と活のために設した『結婚準備共同座』。 毎、お互いの料から定額を積みてていた座だ。
だが、私の取り万に対し、旬の拠は毎わずか万。 私自の貯から初期費用として百万円を気に入れ、現の残の半は私のだった。
入細のタブをく。
画面をスクロールしていく私の指が、あるで完全に止まった。
週。 付。
額:350,000円。 振込先:カブシキガイシャ ファミリー・パートナーズ。
臓が、たくねた。
万円。
あの男は、私に言の相談もなく。 私の貯で半を賄っている共同座からを抜きし。 私のを改ざんするための『偽物の両親』を買い取っていたのだ。
私ので、私を辱めるための役者を雇い。 私ので、私の切なたちを排除した。
「……ふざけないで」
声が漏れた。 唇の端が、たく釣りがるのが自分でも分かった。
りは頂点に達すると、を失う。 のが恐ろしいほどクリアになっていく。
私はその送細の画面をキャプチャし、PDFとしてクラウドに保した。 続けて、代会社の契約番号、席次表の修正指示の写真、そして莉奈から送られてきた音声データを、つのフォルダにまとめる。
フォルダ名を入力した。
『破棄・清算用証拠』
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スマートフォンの画面が、再び着信を告げて震える。 画面に浮かびがったのは、旬の母親――神恵子の名だった。
呼吸をつ。 喉の奥の渇きは、完全に消えていた。
私は親指を滑らせ、通話ボタンをタップした。
「もしもし、美咲さん?」
元に滑り込んできたのは、く澄ました、どこかを品定めするような義母・恵子の声だった。
「リハーサル、終わったのかしら。さっき旬から話があったのよ。なんだか歯切れが悪くてね。あなた、装わせの現でまた何か余計なことを言ったんじゃないでしょうね?」
余計なこと。
息子の背信為を棚にげ、最初から私に非がある提の物言い。
いつもの調子だった。
「いえ。式のについて、プランナーさんとし確認していただけです」
私は呼吸をえ、く平坦な声で返した。
の揺らぎを切乗せない、徹な事務連絡のトーン。
「そう。ならいいわ。それより美咲さん、の夜、うちにいらっしゃい」
受話器の向こうで、擦れの音がした。
「当、親戚に配る席次表の肩きと、あちらのご両親役の方にお願いする受け答えの台本、私が全部直しして清したのよ。神の親戚に変な疑いを持たれないように、完璧な問答集を作っておいたから。最終チェックをするわよ。遅れないでね」
完璧な問答集。
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偽物の両親に、私の嘘のいちを暗唱させるための台本。
それを、この女は自分の柄のように誇らしげに告げていた。
「……分かりました。の夜、伺います」
「ええ。を無駄にしたくないから、ちょうどに来てちょうだい」
方に通話が切れた。
ツーツーという乾いた子音を聴きながら、私は画面を伏せた。
謝してほしい、とでも言いたげな傲さ。
だが、これでいい。
相が「私がすべてを諦めて受け入れた」と油断している今こそ、最も隙だらけになる。
私は式の控をて、タクシーを拾った。
帰宅する内、スマートフォンを膝のに置き、今に入れた証拠をので理する。
改ざんされたプロフィールの写真。
莉奈を止めしようとした旬の音声データ。
文恵先から聞きした証言。
そして、共同座から抜き取られた万円の振込履歴。
ピースは揃いつつある。
だが、まだりない。
あのが言い逃れできない、決定な『契約の原本』と『本音の自』を掴む必があった。
午を過ぎた頃、玄関の鍵が回る音がした。
リビングのソファにく腰掛け、ノートパソコンをいていた私は、画面の輝度を落として線を入りに向けた。
「……ただいま」
旬が、恐る恐るリビングを覗き込んできた。
スーツの着をに持ち、ネクタイを緩めた姿は、ひどく疲れ切って見えた。
私と目がうと、骨に顔を窺うように眉をげる。
「美咲……起きてたんだ」
「おかえりなさい」
努めて穏やかに答えた。