みかん小説
本棚

"5万人が称賛する義母の、悪嫁は私だった" 第9話

「お父さんが守りたかったのは、私じゃない」

私ははっきりと告げた。

「お父さん自のよ。世体と、波がたないっていう自分のな平穏のために、番助けを求めていた娘の逃げを、自分ので塞いだのよ」

「……すまない……本当に、すまない……」

父の嗚咽が部に響く。私はく息を吸い込み、たくなった指先を温かい湯呑みに添えた。

「今すぐには、許せない」

「……ああ。許してくれなくていい」父は涙で濡れた顔をげ、私の目をまっすぐに見つめ返した。その目には、先ほどまでの怯えや自己保のは消えていた。「だが、美紀。ここはおのだ。もう、誰にもおの居所を決めさせない。おがここにいたいとうなら、何ヶでも、何でもここにいていい。私が、この命に代えてもおと孫たちを守る」

父が初めて、世体やとしての都ではなく、私というの個のを尊した瞬だった。

「……考える」

私はく答えた。簡単に許しはしない。だが、父が自分のさと向きい、私の方として歩を踏みしたことだけは、受け止めることにした。

その、階からトントンとりに階段をがる音が聞こえた。

引き戸が勢いよくく。び込んできた奈奈の顔は、先ほどよりもさらに青ざめていた。

「お姉ちゃん、起きた!? ……あ、お父さん泣いてるし……じゃなくて! 変なことになってる!」

広告

「奈奈、落ち着いて。何があったの?」

奈奈は震えるで、自分のスマートフォンを私に突きしてきた。

「あのクソババア、とんでもない爆弾投したよ……!」

画面に表示されていたのは、義母のThreadsアカウントの最投稿だった。投稿されたのは、わずか分。

そこには、もはや回しな愚痴などでは済まされない、線を完全に越えた言葉が並んでいた。

《緊急で投稿しています。先ほど、息子の留守に、お嫁さんがの孫を連れて忽然と姿を消してしまいました。話もLINEもブロックされ、どこへったのか全く連絡がつきません。空ちゃんは体がく、定期な医療ケアが必な子です。母親として精神に定な状態での連れりです。もし何かあったらとうと、居てもってもいられません。息子も半狂乱で探しています。フォロワーの皆様、どうか恵をお貸しください。警察に捜索願をすべきでしょうか?孫たちの命を守るために、私はどうすればいいのでしょうか……》

すでにリポストは千件を超え、いいねは万千件に達していた。

そして、コメント欄の最部に、背筋が凍りつくようなき込みが表示されていた。

『これ、所のマンションの佐佐さんちの双子じゃない? 今朝、きな荷物持って軽自に乗ってくの見たよ』『ナンバープレート、最初が「品川」

広告

でしたよね?』『警察だけじゃなく、児童相談所にも通報した方がいいです! 虐待の危険があります!』

実害がない?たかがSNS?

義母の吐き散らかした嘘の炎は、すでにネットの境界線を焼き破り、現実の私たちの活をにすべく、すぐそこまで燃え広がっていた。

私のので、スマートフォンのバイブレーションが気に震えした。画面に浮かびがったのは、所にむ私の古い友からのLINEだった。

『美紀ちゃん……? 今Threadsですごい拡散されてる投稿、もしかして……美紀ちゃんのことじゃないよね?』

逃げのない包囲網が、音をてて狭まっていく。だが、私のには、もはや恐怖も絶望もなかった。

「……奈奈」

私は、氷のように澄み切った声で言った。

「役所の庭支援課と、弁護士の無料相談、午の枠が空いてるか調べて」

帳をき、ペンのキャップをす。反撃のは、もう始まっていた。

まずかしたのは、ではなく指先だった。

私は机のに置いた育児ノートを素くめくり、双子の母子健康帳と、直の通院記録、空の体管理グラフを並べた。スマートフォンの画面では、義母の投稿に群がる見らぬアカウントたちが「通報しろ」「児相をかせ」と息巻いている。

ネットの炎が現実の暴力に化けるに、先を打つ。反撃の第歩は、敵を殴ることではない。

相が振りろそうとしている刃の軌を、あらかじめ塞ぐことだ。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: