"23年逃げた母が、娘のスマホの中にいた" 第13話
実の田畑とをすべて差し押さえて競売にかけても、到底りません。破産管財が入り、志と真由美の両名は、刑期を終えたも涯をかけて損害賠償を背負うことになります」
法という名の檻。のを踏みにじり、汗も流さずにを掠め取ってきた者たちが、自ら掘った底なしの落とし穴だった。
「それでな、志保ちゃん」
さんが、テーブルのに広げられた公図の写しを指先で叩いた。
「あのの杉林だが……発会社側には、正介さんの公正証遺言の原本を突きつけて、買収計画そのものを完全に撤回させた。あんな連に、のを切り売りさせるわけにはいかんからな」
「ありがとうございます、さん」
私はくをげた。
兄が勝に「数億円で売れる」と騒ぎてていたの正体は、入れもされず荒れ果てた、固定資産税ばかりがかさむただの林だった。
借に追われた兄が、発会社の事調査話を誇に膨らませ、への担保にしようと暴していたに過ぎない。
「相馬先」
私は弁護士に向き直った。
「あの林の相続続きが終わり次第、自治体の『森林環境保全信託』へ全を寄託する続きをめていただけますか。私自が利益を得る気はありません。誰のにも渡らないよう、公な管理に置いていただきたいんです」
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度と、あのを巡って誰かが血を流さないために。
私を縛り続けたの呪縛を、永久に封印するために。
「承しました。役側の窓ともすでに協議に入っています。これで、親族がを盾に志保さんへ接触する実は、完全に消滅します」
相馬弁護士は類をえ、鏡を押しげた。
「……問題は、実に残されたお母様です」
内の空気が、わずかに引き締まる。
「兄夫婦の逮捕と正受の返還請求により、実のとは差し押さえが確定します。お母様は、あそこにみ続けることはできません。志保さん、どうされますか」
「同居も、引き取りもいたしません」
私の声に、片の迷いもなかった。
「民法の扶養義務があることはっています。ですが、過の搾取と今回の教唆為を踏まえ、銭・精神援助の限界を主張したいんです」
「法には分に認められます」
相馬弁護士は力く頷いた。
「すでに元の域包括支援センターおよび福祉事務所には、の親族関係破綻と暴力事案を理由とした支援拒否の経緯を送付済みです。お母様は、ご自の基礎の範囲内で入居できる公の養護老ホームへ、政職権によって措置入所となる続きがめられます。見についても親族ではなく、庭裁判所が選任する専職見が就きます」
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政、福祉、庭裁判所。
や血のつながりを排した、徹な制度の壁。
「志保さんが直接、お母様の介護や元引受に関わる法な義務は、これで切なくなります」
「……わかりました」
私はく息を吸い込み、胸にを当てた。
逃げすのではなく、法と制度のに線を引き、踏み込ませない。
それが、の私が勝ち取った、本当の平穏だった。
すべての続きを終え、自宅へ戻ったのは夕暮れだった。
リビングにが差し込み、のにいを落としている。テーブルのには、相馬弁護士から渡された分い事件処理報告のファイルが置かれていた。
兄・孝志と義姉・真由美の罪状。印私文偽造、同使、偽造公文使、詐欺未遂、恐未遂、傷害、ならびににわたる補助の正受。起訴は確実であり、保釈の余は切ない。数千万円の賠償と借を抱えたまま、懲役刑の実刑判決がされるのを待つだけとなっていた。
そして、母・澄。の資産をすべて失い、親戚から絶縁され、やがてれの公施設へとつで引き取られていく。かつての父制の頂点に君臨し、娘を奴隷のように扱い、男を盲目に甘やかした代償。誰からも見いに来られない、たい忘却という名の牢獄が、あのの余だった。
悪というものは、者をい尽くせば、最には自らをい破って自滅する。
その因果応報の結末を、私は枚の面として静かに確認した。