"レジで3860円を払ってくれた男は、巨大企業の会長だった" 第13話
それでもは、相のためだと言って勝に決めることを避け、見が違えば言葉にして確かめてきた。
買い物袋のの卵が割れないように連が持ち直す姿を見て、咲はそんな常がしずつ自分たちのものになっていることに気づいた。
「あのだって、普段はちゃんと払えていたんですよ」
咲が笑うと、連は買い物袋を受け取りながら静かに微笑んだ。
「それでもあの、カードが使えなくて良かったとっている。そうじゃなければ君に会えなかったかもしれないから」
をると、の夜がを優しく撫でた。かつて咲がでち尽くしていた入ので、連はを止めた。
「咲、これからも緒にいてくれるか」
初めて事に誘ったと同じ器用な真剣さを持つその声に、咲は穏やかに微笑んだ。
「はい。でも私のは私のものですし、あなたのはあなたのものですよ。だからこそ、これからはで選んでいきたいです」
連は静かに微笑み、彼女のを優しく握り返した。は並んで歩き始めた。あの、咲が返そうとしていたのはわずか3860円だった。しかしそのさな親切が、孤独だったのをきく変えた。
位や財産では得られない本当のをり、誰かを頼ることはさではないと気づいた。
切なのはどれほどのおを持っているかではなく、相のと誇りをどれほど尊できるか。
あのの借りはもう返し終えた。それでもはこれからのを、互いに支えいながら歩いていく。
の灯のでのが静かになった。もはや返す必のない温かな気持ちだけが、これからのへ続いていった。