"「娘に頼まれたから」深夜に30個の弁当を作る母、私は何も知らなかった" 第11話
本当に気持ち悪い」
「真理、あんたまで母親に向かって……!」
「もう度と私に連絡してこないで。子どもたちも、こんなおばあちゃんに会わせたくない」
真理はバッグを掴むと、兄と母を瞥もせず、実からにていった。内の方をつけるはずだった夫の目論見は、完全に破綻した。
居に残されたのは、私と母、そして完全に退を断たれた夫と義母のだけだった。
「……輔」
私は、壁際にち尽くす夫のに歩み寄った。
夫は幽霊のように青ざめ、線を泳がせている。その異様な怯え方に、私はずっと胸の奥に引っかかっていた違をいした。
ただ義母に見栄を張らせるためだけに、ここまで必に嘘をね、岳母を極限までこき使うだろうか?割の抜き。万千円。たかが数万円の遣いのために、妻にバレたら婚必至の危険なを、これほど異常な執着で渡るだろうか?
「輔、答えなさい」
私は夫の目を覗き込んだ。
「あなた、本当は何のためにおが必だったの?」
夫の肩が、ビクッとねがった。
「な、何のことだよ……。俺はただ、ちょっと遣いが欲しかっただけで……」
「嘘をおっしゃい!」
私は夫の胸元を鋭く指差した。
「ここ、あなた郵便物をやたらと気にして、ポストを毎真っ先に確認してたわよね。ボーナスの細も見せたがらなかった。
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……隠している借があるんでしょう?」
「っ……!」
夫の喉から、ヒッとい鳴が漏れた。額から、ダラダラとたい脂汗が吹きしてくる。
隣にいた義母までもが、サッと線を逸らし、ハンカチで元を覆った。
その反応で、確信した。
「お義母さんも、ってたんですね」
「し、らないわよ! 輔が借なんて……」
「嘘をつかないで! でグルになって、私の母の労働とをしゃぶり尽くして、何のおを穴埋めしようとしてたの!? 言いなさい、輔!!」
私の号に追いつめられ、夫はを抱えてそのに崩れ落ちた。
「……投資だよ!!」
夫はに額を擦り付けるようにして叫んだ。
「友達に誘われたFXで失敗して……穴埋めしようとして消費者融から借りて……気づいたら膨らんで……! 今すぐまとまったが必だったんだよ!!」
やっぱりそうだった。
すべては、この男の勝な借の穴埋め。そのために、母の善と体力を、使い捨ての具として利用していたのだ。
夫はボロボロと涙を流しながら、膝でにじり寄り、私の元にを伸ばしてきた。
「歩美、頼む! 婚だけは勘弁してくれ! 母さんのおと俺の料から、お義母さんの万円は今すぐ全額を揃えて返すから! 、定期預を解約して持ってくるから! だから許してくれ、頼むよ……!」
にを擦り付け、必に許しを請う夫。万円さえ返せば、このをやり過ごせる。
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を返せば、すべてを「内のちょっとした揉め事」としてに流してもらえる。この男ののには、まだそんな甘ったれた計算が残っていた。
私は歩ろにがり、その汚れたをたく見ろした。そして、バッグの底から、あらかじめ弁護士と相談して作成していた通の類を取りした。
に印字されたタイトルが、蛍灯のので残酷なまでにくる。
夫の目のに、そのを滑り込ませた。
「……おを返せば、全部なかったことになるとってるの?」
私の静かな声が、居の空気を鋭く切り裂いた。
「私の母の尊厳と体を踏みにじった罪が、たった数万を返せばチャラになるとでもってるの?」
に叩きつけるように差ししたA4の類。
に印字された文字を、夫はいつくばったまま凝した。
『婚協議(案)』『損害賠償請求および当利得返還請求に関する事通』
弁護士のに相談し、昨夜のうちに作成してもらった面だった。
夫の喉から、空気の抜けるような音が漏れた。
「り、婚……? なんで……なんでそこまで……」
「たかが数万、って言ったわよね」
私は仁王ちしたまま、酷に見ろした。
「あなたが母にした労働は、半で百を超えてる。朝の仕込み、い買いし、夜までの揚げ物。これ、域の最賃で換算したらいくらになるか分かる? ざっと計算しても万円以よ。
替えた材料費の万円とわせれば、百万円くにのぼる確な搾取なの」