みかん小説
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"「月5万払うから」離婚した私に介護を頼む元夫" 第5話

指先が、氷のようにえ切っている。悸が激しく波打ち、喉の奥が鉄ので満たされる。

佐伯智子。元夫・健の実姉。歳。でほどの隣にみ、の結婚活ので、実のことなど何つ背負ってこなかっただ。

盆と正にだけぶらで現れ、仏壇に線を本あげたは、座敷の特等席にどっかりと腰をろす。「お茶の温度がぬるいわ」「座布団の向きが逆よ」「美さんは気が利かないわね」そうやって私を顎で使い、義母とで息子の自話にを咲かせるだけ。

義母が骨折したも、内障の術を受けたも、「うちは夫の親がいるから」「仕事が忙しいから」と言い訳を並べ、見いにすら来なかった。退院の続き、リハビリの送迎、毎の着替えの洗濯、減塩の作り置き——臭い実務のすべてを私に押し付けておきながら、自分は「れて暮らす親いの優しい女」の顔を崩さない。

その義姉が、どの面をげて「でなし」と鳴りつけてくるのか。

……は?佐伯の飯をわせてもらっていた?

胃の底から、黒いりがふつふつと湧きがってきた。私は、度たりとも仕事を辞めたことはない。元信用庫の窓と方事務をフルタイムでこなし、賃の半分と費、費をきっちり折半してきた。わせてもらっていたどころか、健の趣のゴルフや級計のローンで目減りした計を、私のボーナスで穴埋めしてきたのだ。

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ピロン。

再びスマートフォンが震えた。今度は義姉からの直接着信。画面を睨みつけ、私はく息を吸い込んだ。揺を押し殺し、通話ボタンをスライドさせてに当てる。

「もしもし」

『ちょっと美さん! やっとたわね! さっきのメッセージ聞いた!? あんた、本当に母さんを玄関先で追い返したの!?』

をつんざくような切り声。受話器を数センチからしても、その甲いヒステリーは部の隅々まで響き渡った。

「ええ、お引き取り願いました」

私の声は、自分でも驚くほど平坦だった。

『な……っ、よくそんな堂々と言えるわね! 母さんはを過ぎてるのよ!? い荷物を持たせて、真の夜に追いすなんて、として恥ずかしくないわけ!?』

「恥ずべきは、誰でしょうか」

私は淡に言い返した。

「佐伯智子さん。論で鳴るのはおやめください。法な話をします」

『は? ほうてき……? 何よ偉そうに!』

「民法百条です。直系血族および兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務を負う。これが本の法律です」

話の向こうで、義姉が瞬だけ息を詰まらせた。

「お義母さんの扶養義務を負っているのは、第に実子である健さん、そして第に同じく実子であるあなた、佐伯智子さんです。婚届を受理された私には、血族関係も姻族関係も切残っていません。法に、私はお義母さんに対して円の扶養義務も、の介護義務もしない、完全な赤のです」

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『だ、だからって……も族だったじゃない! けとか恩とか、そういうものがないの!?』

「恩とおっしゃるなら、誰が誰に恩をじるべきですか? 過、お義母さんの通院に付き添い、薬を管理し、政の続きを代してきたのは誰ですか? 智子さん、あなたが度でもその役目を代わってくれたことがありましたか?」

『そ、それは……! 私はくにんでるし、夫ののこともあるから……!』

「ええ、ご都が悪かったのですね」

私は言葉を被せた。容赦なく、たく、確信を突く。

「では、なぜ私のなら都が良いとおいになったのですか?」

『……え?』

「私の自宅は、独代に私が自分でローンを組んで購入した、私個のです。あなた方佐伯の資産でもなければ、健さんから譲り受けたものでもありません。なぜ、実の子であるが引き取らない母親を、婚した妻の私個の部にまわせることが『当たり』になるのですか? 答えられますか?」

静まり返る受話器。義姉の荒い呼吸だけが、微かに漏れ聞こえてくる。

「もしお義母さんがに迷うとお嘆きなら、女であるあなたが今すぐをして、ご自宅に連れてお帰りになれば済む話です。にでも同居の続きをなさってください」

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