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"義母を沈めた十六時四十四分" 第5話

『もう限界だ、妻にモラハラを受けている』って!」   「モラハラ?」

私はわず吹きしそうになった。

「過ぎた息子が妻に正論を言われて泣きつくのが、モラハラですか?」「黙りなさい!」

貴恵はドアの隙に指をねじ込まんばかりの勢いで叫んだ。

「母親に向かってあの文の無礼なメッセージ、あれは何よ! あんな恥らずな嫁、うちの系にもいなかったわ! 亮太が体調を崩したのは、あなたが妻としての務めを果たしていないからに決まってるでしょ! 誰の稼ぎで飯をわせてもらってるとってるの!」   私はたい目で、チェーンの向こうの義母を見つめ返した。

「お義母さん、その『誰の稼ぎ』って、具体にいくらのことですか?」

貴恵の瞬、きが止まった。

「……は? 何言ってるのよ」

「亮太さんが毎、会社からいくらもらっていて、そのうちいくらを私に渡して、いくらをご自や……あるいは『別の方々』に流しているか、お義母さんはごなんですか?」貴恵の目がわずかに泳いだ。その揺を、私は見逃さなかった。

「な、何よ藪から棒に……亮太が懸命働いたおをどう使おうと、の主の勝でしょうが! とにかくね、私はあなたに謝罪を求めに来たのよ! 亮太に座して、私にも謝りなさい!

それができないなら、今すぐこのをていきなさい! 陽翔はうちで引き取ります!」

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「お断りします」

私は遮るように、はっきりと告げた。

「陽翔は私の子供です。絶対に渡しません。それから、謝罪する気も切ありません。話しうなら、亮太さんとで、しかるべき所でいます。お引き取りください」「な、なんですって……! けなさいよ! ちょっと、紗智さん!」

喚き散らす義母を無し、私は容赦なくドアを閉め、鍵を回した。

ドアの向こうからドンドンと扉を叩く音と罵声がしばらく続いていたが、やがてヒールの音がざかっていった。膝がガクガクと震えていた。

だが、恐怖の震えではない。戦うための覚悟が決まったの、武者震いだった。

あの義母の揺した表。彼女は、亮太が与を誤魔化していること、そして自分にを送させていることについて、違いなく何かをっている。私はそのの午、パートを急遽休職扱いにしてほしいと澄さんに連絡を入れた。

澄さんは事を察し、「にはうまく伝えておくから、自分のを守ることに集しなさい」と力く背を押してくれた。私はまず、都内の弁護士事務所へとを運んだ。無料法律相談の枠を使い、女性問題と銭トラブルにい女性弁護士・松永先のに座った。

テーブルのに並べたのは、偽造された与細のコピー、サブバンクの通帳のコピー、そして昨義母から送られてきたLINEと私の返信画面のプリントアウトだった。

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  松永弁護士は類を丁寧にめくりながら、折ペンをらせた。

「……なるほど。与細の偽造は悪質ですね。婚姻費用分担義務の違反、悪の遺棄に該当する能性があります。

そしてこの『サクマ マユミ』という名義……毎万円の定期な送。これはほぼ違いなく、貞関係の相への当、あるいは活費の援助と見ていいでしょう」「やっぱり、そうなんですね……」

覚悟していたとはいえ、専のから告げられると、胸にい杭を打ち込まれたような痛みがる。

「それと、このお義母様への送ですが」

松永弁護士が首を傾げた。

「夫から実母への遣いとしては、々額がきく、定期すぎますね。しかもボーナスに増額されている。お義母様はお暮らしですか?」

「はい。義父はにくなり、実の軒で暮らしをしています。遺産も分にあると聞いていました」

「調査会社を入れて、このサクマという女性の元と、ご主の休のを洗いしましょう。

それから、お義母様の経済状況についてもし調べてみる価値がありそうです。

証拠が揃うまで、ご主にはづかれないようにしてください」弁護士事務所をた、私は指示された調査会社と契約を交わした。持ちのパート代の貯がきく削られたが、惜しくはなかった。

この真実を暴くためなら、私の全財産を投げ打ってでも構わないとった。

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