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"亡き娘の純金バングルを、義母は義妹の再婚費用にしようとした" 第15話

健太も仕事を切りげて来てくれたの。さあ、奈緒さんへの落としの話も、田のお父様にご相談しなきゃ――」

「母さん、静かにして」

田さんのややかな言に、内の空気がふっと静まり返った。田の両親や親族たちも、息子の異様な雰囲気に怪訝な表を浮かべている。

田さんは座にち、ふすまの向こうへ向かって声をかけた。

「どうぞ、お入りください」

すっと姿を現したのは、私と、奈緒だった。

「……は!?」千恵子がちがり、目を剥いた。「な、なんであんたたちがここにいるのよ!? 座しに来たの!? でもここは田との神聖な席よ! 部者がで踏み込んでくるんじゃないわよ!」

「おら……!」健太も子からびがり、奈緒を睨みつける。「何の真似だよ! 恥を晒しに来たのか!?」

由梨にいたっては、振袖の袂を握りしめ、怯えたような顔を作って田さんの腕にすがろうとした。

「亮介さん……! どうしてこのたちを呼んだの? 私、怖い……! 昨あんなにひどいこと言われて、私、もう顔も見たくないのに……!」

「由梨」

田さんは、すがろうとする由梨のを、まるで汚らわしい虫でも払うかのように、たく振り払った。

由梨が弾かれたように目を見張る。

「亮介……さん?」

田さんは懐から、昼に私たちが渡した資料のコピーを取りし、座卓の央に叩きつけるように置いた。

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バシッ、と乾いた音が広に響き渡る。

「これは何だ」

田さんのく響く声に、料亭の仲居すら息を止めた。

座卓のに散らばったのは、美咲の真珠の購入証、由梨がSNSに投稿した写真、そして昨の貴属買い取りの予約伝票。

由梨の顔から、みるみるうちに血の気が引いていった。を差した唇が、カタカタと震え始める。

「な、何よこれ……誰がこんなデタラメを……」千恵子が喚きてる。「亮介さん、騙されないで! このたち、由梨ちゃんの結婚を妬んで嫌がらせをしてるのよ! その真珠はね、男の嫁が『由梨ちゃんに使ってほしい』って自分から差ししてきたものなのよ!」

「嘘をつくなッ!!」

広が割れんばかりの、田さんの号が炸裂した。千恵子が「ひっ」と鳴をげ、そのにへたり込む。田の父親が「亮介、どういうことだ」と々しく問いかけた。

田さんは両親に向き直り、くをげた、全員に聞こえるように告げた。

「父さん、母さん。本お集まりいただいた皆様。変申し訳ありませんが……森由梨さんとの婚約を、本付で破棄させていただきます」

「……え?」由梨の喉から、の抜けた掠れ声が漏れた。

「は、破棄……? 何を言ってるの、亮介さん! 来、式なのよ!? 招待状だって全部送ったのに!」

「私のから説しましょうか」田さんは、由梨をゴミを見るような目で見ろした。

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「あなたが『義姉から譲り受けた』と涙ながらに語っていた真珠のネックレスは、にくなられた美咲さんの遺品を、無断で持ちした盗品だった。さらに、あなた方の母親と兄は、美咲さんの命の当に、美咲さんの成祝いの純バングルを売りばし、あなたのドレス代に充てようとしていた」

田の親族席から、どよめきと激しいざわめきががった。「遺品を……?」「んだの物を盗んで着飾っていたのか……?」「なんて浅ましい……」突き刺さるような軽蔑の線が、振袖姿の由梨と、千恵子に斉に浴びせられる。

「ち、違うの! 私はらなかったの!」由梨が泣き叫びながら田さんの元にすがりついた。「お兄ちゃんが、健太兄ちゃんが『使っていい』って言ったの! 私はお兄ちゃんからもらっただけなの! 私、何も悪いことしてない!!」

見苦しいまでの責任転嫁。昨までSNSで『族の絆に謝』と誇らしげにき連ねていた女が、保のために実の兄を真っ先に贄に捧げた瞬だった。

健太の顔が引き攣った。

「由梨、お……! おが『どうしても本物の真珠が着けたい』って泣きついてきたから、俺が――」

「あんたが勝にやったんでしょうが!」千恵子までが健太を鳴りつける。「母親と妹をこんな目に遭わせて、あんたそれでも男なの!?」

内の恥を、これ以ないほど醜悪に晒しう。

田の父親が、吐き捨てるように言った。

「……見苦しい。田のに、このような恥らずな血を入れるわけにはいかん。

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