"私が外した保証人、身代わりは義母" 第4話
と頷いてくれる。
数字を見ることは、悪ではない。 破滅から会社と雇用を守るための、極めて当たりの防壁なのだ。
この、私が庭で否定され続けてきた専性が、ここでは当然の価値として扱われる。 その当たりの事実に触れるたび、乾ききっていたがしずつ潤っていくのをじていた。
だが、私が平穏を取り戻しつつあった方で、元夫と妹の「しい活」の噂は、共通のを通じて否応なしにに入ってきた。
「由ちゃん、もう弘さんのマンションに転がり込んだらしいわよ」
昼休みのカフェで、昔からの友である同僚が眉をひそめてスマホを見せてきた。
由のSNS。 そこには、かつて私が暮らしていたあのリビングのソファで、ワイングラスを傾けて微笑む妹の写真ががっていた。
『切なパートナーと、しいのスタート。どんな壁も、でなら乗り越えられる』
コメント欄には、事をらない友たちからの祝福の言葉が並んでいる。 由は得のイベントノウハウを総員して、舗のPRに乗りしているようだった。
級のあるロゴマーク、内装の3D完成予図、限定名のプラチナ会員募集の予告。
「今、名古にこれまでにない最の美空が誕します。を信じる勇気が、すべてをかす」
SNSでは、まるで事業がすでに成功を収めているかのような華やかな気が演されていた。
広告
親戚筋の向きも、あっというに変わったと聞いた。 最初は「妹と再婚なんて」と顔をしかめていた義母の敏さんも、毎のようにを訪れては甲斐甲斐しく料理を作り、息子を褒めちぎる由にすっかり籠絡されたらしい。
「由さんは弘の仕事を本当に理解して、向きに支えてくれている」 「佳奈さんはいつも難しくて、弘のやる気を削いでばかりだったから」
そんな言葉を、義母が親戚たちに触れ回っているのだという。
私はスマホの画面を伏せ、めた茶をんだ。
悔しさも、嫉妬も湧かなかった。 ただ、徹な職業識だけが、画面の奥にある歪みを正確に捉えていた。
……内装のパース図をここまで派にして、会員募集まで告し始めたのか。
舗物件の賃貸契約、デザイナーへの着、厨設備の仮押さえ。 この段階まで呂敷を広げれば、毎数百万円単位の固定費と払が容赦なく発する。
見栄を張れば張るほど、引き返せなくなる。
しかし、肝の資はどうなっているのか。
元夫の会社の現預は、婚の財産分与と慰謝料の支払いで、すでに500万円程度まで目減りしているはずだった。 そして私の500万の資と個保証は、によって完全に消滅している。
穴の空いたに、必で息を吹き込んでいるようなものだ。
広告
側から見れば華やかな航に見えても、底には最初から巨な亀裂が入っている。
その亀裂を直しないまま、は沖へようとしていた。
その頃、名古内の級ホテルのラウンジでは、元夫と由が、ある物と向きっていた。
元で広く材卸を営む、修社。 舗の材調達と、800万円の部資を打診している最のキーマンだった。
テーブルのには、由がデザインした分い企画が広げられている。
「素らしいコンセプトだね、由さん。ターゲット層の絞り込みもいいし、メディアへの計画もよく練られている」
が企画をパラパラとめくりながら微笑むと、隣に座る元夫ががを得たりとを乗りした。
「そうでしょう! これまでのにはない、本物の富裕層向けコミュニティを作るんです。由が加わってくれたおかげで、プロモーションの準備は完璧にいました。社、ぜひ第号のパートナーとして、ご資をお願いできませんか」
由も、とびきり魅力な笑みを浮かべて頷いた。
「社のお力添えがあれば、百力です。オープニングレセプションには、元の力な経営者の方々も数お呼びする予定なんです」
だが、の線は、企画の半にあるさな枚の表で止まった。
『総所資:3300万円』 ・自己資:500万円 ・部資(パートナー枠):800万円 ・本政策融公庫および方融資:2000万円