"私が外した保証人、身代わりは義母" 第3話
「資予定の500万をに戻すだけじゃなくて、事業計画からもおの名を全部消せって……融関に訂正通までせだなんて、俺のを引っ張る気か!」
「を引っ張る?」
私は膝ので指を組み、正面から夫の目をたく見据えた。
「度も承諾していない資と個保証を、勝に類にき込んでいたのはあなたでしょう」
「夫婦だったんだから、協力の能性として名をすくらい普通だろ! 融資の審査が通ったら、からちゃんと説して納得してもらうつもりだったんだよ!」
「それを世では、無断使用と言うのよ」
隣で本弁護士が静かに類の束をえ、く通る声で割って入った。
「林弘さん。ご自のを正確に理解してください。佳奈さんの承諾がないまま公な融資打診資料や資計画に署名予定者として記載し、第者に提示していた、それ自体がな信用問題になります。もし当方がこの事実を融関に直接照会すれば、あなたの会社の融資審査はそので打ち切られる能性がありますよ」
夫の喉仏が、ひくりとねがった。
弁護士の淡々とした指摘は、論ではなく純然たる法な鉄板だった。
「これは取引ではありません。佳奈さんがこれまで背負わされそうになっていた架空の責任を、本来あるべきゼロの状態に戻すための当然の続きです。
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この条件を拒否されるなら、協議婚は成とし、貞為に基づく損害賠償請求訴訟および御社の資産保全続きへ移します」
応接に、息の詰まるような沈黙が落ちた。
夫の肩が刻みに揺れていた。 何か言い返そうと唇を半きにするが、声がない。
貞の証拠は、あのホテルの細と万の写真で完全に押さえられている。 裁判になれば、舗のオープンどころか、今ある会社の信用すら吹きぶ。
夫は震えるで万を握り直すと、の署名欄に乱暴にペン先をらせた。
カリカリと、を削るような音が響く。
『林佳奈は、株式会社ヒロキ・コンサルティングおよび関連する規事業に対し、切の資義務、保証債務、業務執責任を負わないものとする』 『乙(夫)は、甲(私)の氏名が記載された切の融資申請類・事業計画を速やかに訂正・破棄し、その旨を面にて報告しなければならない』
すべての欄に署名と捺印を終えた夫は、ペンを投げすように放りし、私を睨みつけた。
「……分かったよ。もう度とおになんか頼まない」
憎々しげに吐き捨てられた言葉。
「由はおと違って、俺をから信じて背を押してくれる。数字ばかり並べてのを否定するような酷な女、こっちから願いげだ。
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せいぜいで寂しく悔すればいい」
私は何も答えず、ただ静かにちがり、本弁護士に向かってく礼した。
相にする価値すら、もう残っていなかった。
そので区役所へ向かい、婚届を提した。
窓で続きを待つ、元の類を見つめながら、ふとつの疑問がをかすめた。
私が資するはずだった500万円。 そして、融関が求める2000万円規模の融資枠に対する「信用保証」。
それを完全に失った状態で、あのはどうやってあの無謀な会員制レストランを始めるつもりなのだろうか。
「度とおには頼まない」と、あのは言った。
私に頼めないなら。 ……あのは次に、体誰のところへくのだろう。
引っ越し先は、勤務先から徒歩分ほどの所にある、築の賃貸マンションだった。
畳のリビングとさな寝。 暮らした分譲マンションに比べれば半分ほどの広さだが、部の空気は驚くほど軽かった。
朝に起き、自分のためだけに湯を沸かし、コーヒーを淹れる。
夜に酔して帰ってくる音に怯えることもない。 嫌を損ねないよう言葉を選んで神経をすり減らすこともない。
会社では、品メーカーの経営企画課としての常が淡々と戻ってきた。
会議で私が原価や回収期の懸を提示すると、役員や部署の部たちは真剣にを傾け、「林課がそう言うなら、設備投資の額を度見直そう」