"初婚のはずの夫、新婚のベッドの奥に4年前の結婚写真" 第12話
「信じる?」 私の胸ので、半積みなってきた何かが、音をてて砕け散った。
「嘘のに成りつ信頼なんて、この世のどこにあるのよ」
私は子からちがり、たい線で健太を見ろした。 りすら通り越し、ただただ、目のの男がれで、そして悍ましかった。
「つ、答えて」 私は指を本ずつてながら、静かに、けれど決定な宣告をすように問いかけた。
「あなた、どうして私に初婚だと嘘をついたの?」
健太は唇を噛み、答えられない。
「どうしてこの部を、自分が独代に買った持ちだと嘘をついたの?」
健太の喉が、引きつったように鳴る。
「そして――どうしてあとかで退しなければいけない部のリフォーム費用として、私に百万円を振り込ませようとしたの?」
「それは……だから、次のの……」
「次のの契約はどこにあるの? 相方の産会社の名は? 媒介契約は? 事項説は? ……何つないじゃない。あなたはただ、私の虎の子の貯を奪って、自分の都のいいように使うつもりだっただけよ」
私は息をく吸い込み、ずっと胸の奥に澱のように溜まっていた、決定な言葉を突きつけた。
「健太さん。あなたが欲しかったのは、緒に暮らす妻だったの?」
健太の呼吸が止まる。
「それとも――あなたの勝な計画におをし続ける、都のいい資者だったの?」
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健太の顔から、完全に表が抜け落ちた。 反論の言葉は、もうどこからも湧いてこないようだった。 ただを半きにし、青ざめた顔で私を見げている。
私はそれ以、言も発しなかった。 ダイニングテーブルのの、倒れたワイングラスと、のように広がった赤い染み。 それが、私たちの「婚活」の本当の姿だった。
私は寝へ向かい、クローゼットからあらかじめ用してあったスーツケースを引きした。 には、私の婚特財産である預通帳、実印、パスポート、そして数分の着替えが、すでに綺麗に詰め込まれている。
「おい……美咲、待てよ」 健太が慌てて寝の入りまで追ってきた。 その声には、先ほどの威圧はなく、怯えと焦燥が混ざりっていた。
「待てって! 話しおう! 悪かった、嘘をついたのは謝る! でも婚なんて冗談だろ? 百万円はもういい! ここをて、で普通の賃貸を借りればいいじゃないか!」
健太のが私の腕を掴もうと伸びてきた。 私はそのを、を翻してたく払いのけた。
「触らないで」
「美咲……!」
「今夜から、ビジネスホテルに泊まります。今の連絡はすべて、私の代理である由紀弁護士を通してください」
「弁護士って……お、本気で言ってるのか!? 世体がどうなるんだよ! 親族に何て説するんだ!」
世体。 最の最まで、この男のからてくるのは自分の体裁だけだった。
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「どうぞ、お義母さんと緒に、得の作り話で説してください」
私はスーツケースのハンドルを握り、玄関へと歩みをめた。 背から健太が何かを喚き散らす声が聞こえたが、その言葉はもう、私のにはただの雑音にしか聞こえなかった。
靴を履き、ドアノブにをかける。
振り返ると、廊の暗がりの、ち尽くす男の姿があった。 の別の嫁の痕跡に寄し、次の獲物からを巻きげようとしていた、空っぽの男。
ガチャリと、い玄関ドアの鍵を内側からける。
の夜気は、を切るようにたかった。 けれど、半ぶりに、肺の奥くまで鮮な空気が満ちていくのをじた。
私は度も振り返ることなく、階段を駆けりた。
夜の代沢の宅を、スーツケースの輪を転がしながら無で歩いた。
タクシーのヘッドライトが濡れたアスファルトを照らし、私は震えるでを挙げた。 部座席に倒れ込み、き先を告げる。 「渋駅の、マークシティのくまでお願いします」
夜のビジネスホテルにチェックインし、さなシングルルームのドアを閉めた。 ガチャリ、と属のい音をててドアチェーンを掛け、内鍵をに回す。 部には、私ひとりしかいない。
靴を脱ぎ、いベッドの端に腰をろした瞬、張り詰めていた糸が切れたように全の震えが止まらなくなった。