"赤字物件と笑う夫、毎月9万の裏口座" 第15話
これを受けて、ディベロッパーのコンプライアンス部が緊急調査にきました」
田島さんはややかにの端を吊りげた。
「結果、泉麻さんは内部報の正利用およびインサイダー紛いの当仲介の疑いで、即自宅待処分となりました。彼女の会社は、今回のげプロジェクトから完全に排除されることが決定しましたよ」
「な……ッ!?」
直の顔から、血の気が引いていく。
「そんな……嘘だろ……!? 契約は……あのの買収はどうなるんだよ!」
「どうもこうもありません」
田島さんは酷に告げた。
「ディベロッパー側は、トラブルのあるトンネル会社(K-Plan)を仲介からし、真の所者である浦恵理さんと直接、正式な事業協力の覚を締結したいと申し入れてきています。当然ですね。正規のルートで話をめる方が、企業としても全ですから」
「あ……あ……」
直のから、抜けな空気の抜ける音が漏れた。
直と泉麻、そして元同僚の加藤が企んでいた「底値で買い叩いて6,800万円の転売益を分けする」という浅ましい錬術は、跡形もなく消滅したのだ。
それどころではない。
「直さん、あなたは加藤亮介氏の会社とので、本に物件の引き渡し承諾を提するという事契約を結び、付の名目で数百万円をすでに受け取っていましたね?」
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森本弁護士が、座の追跡記録を突きつけた。
「物件の引き渡しが能となった以、あなたは加藤氏の会社から、付の倍返しを含む違約を請求されることになります。その額、およそ1,000万円。……もちろん、恵理さんには何の関係もない、あなた個の債務です」
「ひ、1,000万……!?」
隣で聞いていた義母が、泡をってちがった。
「ちょっと直! 何なのよそれ! あんた、会社で世して、しいお嫁さんと優雅に暮らすんじゃなかったの!? なんで借がそんなにあるのよ!」
「うるせえ! 黙ってろ!」
直がを抱えて鳴り返した。 もはや、母親に対する気遣いも、取り繕う余裕も残っていない。
「全部……全部おのせいだ!」
直が、千血った目を私に向けた。 その線には、自らの罪に対する反省など微もなく、ただ自分のい通りにならなかったことへの、醜い逆みだけが渦巻いていた。
「おが……! おが黙ってあの類にサインしていれば、全部丸く収まってたんだよ! 借も全部チャラになって、親父のボロもく売れて、誰も損しなかったんだ! なんで邪魔をするんだ! なんで俺のを引っ張るんだよ!」
「損をしなかった……?」
私の喉から、乾いた声がこぼれた。
「直さん。あなたは私に、1,200万円で売り払えと言ったのよ。本当は8,000万円い価値があるを、私を騙して奪い取り、差額をと分けにするつもりだったんでしょう?」
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「それは……俺が今まで苦労して管理してやった分の取り分だろ!」
直が机をバンと叩いてを乗りした。 唾がび散り、顔が醜く歪んでいる。
「おは何もしてこなかっただろ! 建物のことも、のことも、全部俺に任せきりだったくせに! おみたいな世らずが、今さら被害者面して権利を主張するんじゃねえよ!」
25。 あので、何か都が起きるたびに夫が私に投げつけてきた言葉だった。
「おは何もらない」 「おは世らずだ」 「俺に任せておけばいいんだ」
そうやって私の自信を奪い、自の目を摘み、自分に依するように飼いならしてきた男。 昔の私なら、その声に縮みがり、私が悪かったのかもしれないと自分を責めていただろう。
けれど、今の私のには、さざ波ひとつたなかった。
ただ、澄み渡るような徹な静寂だけがあった。
私は子の背もたれから背をし、まっすぐに直の目を見つめた。 逃げも、怯えもしない。 その私の差しに、直の勢いがわずかに削がれ、息が詰まる。
私は、静かにをいた。
「任せたのは、あなたを信じていたからです」
部の空気が、張り詰めた。
「私のものを、勝に使っていいと言ったわけじゃありません」
直のが、いたまま凍りついた。 その瞳の奥に、初めて本当の揺がるのを私は見た。
「私はあなたを夫として信頼し、庭を任せ、父の切な建物を託した。