"「あの担当者はどこだ」社長の一言に凍る年下上司" 第11話
私は、昨からの来事を、洗いざらい話した。 田辺の傲なプレゼン。 自分を運転として侮辱したこと。 宮本社がすべてを見抜いて席をったこと。 そして今、本部の島が、責任だけを私に押し付けて謝罪にかせようとしたこと。
話し終えると、部のに静けさが戻った。 壁の振り子計が、コチ、コチと正確にを刻んでいる。
佳代はるでもなく、取り乱すでもなく、ただじっと元の茶碗を見つめていた。 そして、ゆっくりと顔をげた。
その瞳には、かつて見たことがないほど、凛としたいが宿っていた。
「修さん」
「うん」
「もう、タダで背負うのはやめなさい」
喉の奥が、さく詰まった。
「あなたはね、お好しすぎるのよ。、ずっとそう。のが困っていれば自分のを削って伝い、若い営業がミスをすれば自分の柄を譲ってをげて……。それで、会社はあなたに何を返してくれた?」
佳代の声は静かだったが、その言言が、私の胸の奥くに突き刺さった。
「役職を取りげて、窓際に追いやって、若い司からは雑用係って呼ばれて……それでも会社のために、またタダでを被りにくの? そんなの、優しさじゃないわ。ただの逃げよ」
「……逃げ、か」
「そうよ。波をてないことで、自分が傷つかないようにしているだけ。……あなたが本当に守りたいものは何なの? その会社でのさな居所? それとも、あなたが命を削って作ってきた、仕事のプライドなの?」
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佳代は私の目を真っ直ぐに見据えた。
「相は、のあなたを信じてくれたなんでしょう? だったら、なおさらよ。先の謝罪や、会社の代わりでくなんて、その宮本社さに対しても番の無礼じゃない」
妻の言葉が、私の全の血を沸騰させるように巡っていく。
そうだ。 私は、恐れていたのだ。 会社から完全に弾きされることを。 歳になって、居所を完全に失うことを。
だが、失うことを恐れて魂まで売り払うなら、何のために、現の油にまみれてきてきたというのか。
「……佳代」
「何?」
「俺、、会社と戦うよ」
佳代は、ふっと柔らかく微笑んだ。 そして、めかけた私の湯呑みに、もう度い番茶を注ぎしてくれた。
「ええ。ってらっしゃい。あなたが正しいとうやり方で、全部ひっくり返してきなさい」
翌朝、午分。
本社の会議には、苦しい沈黙がち込めていた。 なマホガニーのテーブルの座には、島本部が青ざめた顔で座り、その隣には目のに隈を作った田辺が縮こまっていた。
テーブルを囲むのは、品質保証部、、そして産管理課の野寺主任。 緊急対策会議という名の方な査問委員会が始まろうとしていた。
「田辺」
島が、々しくをいた。
「先方への再アプローチのシナリオはできたのか」
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「は、はい……」
田辺が震えるで資料を配ろうとする。
「あの、やはり今回の件は、事のすりわせと言いますか……先方の宮本社が極めてになっておられまして。が社としては、さらなる値引きと、初回ロットの無償提供を条件に、もう度だけ対話のテーブルについていただくよう——」
「まだそんな寝言を言っているのか」
乾いた、い声が会議の空気を切り裂いた。
全員の線が斉に、部の末席に向けられた。
そこに座っていたのは、私だった。
普段の支援課の業務着ではない。 の、勝負の商談のにだけにつけてきた、濃紺の仕てのスーツ。 背筋を伸ばし、両を机のに揃えて座る私の姿に、島が怪訝そうに眉をひそめた。
「……佐藤。おを呼んだのは、現の状況を補させるためだ。発言を許した覚えはないぞ」
「本部。そのに、皆様にお配りしたいものがございます」
私はちがり、鞄から取りした束の類を、テーブルの全員に向けて滑らせた。 ホチキスで留められたその類の表には、黒いゴシック体でこう記されていた。
『宮本精密案件に関する正常化提案、ならびに特別プロジェクト専任体制における職務権限規程』
「な……んだ、これは」
島が類をめくる。 そこへ、田辺がキャンキャンと吠えてた。