"「あの担当者はどこだ」社長の一言に凍る年下上司" 第7話
机のには、午に頼まれていた部署の伝票の束が、つかずのまま積まれていた。
悔しくないと言えば、嘘になる。 、この会社にすべてを捧げてきた。 をすすり、ので徹夜し、客の鳴り声を全で受け止めながら、この会社の板を守ってきた自負がある。
それが今や、数字の帳尻わせしからない若造に『会社のガン』扱いされ、のにされている。
だが、に任せて鳴り返したところで何になる? ここは会社だ。 証拠のないりは、ただの老害の吠えとして処理されるだけだ。
私はパソコンの源を落とし、引きしから冊の古い業務帳を取りした。 そして、内線話の受話器を静かに取った。
回した先は、の奥く、本館とは渡り廊で隔てられた『産管理課』だった。
夜の。 本社ビルのかりが半分以消えた頃、私は、渡り廊を渡って棟へと向かった。
事務所のドアをけると、油と切削油、そしての残業によるコーヒーの酸化した匂いがち込めていた。
積みにされた図面と部品パレットの奥で、マルチディスプレイのに照らされながら、眉にい皺を寄せてキーボードを叩いている女性がいた。
野寺美紀、歳。 産管理課の主任であり、こののラインスケジュールをに握る、現のだ。
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「……野寺さん」
声をかけると、野寺は肩をビクッとねさせ、乱れた髪をかきげながら振り返った。 目のには、濃い隈が張り付いている。
「あ……佐藤さん。お疲れ様です。どうしたんですか、こんなに?」
「し、確認したいことがあってね。宮本精密向けの、油圧シリンダーと摺ブッシュの件だ」
野寺のが、キーボードのでピタリと止まった。
彼女の顔に、サッとあからさまな警戒と疲労のがった。
「……あの件なら、もう田辺課には『無理です』って回メールしましたよ。それでも『営業判断でめるからをすな』って突っぱねられて……まさか佐藤さんまで、現を急かしに来たんですか?」
「逆だよ」
私は、デスクの脇にあった丸子を引き寄せて腰をろした。
「今、宮本精密の商談に同してきた。田辺課がした提案を見て、背筋が凍ったんだ。……あれは、君たちが正式にしたライン計画じゃないね?」
野寺の瞳が、驚きで見かれた。 彼女は周囲を気に富むように見回すと、声をワントーン落として、自分のディスプレイをこちらに向けた。
「……見てください、これ」
画面に表示されていたのは、社内基幹システムの詳細スケジュールだった。
「田辺課が客先に提示した納期、週ですよね? でも、うちの正規のライン引きだと、最でも週。
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どう詰め込んでも週半かかるんです」
野寺がマウスを激しくクリックし、資材発注と処理の注スケジュールをく。
「まず、あの非調質鋼の指定材。国内流通の庫がくて、母材が入線するだけで週かかります。そこから荒引きして、周波焼入れの注に回すわけですけど……処理炉の空き枠、今はゼロです。私がいくらをげても、どこも受けてくれません」
「宮本社が言っていた通りだな。建メーカーのロットが炉を占領している」
「そうなんです!」
野寺は、抑えきれないりを吐きすように言った。
「それを田辺課に伝えたら、なんて言われたといます? 『処理炉の温度をげてを半分にしろ』ですよ!? 属の処理ですよ!? ケーキを焼く温度設定じゃないんですよ!? そんなことしたら歪みで公差がメチャクチャになって、研磨程で全部ハジかれます!」
「……だろうね。図面の公差は、百分のミリ以内だ」
「はい。良率が割を超えます。でも課は、『それはの腕の問題だ。良がたら夜勤を増やして削り直せ』の点張りで……。挙句の果てに、先週私が送った『納期遅延および品質リスクに関する警告』の社内メール、課のところで承認が止められて、本部の決裁ラインから消されてたんです」
喉の奥で、カチリと何かが噛みう音がした。
隠蔽だ。 田辺は、産部が正式にした「能」のサインを握りつぶし、役員会や本部には「との調は完している」