"18年消えていた母の第一声は「手取りいくら?」" 第5話
もしそうなら。 最初はおも送り、も寄越していた母親が、なぜ。 なぜ、あるを境にぷっつりと音信を絶ったのか。
「おばあちゃん、これ……最のおが届いたの、をてからヶだよ。このあと、何があったの? どうしてお母さんは来なくなったの?」
祖母は目を伏せ、首を横に振った。
「私にも、分からないんだよ。この送を最に、話もも途絶えた。私から京のアパートに話をかけても、現使われておりませんのアナウンスが流れるだけでね。警察に相談しようかともったけれど、捜索願をしたところで、事件性がなきゃいてくれないって言われて……それっきりさ」
祖母の乾いた声が、たい部に落ちる。 歳の私は、このとカードの約束を信じて、来ない母親を待ち続けていたのだ。 そして母親は、何の触れもなく、煙のように消えた。 病気で倒れたのか? それとも、事故に遭ったのか? いや、今のあの母親の姿を見る限り、そんな劇のヒロインでは決してなかった。 あのは万円の仕送りを求し、に入らなければ祖母を脅すとまで言い放ったのだ。
「……由佳叔母さん」 私のから、乾いた名が漏れた。
「え?」
「さっきお母さん、由佳叔母さんから私のことを聞いたって言ってた。叔母さんは、お母さんと連絡を取りってたんじゃないの?」
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祖母の顔が張った。 「由佳は……何もらないって言ってたよ。昔から、美智子がどこで何をしてるかなんてらないって……」
「嘘だよ」 私はスマートフォンを取りした。 刻はを回っていた。 「聞いてみる。叔母さんが何を隠してるのか」
「音、やめなさい。今さら昔のことを掘り返して、あんたが余計に傷つくだけだよ」 祖母が止めるのも聞かず、私は通話履歴から叔母の番号を探しし、発信ボタンを押した。
コール音が回鳴って、カチリと通話が繋がった。
『……もしもし、音ちゃん? こんなにどうしたの?』 受話器の向こうから聞こえる叔母の声は、どこか警戒するようにずっていた。
「叔母さん、私」 私はを押し殺し、努めて平坦な声をした。 「今、会社のビルのでお母さんに会ったよ」
話の向こうで、ヒュッと息を呑む音がはっきりと聞こえた。
『……会ったの。美智子姉さんに』
「うん。取りの料を聞かれて、毎万円仕送りしろって言われた。断ったら、おばあちゃんのに鳴り込むって脅されたよ」
『……あちゃあ』 叔母のから漏れたのは、同でもりでもなく、面倒な事態に巻き込まれた特の、浅い溜息だった。 その反応に、私の胸の奥で何かがブツリと切れた。
「叔母さん、私の会社を教えたの、叔母さんでしょう。お母さんに何を頼まれたの? どうして教えたの?」
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『違うのよ、音ちゃん。私だって教えたくて教えたわけじゃないのよ!』 叔母はで弁解を始めた。 『先、姉さんから突然話がかかってきてね、活が苦しくてにそうだって泣きつかれたのよ。音がどこで働いてるかだけでも教えてくれなきゃ、私のに転がり込むって脅されて……。私だって旦の、そんなの困るじゃない?』
「だからって、私を差ししたの?」
『そんな言い方しないでよ! あの子ももう派なだし、実の親子なんだから、しは助けってもいいんじゃないかって……それに、姉さんだって昔は苦労したんだから』
「苦労?」 私は仏壇のの、古いを睨みつけた。 「お母さんは最初、を寄越してた。でもヶで急に連絡が途絶えた。ねえ、叔母さん。お母さんはどうして、私を迎えに来なかったの? おがなかったから? 仕事が変だったから?」
叔母は押し黙った。 沈黙が、く受話器のに横たわる。
「ってるんでしょう。お母さんが京で何をしていたか」
『……音ちゃん、もうやめなさい。ったって、あんたが良いいをするわけないんだから』
「教えて。教えられないなら、、叔母さんのにく」
私の本気配が伝わったのだろう。 話の向こうで、叔母がく、苦しげな息を吐きす音がした。 そして、恐る恐るというように、あの『空の理由』をにしたのだ。
『……姉さんね、をさなくなった頃、京でしい男のと同居を始めたのよ』