"5000万円の新居に義両親が無断で引っ越し――夫の嘘" 第6話
満面の笑みと崩壊する提
「こんにちはー! 彩佳さん、今から本当にお世話になりますね!」
玄関ドアがから勢いよく押しかれ、の匂いとともに姿を現したのは、義母の千鶴(ちづる・歳)だった。 にはデパの袋とぶりのボストンバッグを抱え、まるで級旅館にでもチェックインするかのようなれやかな満面の笑みを浮かべている。 そのすぐろには、グレーのスラックスにジャケットを羽織り、どこか気まずそうに線を泳がせている義父の正男(まさお・歳)がっていた。
「お義母……さん……?」 私の喉から、掠れた乾いた声が漏れた。 千鶴は私の青ざめた顔に気づく素振りすら見せず、同然の勢いで玄関マットのに踏み込んできた。 「が混んじゃってし遅れちゃったけど、トラックと緒に無事に着いたわ! で作業員さんたちに鍵をけてもらってね。健太から預かってたスペアキー、役にったわよ」
私の線が、千鶴の元から、横で俯いている健太へと突き刺さった。 スペアキー。引渡しのに産から受け取った本の鍵のうち、健太に渡してあった本。それを、私に言の相談もなく、事に母親へ渡していたのだ。
「彩佳さん、突っってないで荷物の指示をしてあげてよ。うちのタンス、いんだから。
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あの畳の部に入れるんでしょ? 健太から聞いてるわよ、ぴったり収まるように測ってくれたって」 義母は何の悪びれもなく、当然の権利を使するように部の奥へとずかずかもうとした。
私の内側で、張り詰めていた糸がプツリと音をてて千切れた。 りで鳴り散らすのではない。徹な理性が、私の考を鋭く研ぎ澄ましていった。 私は歩に踏みし、義母のくを塞ぐように廊の央にちはだかった。
「お義母さん」 「何よ、彩佳さん。くしないとトラックの邪魔になっちゃうでしょ?」 「私、お義父さんとお義母さんに、『緒にんでいい』って言いましたか?」
廊の空気が、ピシリと音をてて凍りついた。 千鶴の顔に張り付いていた満面の笑みが、まるで乾いた仮面のように直し、ピタリときを止めた。 義母は目を瞬かせ、隣につ息子の健に助けを求めるように線を向けた。 「な……何言ってるのよ、彩佳さん。健太から全部聞いてるわよ? 夫婦で話しって決めたって」 「健太からではなく、私から直接聞きましたか? 私のから、同居に同すると度でもお伝えしましたか?」
「そ、それは……」 千鶴の線が泳ぎ、言葉が喉につかえる。 私は歩も引かず、義母の瞳を真っ向から見据えたまま、氷のように研ぎ澄まされた声で事実を突きつけた。
「私からは言も聞いていませんよね。私は、おと同居することに同していません」