"義妹が奪った父のベンツ――事故の電話で義母が絶句" 第10話
義母の本音
朝。
私はいつも通り台所にっていました。
今は戸先のところへき、そのまま娘のへを寄せる予定です。必な類と類はすでにさなバッグへまとめてあります。
子がリビングへ入ってきました。
「由美さん。今は私がコーヒー入れるわ」
私は瞬、を止めました。
緒に暮らしてきて、義母が私のためにコーヒーを淹れたことなどほとんどありません。
「珍しいですね」
「たまにはね」
子は笑いました。
私は戸先の言葉をいしました。
べ物やみ物にも注してください。
そこで私はカップを受け取りましたが、をつけませんでした。
「しましてからみます」
子の線がカップに落ちました。
美穂もソファからこちらを見ています。
自然です。
私は急にちがりました。
「そうだ。ゴミをしてきます」
カップをテーブルへ置いたまま玄関へ向かいました。
背で子が慌てた声をしました。
「コーヒーめるわよ」
「戻ったらみます」
私はへました。
そしてそのままの裏へ回り、戸先へ話しました。
「先。予定をめます」
「何かありましたか?」
「はい」
私は詳細を伝えました。
先は迷わず答えました。
「へ戻らず、そのまま全な所へ移ってください」
そのです。
のでエンジン音がしました。
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物から見ると、美穂がベンツへ乗り込むところでした。
子も玄関にっています。
「くきなさい」
義母の声が聞こえました。
「でも由美さんがいない」
「そのうち戻るわよ。先にだけ何とかして」
美穂は迷っていましたが、やがてを発させました。
黒いベンツがの向こうへ消えていきます。
私は位置報を確認しながら、戸先が指定した所へ移しました。
約。
赤い印がきな交差点で止まりました。
その直、病院から自宅へ話が入ったのです。
からったことですが、美穂はまた港方面へ向かう途で事故を起こしました。幸い軽い接触で済みましたが、本が揺していたため病院へ運ばれました。
そして病院は、両の所者や族関係を確認するため自宅へ連絡した。
私は戸先と緒に、のくまで戻っていました。
リビングの固定話が鳴るのをから確認し、私は裏から静かにへ入りました。
子は私がまだにいるとっています。
廊のにつと、病院との会話が聞こえました。
「黒いベンツ?」
義母の声が急にるくなりました。
「運転していた女性が搬送された?」
彼女は事故に遭ったのが私だとったのでしょう。
そしてあの言葉をにしました。
「運転した女は治療しないでください」
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私は録音を握りました。
「無駄な治療費なんて払いたくないの。どうせ迷惑ばかりかける女なんだから」
そこには分の嫌悪が詰まっていました。
私はもう隠れる必はないといました。
廊から歩、リビングへました。
「お義母さん」
子が振り返ります。
その顔が凍りつきました。
「えっ……」
私は静かに問いかけました。
「事故に遭ったんじゃ、何ですか?」
子のがいたままきません。
「治療しないでって、誰のことですか?」
その瞬、彼女はようやく理解しました。
黒いベンツを運転して事故に遭った女性が私ではないなら、体誰なのか。
子の指から受話器が落ちました。
私はに転がった話を拾いました。
病院職員が「もしもし」と呼びかけています。
「森田由美です」
私が名乗ると、相は状況を説してくれました。
搬送されたのは佐藤美穂。
きな怪はない。
確認のため連絡しただけだ、と。
私は受話器をからし、子へ差ししました。
「美穂さん、無事だそうですよ」
義母はしばらくきませんでした。
それから突然、受話器にびつきました。
「美穂! 娘はどうなってるんですか!」
ほんの数秒とは別のような必さでした。
私はその姿をたく見つめました。
子がしていたのは族ではない。
自分にとって都のいいだけだったのです。
そして彼女は今、自分自の声でそれを証してしまいました。