"義妹が奪った父のベンツ――事故の電話で義母が絶句" 第8話
保険の類
健は夕の、ほとんどをきませんでした。
義母は病院へ残り、美穂も晩入院することになったため、広い卓には夫と私のだけでした。結婚して、きりで事をするのは久しぶりだったのに、会話はありません。
私は噌汁をみながら、夫の顔を見ました。
このをしていた期は確かにありました。
娘がまれた夜、病院の廊で泣きながら「ありがとう」と言ってくれたこともあります。父のを伝ってくれたこともありました。
体いつから、ここまで違うになってしまったのでしょう。
あるいは変わったのではなく、私が見ないふりをしていただけなのかもしれません。
事が終わる頃、健が突然言いました。
「由美。美穂のことだけど」
「はい」
「あいつも悪気があったわけじゃない。借で追い詰められてただけだ」
私は箸を置きました。
「私のを勝に売ろうとしたことも?」
「だから、族ならしくらい助けてもいいだろ」
「いくら必だったんですか?」
夫は答えませんでした。
「あなたはっていたんでしょう?」
「何を」
「美穂さんの借です」
健は目をそらしました。
「は」
「って?」
「細かい額まではらない」
嘘でした。
美穂は「お兄ちゃんも言った」と証言しています。
それでも今は追及しませんでした。
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私はわざと話題を変えました。
「そういえば、私の命保険について問いわせました?」
健のが止まりました。
ほんの瞬です。
けれど私は見逃しませんでした。
「何の話だよ」
「受取をあなたに変更できないか、調べました?」
「らない」
「本当に?」
「しつこいな!」
健は急に声を荒らげました。
「俺がそんなことするわけないだろ!」
私は何も言わずちがりました。
その夜、健が呂に入っている、私は斎の棚から計関係のファイルを取りしました。
違法にの物を漁るつもりはありません。
私自も管理している夫婦共の計ファイルです。
そのに、枚だけ見覚えのない保険会社の封筒がありました。
宛名は私。
けれど封済みです。
には契約内容変更に関する確認類が入っていました。
申請は途で止まっていました。
本確認が取れなかったためです。
そして申請内容の欄には、受取を娘から健へ変更する希望が記載されていました。
私はそので写真を撮り、戸先へ送りました。
数分、話がかかってきました。
「森田さん。これはです」
「やっぱり夫が?」
「申請した物を断定するには確認が必です。ただなくとも、ご本のではない変更続きがめられた能性があります」
私はソファに座りました。
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もし私に何かあれば。
健に保険が入る。
同に、美穂は額の借を抱えている。
そして今、美穂は私のを使って何かをしようとしていた。
偶然がすぎます。
「先。美穂さんは、私をに乗せる予定だったと言いました」
話の向こうが静かになりました。
「分かりました」
戸先の声が変わりました。
「今夜はにならないでください。それから、べ物やみ物にものため注してください」
その言葉を聞いた瞬、背にたいものがりました。
通話を終えると、廊から健の音が聞こえました。
私は急いで類を元へ戻しました。
夫がリビングへ入ってきます。
髪は濡れたままでした。
「誰と話してた?」
「奈緒です」
私は自然に嘘をつきました。
健はしばらく私の顔を見ていましたが、それ以は聞きませんでした。
寝へ向かうろ姿を見送りながら、私はいました。
、私はこので嘘をつく必などなかった。
それなのに今は、自分を守るために夫へ本を隠している。
その夜、眠るにスマートフォンを確認すると、通のメッセージが届いていました。
送り主は娘の奈緒です。
《お母さん。お父さんから変な話が来た。もしお母さんに何かあったら、保険の続きを俺に任せろって。何かあったの?》
私は画面を見たまま、しばらくけませんでした。