"「お前のために断ってやった」母の仕送りを7年捨て続けた夫" 第9話
をにするだった。
両親の線が、痛いほど私の元に突き刺さっている。 父は固く唇を結び、母はおろおろと私の顔を見つめていた。
私は画面をスワイプし、スピーカーにはせず、受話器をに押し当てた。
「……もしもし、お義母さん」
『真帆さん! やっとたわね!』
膜を破らんばかりの甲い声が、鼓膜を殴りつけてきた。
『あなた、今どこにいるの? 拓から泣きつくように話があったわよ。張から疲れて帰ってくる夫をで待たせて、自分は勝に実に逃げ帰ったんですって? 体どういう教育を受けたらそんな非常識なことができるの!』
喉の奥が、ぎゅっと引き絞られる。 胃の底から、苦いものがせりがってきた。
夫はもう、阪から義母に連絡を入れていたのだ。 自分が、妻の実からの荷物を無断で突き返していたことなど言も触れず、「妻が理由もなくヒステリーを起こしてをびした」という被害者の筋きを仕てげて。
「逃げ帰ったわけではありません。実のれを取り壊すことになって、自分の荷物を理しに来ただけです」
できる限り声を震わせないよう、呼吸をえて返した。 だが、義母はで笑うような息を吐き捨てた。
『れだか何だからないけれど、そんなもの、拓が休みのに付きってもらうか、業者に全部丸投げすればいいじゃないの! たかが田舎の物置を片付けるために、夫の張にを空けるなんて聞いたこともないわ。
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拓がどれだけ会社で神経をすり減らして働いているか、あなた本当に分かっているの?』
「私も働いています」
わずからた言葉に、義母が瞬、息を詰まらせた。
「私も平フルタイムで働いて、活費も半分しっています。拓さんのお世話をするためにきているわけじゃありません」
『な……何よそのの利き方は!』
話の向こうで、義母が逆して声を裏返した。
『正社員だからっていい気にならないでちょうだい! 川のに嫁いできた以、夫を支えて庭をえるのが妻の務めでしょうが! 拓はね、あなたのご嫌を取るために、わざわざ幹線代までして田舎に帰るのをこれまでさせてあげていたのよ? それなのに、ちょっと目をした隙にこれ? 親の顔が見てみたいわ!』
親の顔。 その言葉を聞いた瞬、目のが真っ赤になった。
隣でさくなっている母のが見える。 で荒れ、節くれち、娘のためにせっせと野菜を箱に詰めては、突き返されて泣いていた母の。 腰を痛めて力が入らなくなり、それでも娘の結婚活を壊すまいと、も屈辱をみ込み続けた父の背。
「……お義母さん」
私の声から、完全に温度が消えていた。
「拓さんは、毎のように埼玉のお義母さんの実に帰っていますよね」
『はあ? 当たりでしょう! 拓は川の男よ! 父親をくした母親の面倒を見るのは息子の義務じゃないの!』
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「じゃあ、私の親はどうなるんですか?」
『……なんですって?』
「私の父も、腰を悪くして仕事を辞めました。母もを過ぎて、い荷物を持てなくなっています。どうして拓さんが親の顔を見にくのは当然の義務で、私が自分の親に会いに来るのは非常識なんですか?」
『そんなの、田と川じゃ事が違うに決まっているでしょうが!』
義母はヒステリックに鳴り散らした。
『嫁にした娘にいつまでも執着するなんて、田舎の親のいやしい甘えよ! 拓が「田舎の臭い漬物は迷惑だ」って断ってくれたんでしょう? それなら親として恥じ入るのが筋じゃないの! それを真帆さんに告げして夫婦仲を裂くような真似をして……本当に浅ましいわね!』
「お義母さん」
私は義母の言葉を遮った。 自分の臓が、氷のようにたく、研ぎ澄まされていくのが分かった。
「それ以、私の両親を侮辱しないでください」
『……な、何ですって?』
「私は、あなたたち川の所物になった覚えはありません。実との関わり方は、私が自分で決めます。これ以、私と私の両親の尊厳を踏みにじるなら、今のお付きいは考えさせていただきます」
『ちょっと、真帆さん! あなた自分が何を言っているのか――』