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"「お前のために断ってやった」母の仕送りを7年捨て続けた夫" 第3話

と言い放っていた。

「……なんで」

声が漏れた。

広いリビングのい壁が、急に迫ってくるようにじられた。 グレーのシンプルなソファ、無駄なものの置かれていないアイランドキッチン。 夫の好みにわせて統された、活のない部。

『物を溜め込むと運気ががる』 『実のガラクタなんて、持ってきても置く所がないだろ』

結婚当初から、あのはそう言っていた。 理で、無駄が嫌いで、スマートに暮らすこと。それが彼の美学だった。 私は、自分の「捨てられない性格」を反省し、あのの言う通りにするのがなのだとい込もうとしていた。

でも、これは違う。 これは理化なんかじゃない。

あのは、私のらないところで、私と実をつなぐ糸を、本ずつハサミで切り落としていたのだ。

ポケットので、スマートフォンが震えた。 画面を見ると、夫の名が表示されている。

阪のホテルに着いたのだろう。 いつもなら「無事に着いたよ」と甘えたようなメッセージが来るだ。

私は呼吸を度して、通話ボタンをスワイプした。

「……もしもし」

『あ、真帆? 今ホテル着いた。今さ、阪駅ですごい美い串カツ見つけてさ』

嫌の良さそうな夫の声。 背景からは、ホテルのテレビの音が微かに聞こえる。

私はその言葉を遮るように、静かに言った。

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「拓さん。今、野から荷物が届いたよ」

話の向こうの空気が、ふっと止まった。

『……荷物?』

「お母さんから。野菜と、が入ってた」

数秒の沈黙。 テレビの音だけが、やけに鮮に響いている。 やがて、夫がし喉を鳴らすような気配がして、く落ち着いた声が返ってきた。

『……ふーん。届いちゃったんだ』

届いちゃった。 その言いに、背筋がすっとたくなる。

「配達員のから聞いたよ。にも何回か届いてたのに、受取拒否で返送されてたって。……どういうことなの?」

『どういうことも何も、そのままだよ』

ため息混じりの声だった。 悪びれる様子など微もない、ひどくうんざりしたような声。

『断ったんだよ、俺が。いらないから』

「いらないって……私の実からの荷物だよ? なんで拓さんが勝に決めるの?」

『勝に決めたわけじゃないだろ。うちの状況を考えたら当たりの判断だよ』

夫は諭すような、いつもの「正しい側の」の調になった。

『考えてもみなよ。うちのマンション、どこにそんなのついた根置く所があるわけ? 野沢菜だってさ、密閉容器に入れてても蔵庫けるたびにあの独特の匂いが充満するだろ。俺、あの匂い本当に苦なんだよね』

「ベランダに置けばいいじゃない! 匂いだって、私が別の容器に移し替えて……」

『そうやっておはいつも「自分がやる」

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って言うけどさ、結局最まで片付けないじゃん。もそうだっただろ? おが仕事で疲れて放置して、しなびた野菜をゴミ袋に詰めて捨ててるの、いつも俺だよ?』

「それは……」

言葉に詰まる。 確かに、以度だけ、母から届いた菜を使い切れずに腐らせてしまったことがあった。 そのとき夫はひどく嫌になり、週を利いてくれなかった。

でも、だからといって。

「だからって、お母さんに『真帆が嫌がってる』なんて嘘をついていい理由にはならないよ! お母さん、ずっと傷ついてたんだよ? 自分が娘に迷惑をかけてるんじゃないかって、怯えてたんだよ!」

『嘘じゃないだろ』

夫の声が、たさを帯びてくなった。

『おが処理しきれなくて困ってたのは事実じゃん。お義母さんに角がたないように、おの代わりに悪者になって断ってやったんだよ。なんで俺が責められなきゃいけないわけ?』

胸の奥が、ぎゅっと締め付けられる。 このは、本当に自分が正しいと信じ込んでいる。 妻のため、庭の調のため、理な判断をしてやったのだと。

「……実のれのこと、どうして黙ってたの?」

私がそう問いかけると、話の向こうで舌打ちの音が微かに響いた。

『にいてあったのか?』

「壊すんだってね。私のお遣いで買った机も、描いた絵も、全部あそこにある。

お母さん、私が帰ってくるのを待ってた。なのに、どうして『真帆は執着がないから捨てていい』なんて言ったの?」

『だって事実だろ?』

夫は平然と言い放った。

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